
シロアリ被害が多い沖縄では、シロアリ駆除業者の数も非常に多く、どこを選ぶべきか迷ってしまいます。そこで、当サイトが間違いのない業者選びをズバリ解説します。
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激安業者がいいとは限らない! 沖縄のシロアリ事情
沖縄では住宅に大きな被害を与えるイエシロアリの被害割合が多いといわれています。なかには「被害の8割がイエシロアリだった」という調査報告も!
その代わり、沖縄のシロアリ駆除業者は単価が安くコスト面では助かるなーと思います。
価格については全国平均の半額くらいかな? という水準なのですが、中には手抜き業者も混じっていたり……。
沖縄は元々安いわけですから、その中で最安を目指すのではなく、県内平均レベルの業者に頼んだ方が安心です。
沖縄はシロアリ被害が深刻であり、しかも駆除料金が安めに設定されているので、あえて激安を狙うのはやめましょう。イエシロアリの巣をガチで探せる業者に依頼しないと、安物買いの銭失いになりがちです。
沖縄のシロアリ駆除業者

温暖な気候の影響もあり、沖縄はシロアリの被害が多い地域です。シロアリ駆除業者の数も多く大手から零細な個人業者まで、たくさんの業者がしのぎを削っています。
県内業者としては白蟻百十番株式会社(那覇市)、ファーブル、イトマン白蟻社などが有名ですが、2020年6月、鹿児島県の大手業者西日本シロアリが沖縄市に支店を出しました。駆除業者の勢力図が変わるかもしれません。
それに加えて、東証マザーズ上場会社で全国展開している、シロアリ110番も対応可能です。このあたりが有力駆除業者と考えられます。
相見積りを取るべき理由

シロアリ駆除を依頼する場合は、必ず2~3社程度のシロアリ駆除業者に相見積りをとって下さい。特に沖縄では相見積り必須です。
沖縄で相見積りが必要な理由
- 価格にバラツキがあるので、複数の見積りを取って相場をつかみたい。
- イエシロアリの巣は見つけにくいため、2~3社の目できっちりと見てもらいたい。
- 床下換気など必要ないオプションをすすめてくる場合もあるので、他の業者の意見も聞いておきたい。
「相見積りを取ります」と言えば業者側もヘタなことが言えなくなります。そのため、相見積りによる悪徳業者の抑止効果も期待できます。
沖縄のシロアリ駆除の相場はいくら?
シロアリ駆除料金は、ざっくり1㎡単価1200円~2000円程度です。
沖縄県のシロアリ駆除料金は、全国平均に比べるとかなり割安に設定されています。ですから、その中でも激安を狙うというよりも、ある程度平均的な施工単価で本当にシロアリを駆除してくれる業者を選ぶべきだといえます。
2~3社に相見積りを依頼するという前提で考えると、①まず全国展開しているシロアリ110番の無料見積りを依頼し、それに加えて②地元有力業者の無料点検や見積りを依頼すれば安心できます。
調査 | 施工㎡単価(駆除) | 備考 | |
シロアリ110番
![]() | 無料 | 1200円~ | 全国対応 |
白蟻百十番株式会社 | 7000円~ | 1970円~ | 木造の場合 |
シロアリのファーブル | 無料 | 不明 | |
住宅ケンコウ社沖縄 | 不明 | 1815円~ | |
シロアリ特捜部 | 不明 | ~2117円 | 木造の場合 |
大城白蟻工事社 | 不明 | 1800円~ | |
しろあり消防隊 | 無料 | 1200円~ | |
沖縄インセクト | 不明 | 1700円~ | |
シロアリ駆除隊 | 無料~ | 1200円~ | |
アリタック沖縄 | 無料 | 1512円~ | |
海邦しろあり | 無料 | 1512円~ | 木造の場合 |
合資会社パワーズ | 無料 | 1663円 | RCの場合 |
上の表は、ホームページを持っているシロアリ駆除業者のうち料金を公表している会社の中から、施工単価をピックアップしたものです(木造住宅の料金)。おおむね1200円から2000円程度の間に収まっているといえます。
白蟻百十番株式会社だけは調査費用がかかりますが(7000円から)、シロアリ調査や駆除の技術レベルが高いので、これはこれで支払う価値があるのではないかと思います。
沖縄でしっかり業者を選びたい理由
- 他の地域に比べてそもそもシロアリの被害が多い。再発する危険性も高い。
- イエシロアリの被害が多く報告されており、深刻である。
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沖縄県でイエシロアリの被害報告が多いことは、特に注意したいポイントです。イエシロアリはヤマトシロアリに比べて、住宅に深刻な被害を与えるからです。
イエシロアリは床下だけでなく住宅の2階にも被害を与えますし、数百万頭に及ぶ巨大なコロニーを形成し、あっという間に木部を食べつくしてしまいます。
琉球大学(当時)の屋我嗣良氏の調査によれば、シロアリの被害のうちイエシロアリの被害が8割程度を占めていたそうです(1997年調査)。
そのため、内地に比べてシロアリ防除については慎重な対応が必要になってきます。
それに加えて、沖縄では他府県にいない種類のシロアリも生息しています。
沖縄ではシロアリの種類が日本一多い!
沖縄県内では10種類のシロアリが確認されていますが、そのうちの大半は住宅に被害を与えることはありません。しかし、すでに述べたイエシロアリを中心に、住宅に大きな被害を与えるシロアリが3種類住んでいます。このうちダイコクシロアリは、沖縄と奄美にしか生息していません。
ヤマトシロアリ
日本で最も一般的なシロアリで、比較的寒さに強く北海道中部まで分布しています。沖縄にも住んでいますが、イエシロアリに押されてやや影が薄いようです。

ヤマトシロアリの見分け方は、羽アリであれば羽根が黒っぽいこと。家の中で職アリや兵アリを見つけた時は、兵アリの頭の形に注意してください。頭の形が角ばっているものがヤマトシロアリで、丸いものがイエシロアリです。

ヤマトシロアリは水を運ぶ能力がないため、地面から1mくらいの範囲に限定して被害を与えることが多いとされます。またコロニーも比較的小さく、イエシロアリよりは巣を発見しやすいです。
イエシロアリ

イエシロアリは住宅に猛烈な被害を与えるため、最も警戒したいシロアリのひとつです。見分け方は上で述べた通りですが、ヤマトシロアリと違って住宅の2階部分や屋根裏などにも被害を与えます。
沖縄でシロアリの羽アリというと、よく見かけるのは羽根の色が透明なものです。実はそれはイエシロアリの特徴ですから注意してください。

イエシロアリの羽アリを見かけた場合は、念のためどこから来ているのかもチェックしてみましょう。もし家の中から羽アリが飛んでいる場合は要注意です。最低でも無料のシロアリ調査だけでは依頼しておいてください。
参考シロアリ110番……調査無料です。電話でキャンセルもできます
ダイコクシロアリ
ヤマトシロアリやイエシロアリと違い、ダイコクシロアリはカンザイシロアリと呼ばれる種類です。ちょっと難しい言葉を使うとレイビシロアリ科に属していて、ミゾガシラシロアリ科のヤマトシロアリやイエシロアリとは、棲み分けをして暮らしています。

意外なことに水分を嫌い、乾燥した硬い木材を好んで食べます。コロニーは比較的小さく10頭から200頭程度で巣を作っています。
鉄筋コンクリート造の住宅が多い沖縄では、2階部分や天井付近の木材にいきなりシロアリが現れる例が見られますが、これにはダイコクシロアリも含まれています。
シロアリ駆除をしてもまたすぐシロアリが出る!?
国土交通省補助事業として日本長期住宅メンテナンス有限責任事業組合が行った調査で、シロアリの駆除を一度行った物件は、またシロアリの被害にあう確率が非常に高いことが分かっています。

シロアリの被害にあいやすい家は、薬剤の効果が切れればまたシロアリの被害にあってしまうということです。そこで、被害が再発することを想定した予防策が必要になります。
もうひとつ沖縄でシロアリの被害が再発しやすい原因は、イエシロアリが多いということがあげられます。イエシロアリの巣は、大きいものでは半径数十mに及ぶといわれます。駆除したとしても、実は巣の一部を見落としていたというケースもあります。
そのためシロアリを駆除したと思っていても駆除しきれていないということが起きてしまいます。
沖縄の木造住宅とシロアリ対策

近年沖縄では木造住宅が増えています。内地の分譲住宅メーカーが多数の建売住宅を販売していますし、注文住宅で建築する人も増えています。徐々に木造住宅のイメージが改善されてきているからです。
念のため注意しておきたいのは、内地仕様の分譲住宅の場合。沖縄のシロアリに完璧に対応できるかどうか気になります。建売分譲住宅を購入する際には、どのようなシロアリ対策を行っているかも確認しておいてください。
最近の木造住宅で多いのは、薬剤の加圧注入。これはホウ酸(ホウ素系薬剤)などの薬品を、高い圧力で木材に浸透させ、シロアリに食べられにくくするという加工法です。

加圧注入を行った木材は、長い間シロアリに対する防御効果を持つことが確認されています。しかし、注意点もあります。
加圧注入を行った木材を使用した住宅でも、実はシロアリの被害が報告されているのです。シロアリが薬剤処理された木材を避けて、いきなりフローリングに被害を与えるケースも報告されています。場合によっては処理されていない天井裏に直接侵入して巣を作ることもあります。
鉄筋コンクリート造と違って木造住宅の場合は構造そのものに被害を受けるので、住宅が壊れてしまうという危険性もあります。
定期的なシロアリ調査と、適切なタイミングでの防除工事が必要になります。
沖縄の歴史的なシロアリ対策とは?

沖縄では太平洋戦争の後、アメリカ軍の影響でコンクリートブロック造などの非木造建築が増えていきました。現在では鉄筋コンクリート造が主流となっています。
しかしそれ以前の沖縄の伝統的な建築物は木造でした。そのため古来生活の知恵として、住宅の周りにリュウキュウマツの丸太をいくつか埋めておくというしきたりがありました。
松はシロアリの好物ですが、それを土の中に埋めておくことで、住宅への侵入を食い止めるのです。シロアリは住宅にたどり着く前に、まずリュウキュウマツの丸太を食べ始めます。そこで2~3か月おきにこの丸太を掘り出して焼いてしまい、また新しい丸太を埋めておいたそうです。
これは、今でいうベイト工法の原始的なものだったと考えられます。
シロアリ調査の依頼方法まとめ

シロアリ被害の大きい沖縄では、シロアリ駆除業者を慎重に選ぶことをお勧めします。
全国規模で展開するシロアリ110番に加えて、県内の有力駆除業者との相見積りを取り、必ず2~3社の目でシロアリ被害をチェックしておくべきです。そうすれば、シロアリを駆除したはずなのにできていなかった……という失敗を避けることができます。
全国統一基準のシロアリ駆除業者
参考シロアリ110番……全国で工法を統一しており安心。ここプラス1社に見積りを !
県内有力シロアリ駆除業者ホームページリンク
参考白蟻百十番株式会社……バイパスから社屋が見える県内有名業者
参考ファーブル……こちらも県内有名業者のひとつ。
参考株式会社西日本シロアリ……トップページの動画が人類に何かを語りかける!
見積りを最低2件取り、複数社の目でシロアリチェックをしてもらうのが基本。見積り金額も競争原理で適正化されますよ!
参考文献
屋我嗣良(1997)「沖縄の建築物とシロアリ防除技術」『木材保存』公益社団法人日本木材保存協会
屋我嗣良(1990)「ダイコクシロアリについて」『家屋害虫』家屋害虫研究会
安田いち子、仲宗根幸夫、金城一彦、屋我嗣良(2000)「琉球諸島および南・北大東島におけるシロアリの形態と分布」
日本長期住宅メンテナンス有限責任事業組合(2013)「シロアリ被害実態調査報告書」