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不動産一括査定の注意点は「査定が不正確」なこと。対処法も解説

不動産一括査定を利用する上での注意点は、主に2つあります。

  1. 査定額が不正確であること
  2. しつこい営業にあう可能性があること

この記事では、不動産一括査定の注意点や問題点、そしてその問題点を回避する対処方法を考えていきます。

しかし、不動産一括査定を利用した場合、なぜ不正確な査定が多くなるのでしょうか?

その理由は、一括査定の仕組みそのものにありました。

不動産一括査定はユーザーのためでなく、不動産屋さんがお仕事を獲得するために存在しています。ここも大事なポイントです。

なぜ不動産一括査定は「不正確」なのか?

クルマの査定と不動産の査定はまったく違う
不動産査定の価格は保証されていない

まず、クルマなどの「買取査定」と不動産の「価格査定」の違いを押さえておきましょう。

最大の違いは、クルマならその価格で買ってもらえる「約束」であるのに対して、不動産の査定は「これくらいで売れそうですよ」という「推定額」に過ぎないこと。

つまり、不動産の査定額は水増しできます

ここは大事なポイントなので、まずは前提として押さえてください。

次に、不動産の価格査定のなかでも、一括査定ならではの重大な問題点があります。

一括査定では業者が競争して架空の価格を捻出
競争して実態より高い査定額を出しがち

不動産一括査定の場合、どの不動産業者も「他社との競争だ」とわかっています。しかも、一括査定サイトに対して、情報1件あたり1万5000円~2万円くらいの料金を支払っています。

「ウソでもいいから、高い査定額を出してお客さんの気を引こう」

と考えるのは当然です。

その結果、査定額は信用できなくなっていきます。

こういった不動産屋の裏事情は、筆者自身も宅建業者として経験したことです。

以下の記事は、現役不動産屋さんが書いた怒りの告発ですが、臨場感があり参考になります。

不動産一括査定の仕組みが「ユーザーの個人情報を含む査定情報を、2万円弱のお金をとって複数の不動産屋に流す」というものである以上、正確な査定は保証されないでしょう。

これは仕組みそのものが抱える問題です。

では、正確な査定を出してもらうにはどうすればいいのでしょうか? 都市部と地方で考え方を切り替える必要があります。

都市部では大手仲介業者が正確な査定を出せる

三井のリハウス店舗イメージ
三井のリハウス

大手仲介業者は東京カンテイのシステムをはじめ、正確な査定を出せるソフトウエアを使用しています。しかし、不動産一括査定サイトには超大手の仲介業者は登録していません

大手の仲介業者であれば、正確な不動産価格査定を出す能力をもっています。

フドマガ
中小業者はいまだに手計算しているところが多いです。

大手のなかでも「正確な査定」を全面に打ち出しているのが三井のリハウスです。筆者の知る限り、査定の正確さという地味なポイントを打ち出しているのは三井のリハウスだけです。

以下の公式サイトでも、その点を確認できるでしょう。

正確な査定をうたう背景には、三井のリハウス(三井不動産リアルティ)が仲介をはじめたスタート時点からの理念が関係しています。

以下の記事では、三井のリハウスについてかなり突っ込んだ調査をして解説しています。

関連記事リハウスとは? 三井不動産リアルティの特徴・評判・メリット・デメリット

「三井のリハウス」は、三井不動産リアルティの「ブランド」で「住み替えする」という意味があります。1980年代、宮沢りえを起用したCMで「リハウス=住み替え」を強く印象づけました。 三井はなぜ、このブラ ...

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ただし、超大手の仲介業者は、ちょっと地方部にいくだけで「対応不可」となる場合が多いのがデメリットです。

たとえば大阪府の最南端近くにあるアップライト(当社)の事務所は査定不可でした。また、栃木県の県庁所在地である宇都宮市でさえ、査定エリア外でした。そういった事情は、以下の記事でレポートしています。

そこで、大手が対応しない地方部では、別の戦略で正確な査定書を出してもらう必要が出てきます。

一括査定で「本音」の査定額を出させる裏ワザ

不動産の価格査定は水増しできるとお伝えしました。しかし、そこにしばりを掛けて正確な査定額を出させる裏ワザがあります。

それは「おたくで買い取ったらいくらなのか?」という買取査定額を出させる方法です。

買取査定の場合は「当社で、この価格で買い取ります」という約束になってしまうので、簡単に水増しをした金額を出すわけにはいかなくなります

ユーザーはこの「買取査定額」を確認して、そこから「本当の査定額」を推測すればいいわけです。

買い取り価格は相場の半額から7.5掛
買い取り価格は相場の半額から7.5掛

一般に、不動産の買取は相場の半額~7.5掛け程度になります。

そこで、買取査定額を入手したら「その価格の1.5~2倍程度が市場価格だ」と考えればおおむね正解です。

各不動産屋には買取査定と売却査定の両方を出してもらうのがベストです。

このように「おたくはいくらで買ってくれるのか」という本音の価格を出させることで、ウソ査定書を防ぐことが可能になります。

地方では、こういった考え方で査定の正確さを担保するようにしてください。

この場合、おすすめの不動産一括査定サイトは、比較的良心的な運営と地方に強いという点からリガイド(Re-Guide)を推します。次に、買取査定に正式対応しているリビンマッチもおすすめできると考えています。

リガイドは筆者も不動産屋としておせわになった一括査定サイトで、良心的な運営方針が印象に残っています。

そのため、リガイドを経由した査定依頼については、不動産屋も良心的な対応を取りやすいと考えます。

リガイドを利用する場合は、入力の最後の画面で「その他ご希望・ご要望などある場合はこちら」というボタンを押します。

すると以下のようなウィンドウが開きます。

このご希望ご要望欄に「売却査定とあわせて、買取査定額を出してください」と書き添えてください。

もし買取査定を出さない業者があれば理由を聞き、納得がいかない場合はその業者を利用しないようにしてください。

不動産一括査定に関するその他の注意点

一括査定業者の数
一括査定に登録している業者はごくわずか

不動産一括査定は、簡単に複数業者に査定を依頼でき、確かに便利なサービスです。しかし、実は登録業者数は少なく、ごく一部の業者にしかアプローチできません。

その他の注意点

  1. 一括査定では全体の約1.6%の業者にしか査定依頼できない
  2. 特に超大手の業者は一社も参加していない
  3. 単に不動産屋を紹介するサービスでそれ以上のものを提供してくれない

こういった点について、詳しい内容と対処法を見ていきましょう。

物件に最適な業者を選んでくれている……わけではない

筆者は現役不動産屋時代、沖縄のオーシャンビュー物件を得意としていました。特殊ジャンルですから、一般住宅を扱っている業者が驚きの価格で売り出しているのを何度も見かけました。

フドマガ
相場を知らないからですね。

これは極端な例ですが、不動産売却も「餅は餅屋」です。

ところがすでに述べたとおり、不動産一括査定サイトに登録している業者は全体の2%弱です。なので、適切な業者を選ぶ余裕などはありません

そこで、ユーザー自身で一括査定サイトを使い分ける必要が出てきます。たとえばマンションであれば、マンションに強い業者が集まっているマンションナビが安心です。

そのほかの物件であれば、物件種別を細かく指定できるリビンマッチか、収益物件にも対応しているリガイドがいいでしょう。

税金や建築にまつわるトラブルも多い

国民生活センターが発行する『国民生活』の2022年1月号には、不動産取引にまつわるトラブルも紹介されています。

宅建業者は不動産取引のプロではありますが、税金や建物建築に関するプロではありません。それらについては、それぞれの専門家である税理士・税務署、建築士等に、売主・買主が直接確認をする必要があります。「宅建業者は何でも対応をしてくれるもの」という過剰な期待や思い込みはトラブルの原因になります。

『国民生活』2022年1月号

不動産を売買した場合、どうしても譲渡所得税など税の計算は避けられません。しかし、不動産営業マンも税のプロというわけではありませんので、完璧な対応が難しいケースもあります。

こういった点は、大手仲介業者なら研修などを通じて学んでいますが、中小業者の場合は営業マンの自主性に任されます。

その結果、税金にも建築構造にもやたらと強い不動産オタクのような営業マンもみかけます。しかし、知識が足りないダメな営業マンも目立つのが問題です。

不動産一括査定を利用した場合、どうしても営業マンの能力に差が出てしまう(その結果すごくいい人に当たる可能性もありますが)という点に注意が必要です。

大手仲介業者は建物の瑕疵を保証する保険を掛けてくれたり、対応が手厚いのも魅力です。

しつこい電話や訪問営業は業者による当たり外れが大きい

筆者が現役の不動産屋だった時、一括査定サイトからの机上査定依頼を確認し、物件の外観だけを確認しに出かけたことがあります。

現場では先に到着した同業者が、机上査定依頼なのにチャイムを鳴らしているところでした。しかもしつこく、何度も鳴らしていました。

その姿を見て「この査定サイトはやめよう」と決めました(某大手査定サイトです)。

このように迷惑な営業をかけてくる業者もいますし、節度ある対応をする良識的な業者もいます。

筆者がユーザーの立場で査定依頼をしたとき(経験2回)は、いずれもしつこい営業などなく、スムーズに売却を進めることができています。

一括査定ではどんな業者が来るかわからないので、こういった点は当たり外れが大きく、運の要素もあると思います。

どうしてもしつこい営業がいやな場合は、コンプライアンスを重視する大手仲介業者を選んでください。

結論!不動産を「高く」「はやく」売ることは可能か?

不動産を高く売ることとはやく売ることは両立しにくい
不動産を高く売ることとはやく売ることは両立しにくい

不動産を「高く」売ることと「はやく」売ることは、本来両立しにくいものです。

高く売るには時間がかかりますし、はやく売り切るなら相場の価格に設定する必要があります。

はやめに売り切る場合は、大手仲介業者を選んでください。特に「住み替え」のように、手持ち物件を短期間で売り切る必要がある場合は、大手の中でも査定の正確さに定評がある三井のリハウスがおすすめです。

上記の公式サイトを見てもわかるとおり、業界でほぼ唯一「正確な査定」を打ち出しています。

逆に高く売りたい場合は、大手より中小業者のほうが有利なケースもあります

ノルマに追われる大手の営業マンは、コツコツと時間をかけて売り切る仕事は苦手です。中小業者の営業マンが、思わぬ頑張りを見せてくれることが多い領域です。

おすすめは、良心的な営業方針が印象に残るリガイド。リガイドは地方に強く、当社の実験でも、非常に優秀な結果を残しています。

ただし、一括査定の登録業者は玉石混淆です。

そこで、少し上で紹介した「一括査定で『本音』の査定額を出させる裏ワザ」などを参照し、ある程度慎重に対応してください。

不動産売却の成功を祈っています。

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