沖縄の不動産

沖縄の一戸建て住宅が売れない理由と、その時にすべきこと

2022年12月30日

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このところ沖縄県内では「一戸建て住宅を売却したいが時間がかかっている」、「思ったような値段で一戸建て住宅が売れない」といった声をよく聞くようになりました。

確かに、2~3年までに比べると若干マーケットの状況は変化しています。土地価格は上昇しているものの、一戸建ては売れにくくなっているという感触があります。

今後はよりいっそう適切な状況判断をしたうえで、しっかりと戦略を立てて一戸建て住宅の売却に臨む必要がありそうです。

新型コロナの影響は意外と大きくない!?

ではなぜ、沖縄の一戸建て住宅が売れにくくなっているのでしょうか?

様々な要因のなかで、多くの人が気になるのは新型コロナの影響ではないかと思います。ところが、いくつかの情報源から読み解いてみると、全国的な不動産の売買に関していえば、新型コロナの影響は限定的だったとわかっています。

日々多くの宅建業者にヒアリングをしていますが、緊急事態宣言日(2020年5月3日)以降であっても、「不動産の売れ行きにはさほど影響がない」と回答する業者がほとんどで、「コロナ以降に売り上げが大きく落ちた」という話はあまり出てきません。

加えてネット検索数の推移を見ても、不動産売買は落ち込んでいません。Googleトレンドの動向を見ると、「不動産」をキーワードにした検索ボリュームは、緊急事態宣言下でもほとんど落ちていませんでしたし、その後も堅調です。

過去5年間のGoogleトレンド

Googleトレンドの過去5年間のグラフを見ると、毎年のトレンドがほとんど変わらないことがわかります。つまり、コロナ前も現在も、不動産に関する関心はほとんど変化がありません。

こういった傾向から、不動産に関する需要はこれまでと同程度だと考えてよさそうです。

細かいことをいうと2020年4月の落ち込みは例年に比べてやや大きかったのですが、緊急事態宣言直後の期間を境に、その後大きく上昇に転じました。7月に入ってからはさすがに落ち込みがみえるものの、感染の第1波を越えた5月後半から6月にかけては、むしろ検索ボリュームが上がっていいます。

つまり、「不動産」に対する潜在的なニーズは減少しておらず、経済状況にかかわらず需要自体は比較的堅調であると考えられます。

その一方、沖縄県内では一戸建ての売買がやや失速しています。その原因はどこにあるのでしょうか?

新築一戸建てはすでに飽和状態

これは数年前から始まった流れですが、内地のハウスメーカーがこぞって沖縄に進出し、新築の木造一戸建ての販売数を大幅に増やしました。木造のデメリットとされてきたシロアリ被害を防止する技術の向上や、台風でも心配のない構造など、これまでになかった“強い木造住宅”の登場で、長らく沖縄で主流だったコンクリート造の住宅よりも、価格の安い木造住宅に徐々に人気がシフトしていったのです。

しかし、それもここ数年でかなり行きわたった感があり、沖縄本島ではすでに一戸建て新築物件が余りはじめている印象です。試しに、うちなーらいふやグーホームなど、沖縄の不動産ポータルサイトで一戸建ての物件を検索してみてください。どのエリアでも、同じような木造新築一戸建てばかりが大量にヒットするでしょう。こうなると、飽和状態に近いと考えてよさそうです。

ここ数年で急増した木造一戸建て住宅が、本当に大型台風に耐えられるかどうかは、もう少し長い目で見ていかないとわかりませんが、少なくとも沖縄独特の蒸し暑い気候に対して、木造住宅は蓄熱性の高いコンクリート造よりもずっと涼しく、快適な住まいであることは間違いありません。また「新築」という事実は、買い手にとって絶対的な魅力でもあります。

中古の一戸建て住宅を売却する場合、こういった低価格でだぶつき気味の新築木造一戸建て住宅と競合することになります。これが、沖縄の中古住宅が売りにくい傾向になってきた原因のひとつだと考えられます。

沖縄の地価はなぜ高止まりしているのか?

商業地やリゾート地の価格が上がっている

昨年2019年に全用途平均で1割近くの驚異的な上昇を記録した沖縄の地価。その後、新型コロナウィルスの影響で、インバウンド需要が急減したことなどもあり、今後の地価公示や地価調査がどう出るのか心配されましたが、実は現在も緩やかにですが上昇を続けています。

その理由は大きくわけて2つ考えられます。

1つめは、内地からの投資。日本全体の地下が下落したり、上昇が鈍化する中で、いまも上昇を続けている沖縄に資金が集まっていると考えられます。

2つめは海外からの投資。習近平体制が続く中国では、日本を含む海外に土地を買い求める富裕層が多くいます。また、台湾では中国による侵攻の恐れから、海外に資産を移転する動きが続いています。台湾から土地を探しに来る顧客と話をしてみると、沖縄以外にもアジア各地に土地を購入し、万が一に備えてアセットを分散していると話しています。

こういった投資マネーの行き先は庶民的な一戸建てではなく、大型の土地やビルなどです。まったく連動しないわけではありませんが、普通の一戸建て住宅が意外に売れづらくなっているのは、投資マネーによる地価上昇に一般庶民の購買力がついていけなくなっているからだと考えられます。

「地下公示」と「地価調査」

いずれも、土地の取引をするときに適正な価格の判断の目安になる価格を公示、公報してくれるレポートです。
「地価公示」は、国土交通省土地鑑定委員会が適正な地価の形成に寄与するために、毎年1月1日時点における標準地(令和2年地価公示では、26,000地点)の正常な価格を3月に公示するもの。このときに公示された地価は「公示価格」と呼び、一般の土地の取引価格に対して指標を与えるとともに、不動産鑑定や公共事業用地の取得価格の算定などの規準となります。
一方の「地価調査」は、都道府県知事が公表する土地評価で、毎年7月1日を基準日として審査・調整し、毎年9月下旬に公報します。このときに公報された地価を「基準地価」といいます。地価調査は、地価公示から半年後の地価を評価するため、地価の変動を速報し、地価公示を補完する役割を担っているといえます。

個別的要因を知り、対策を考える

以上が現在の沖縄のマーケットの背景ですが、その中で自分の持つ中古の一戸建て住宅をより有利に売却したいと思ったら、市場に合わせた戦略をとりつつ、最善の方策を考えていくしかありません。

一般的に不動産が売却できない要因をざっくり挙げると「近隣の類似物件に比べて高い」、「求められるニーズと物件の個性が一致していない」、「不動産業者の実力に問題がある」といったところでしょうか。

まずはそれらの要因を個別的にとらえて問題点をつぶし、売れない一戸建てを、売れる一戸建てに近づけていく必要があります。

まず、その価格は適正?

もしもあなたが、近所の人がこれくらいで売れるだろうといったからとか、親戚の家がこれくらいで売れたから、といった理由で価格を設定したとしたら、なかなか売れない理由はそれかもしれません。

基本的に、不動産の価格は時価。つまり、その時々の市場の需要と供給のバランスで決まっていくものであり、いわば売り主と買い主の思惑が微妙に交錯するなかで決まっていくものです。ですから不動産の価格に関しては絶対的な目安はありませんし、はじめからきちんと割り出せる正解もありません。様々な要素を加味しつつ、常に流動的に考える必要があります。

この時、最新の価格動向をきちんと読んで、わかりやすく説明してくれる不動産屋に仲介を依頼できていれば問題ないのですが、もし仲介依頼をしている業者さんが「あまり頼りにならないのでは?」と思う場合は、自分で最近の価格を調べてみましょう。

レインズなど専門のネットワークシステムは不動産業者でなければ使えませんが、国土交通省の土地総合情報システムなどでは、誰でも簡単に過去の取引事例を調べることができます。

自分の不動産と類似の不動産の売却事例を探す場合、どうしても高く売れた事例だけに注目してしまいがちですが、できるだけ平均的な事例を探すようにしましょう。

物件のニーズに問題はない?

例えば「特殊な家族構成で住むために間取りを考えた」というような住宅の場合、市場のニーズと一致していない可能性があります。また「二世帯向き」とうたっている物件も見かけますが、残念ながら二世帯住宅の需要はそれほど多くありません。

床面積が広いので査定額としては高くなる傾向がある一方、需要はそれほど多くないので、需給バランスにミスマッチが生じがちで、実際に販売すると売れづらいケースが見られます。

自分ではいいと思う点でも、市場とのミスマッチが考えられた場合には、しっかりと問題点を見直し、どうやって売っていくのかという戦略を練り直す必要があります。

同様に、地域によっても求められる物件の条件が変わってきますから、もし客観的に見て、売りたい物件がその地域のニーズと一致していないような場合は、販売戦略を再考した方が得策だといえます。

例えば、不動産会社の広告は効果的か?

今や不動産売買の主な戦場はインターネット。あなたの売りたい物件が、うちなーらいふやグーホームなどの不動産ポータルサイトに掲載された場合、1枚目の写真が物件の将来を左右する重要な1枚になるということはご存知でしょうか?

買う側は、希望の条件で検索をかけて絞り込みをするわけですから、当然ながら似たような価格帯の、似たような条件の物件が並ぶことになります。この時、どうしても写真がきれいなものが目にとまってクリックされ、そうでない写真は、最悪の場合スルーされることになってしまいます。

ポータルサイトでできるだけたくさんの人に売り物件を見てもらうことは、不動産売却の基礎にして、最大のコツ。売れている不動産業者には、写真のほかにもキャッチコピーの付け方や、間取り図の作り方など、「クリックさせる」ためのノウハウがきちんと蓄積されています。

もし「今お願いしている不動産業者が頼りない」と感じたら、以下のサイトなどを利用して、複数業者のセカンドオピニオンを聞いてみてください。

まとめ

この記事では、沖縄の地下が上昇しているものの、地価を押し上げる要因は主に内地や海外からの投資であることを解説しました。そこで沖縄の地下は、一般住宅の価格とは違った動きとなるため、住宅の売出価格を判断しにくいという問題が起きています。

沖縄県内の一戸建て住宅を売却する時は、信頼できる不動産業者を見つけたうえで、価格については慎重に検討する必要があります。

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