不動産を売る

駅から遠い家が売れない時のチェックポイントと、確実に売る方法

2021年12月1日

家がなかなか売れずに困る、という話はよくあります。しかし「駅から2km圏内」の家がなかなか売れない場合、仲介不動産会社に問題があるかもしれません。

駅からの距離と価格動向の関係

データから、全国平均で駅から1.5~2kmを超えると地価が下落しはじめることがわかります。しかし、大幅に下落するのは駅から5kmを超えたあたりです。

駅からの距離に応じた対策
駅からの距離対策
1.5~2km仲介業者を変える
2~5km価格戦略を見なおす
5km以上個人売買サイトなどを併用

この記事ではできる限り統計・資料に基づき、駅遠物件の売却方法を考えました。

データの要点

国土交通省が発表したデータを読み解くと、駅から1.5~2kmくらいまでは本当の駅遠物件ではない、とわかります。また、売却が困難になるのは駅から5km以上離れた物件。5km圏内の物件であれば、売却戦略を見なおすことで成約の可能性が上がります。

国交省のデータから「駅から遠い」を定義する

グラフは上から平成30年、29年、28年の価格を表す

上のグラフは、平成30年、国土交通省地価公示と同時に発表されたデータを元に作成したものです。

左のメモリ0は「地価が上がりも下がりもしなかった」事を表しています。

つまり、全国平均で駅からの距離が1.5km~2km付近の地価は上がりも下がりもしなかったということです。

駅距離と価格に関するデータは平成30年のみ発表されました。駅からの距離が2km以内であれば、資産価値はほとんど下がりませんでした。

そこで、駅から1.5~2km圏(徒歩25分圏)までは比較的資産価値が落ちにくく、従って売却しやすいと考えてよいでしょう。

この立地条件で長期間売れない場合、仲介不動産業者に問題がある可能性があります。

下記の記事にも掲載していますが、一括査定を利用してマンションを売却しましたが、対応した4つの不動産業者の実力はバラバラでした。

駅から1.5~2km圏(徒歩25分圏) であれば、駅近物件とは違う物の、そこまで売却困難ではありません。複数業者に再査定を依頼し、仲介業者を変えてみると好転する可能性が高いです。

記事内LINK地方圏・駅遠物件に強い不動産一括査定サイト

仲介業者を変える具体的な判断基準は以下の通りです。

11か月以上売れない時は仲介業者を変える

まず、スピード感としては、今後の地価動向を見据えて、

一戸建てが売れない=10か月以上成約しない

一戸建て住宅とマンションで、売却に必要な期間が異なります。

調査人数平均売却額売却期間
全体295名2536万円8か月
マンション184名2579万円6か月
一戸建て111名2464万円11か月

公益財団法人不動産ジャパンの記事では、一戸建て物件の成約にかかった期間は、平均11か月。

契約から物件引き渡しまでに1か月くらいはかかると考えると、売り出してから買い手が見つかるまでの期間は10か月くらいと考えられます。

仲介(媒介)契約は通常3か月ですから、3度目の契約期間が満了する「売出し9か月」に焦点を当てて準備をしておき、少なくとも別業者のセカンドオピニオンを聞いておきましょう。

仲介(媒介)契約は最大3回更新。それ以降は仲介業者を見なおします。

売却期間に関するデータは、アットホーム株式会社のインターネット調査によります。

売れない理由が仲介業者にある場合の対応方法

不動産の仲介業者は、会社ごとのレベルもバラバラですし、また同じ会社でも営業マン個人の能力もバラバラです。

何か仲介業者に対して疑問を抱いている、という場合は、以下の記事も参考になります。

仲介業者を変更する場合は、専任媒介であれば契約期間が終わる3か月の節目がチャンスです。

遠方の業者に依頼していたり、ブランド名だけで有名業者に仲介を依頼している場合は特に注意が必要です。不動産一括査定サイトを利用して、できれば近場で地域の状況に詳しい業者にコンタクトを取ってください。

地方や売却困難物件の場合は、リガイド(旧SBI不動産ガイド)が強く、まず最初に試してみると効率的です。

リガイドについては下記の記事で解説しています。

リガイドは、実際に全国7つの都市の実在マンションを査定するテストで最も優秀な成績でした。

駅から遠い家はいくらなら売れるのか?

上のグラフは東日本不動産流通機構(レインズ)が公表するデータを元に作成たものです。2020年の一戸建て住宅について、駅からの距離と平均価格をまとめました(3354件の成約データに基づく)。

駅からの距離が離れるごとに価格が大幅に下がっていることがわかります(建物の床面積はほぼ同じ水準)。

駅徒歩21分以上の物件価格は、駅徒歩10分圏内の物件に対して54%にしかなりません。ほぼ半額という水準です。また、駅徒歩20分以内の物件価格は、駅徒歩10分圏内の物件に対して、約77%の水準です。

駅近物件に対して
徒歩20分以内77%
徒歩21分以上54%

駅から遠くなるにつれて、不動産の価格がはっきりと下がっていることがわかります。

実は駅から遠い家が売れないということはなく、普通に成約していることはデータからも明らかです。駅から遠い家も、データ上は普通に成約しています。

問題は値段です。

駅から徒歩21分以上のエリアであれば、駅近物件の半分程度の価格になってしまう傾向がある点は押さえておいてください。もし駅遠物件がなかなか売れないという場合、駅近物件の価格水準で考えているのかも知れません。

その場合はもう一度適正価格を調査する必要があります。

駅から遠い家を売る時の不動産屋の選び方

駅から遠い物件(売却が難しい物件)を任せるべき不動産業者の要件は、2つあります。

  1. 粘り強い営業ができること
  2. きちんとした広告宣伝ができること

しかし、実はこれは相反する条件です。

一般に、小さな駅前不動産的な地場業者は、息の長い販売活動でも引き受けてくれます。ところが、宣伝・広告になるとずさんなケースが大半です。

反対に、大手不動産業者は(画一的ですが)ある程度きれいな広告を掲載し、市場にアピールする力があります。反面、ノルマに追われた営業マンにとって、息の長い販売活動などは頭の中にないはずです。

得意なこと不得意なこと
地場業者粘りの営業効果的な広告宣伝
大手業者効果的な広告宣伝粘りの営業

一般に大手系の不動産営業マンは、毎月のノルマに追われており、良心的かつ息の長い販売活動をしているとクビになる恐れもあります。

そこで、不動産の売却時には次のような戦略をとります。

一般媒介で大手+地場を組み合わせる

一部の例外を除くと、駅から遠い物件の売却なら2社または3社の不動産業者に依頼することをおすすめします。

  1. 得意なジャンルが違う大手と地場業者を組み合わせる
  2. 競わせるのではなく各業者の特性をいかすことが狙い

ここで1つ、注意点があります。

一般媒介といって複数業者に仲介依頼ができる契約形態の場合は、よく「業者が競争して売ってくれる」といわれます。でも、それは「駅近ですぐ売れそう」というオイシイ物件の話です。

駅から遠い物件の場合は、各不動産業者と「どういう方針で売るか」「どういう媒体で広告するか」をしっかりと詰めておき、それぞれの業者にできる範囲でがんばってもらう必要があります。

不動産の仲介に関する契約の知識は、以下の記事にまとめています。

売りにくい物件は業者任せにするのではなく、自ら行動する必要も。

地方圏に強い査定サイトをあげると?

以下の記事でデータを公開していますが、実際に査定依頼を入力する実験をしてみて、地方圏・駅遠物件に強いのはRE-Guide不動産一括査定だとわかりました。

RE-Guide(リガイド)はそこまで派手な広告宣伝をしていないので、やや陰が薄いのですが、実は優秀です。

フドマガ
実は、私自身、不動産屋の立場でリガイドを長年利用してきました。

リガイドは不動産屋にとっても良心的な運営方針で、よいお付き合いのできる査定サイトです。そのため、他の一括査定サイトが行き届かない地方圏や売却困難物件で力を発揮します。

ただし、どの不動産査定サイトにもいえることですが、日本中のすべてのエリアに強いわけではありません。

そこで、もしリガイドで十分な件数の査定依頼ができない場合は、定番のイエウールやリビンマッチを試してみるのがおすすめです。

田舎物件であれば「家いちば」を併用してみる

不動産をユーザーが直接売り出せる「家いちば」。マスコミでよく取り上げられていますが、ここに出ている物件が本当に安いのか疑問を持ち、片っ端から査定してみたことがあります。

結果として「安くない」どころか「むしろ高めの物件が多い」という事がわかりました。

フドマガ
「家いちば」は買う時に使うべきではありません。

それでも「家いちば」が比較的よく利用されているわけですから、売り手としてはラッキーです。

実際、自社保有物件を「家いちば」などの個人売買サイトで売却した時のレビュー記事もまとめています。

売りにくい物件を売る時、「家いちば」は一定の役に立ってくれます。ただし、上記の記事に書いたように「あくまでもサブの売却チャンネル」と考えるべきです。

お得に売却できそうな「家いちば」ですが、実は仲介手数料を取られるので、その点もお忘れなく。

リガイドなどの売却査定サイトをうまく活用し、なおかつダメ押しとして「家いちば」を使うのがおすすめの戦略です。

不動産屋のチェックに使える

不動産屋が「反響がないです」という物件は「家いちば」でも反響がありません。もし「家いちば」では問い合わせがあるのに、不動産屋が「反響がない」という場合は、その業者の仕事に疑問を持った方がいいかもしれません。

駅から遠い家の魅力を再チェックする

売りにくい物件を成約してくれる不動産業者の能力として「物件の魅力をきちんと拾える」という事があげられます。

実際に経験した事例では、

  1. 人気のないエリアだったが漁港があり、若手漁師に絞って営業した
  2. アミューズメント施設ができる情報を早期にキャッチして営業展開した
  3. 駅から遠く管理の悪い物件だったが「オーシャンビュー」をアピールした
  4. 再建築不可だったがハウスインスペクションで長く住めることをアピール

このようにデメリットを打ち消す営業で、売却困難物件を売り切る事ができます。

「弱点を補強する」「特殊なニーズがないか調べる」というのは、売りにくい物件を売却するための最低限の仕事であり、本来は不動産屋がそこまで踏み込んだ提案をすべきだといえます。

長期戦で臨めば売却チャンスは広がる

バス圏は長期戦を覚悟する必要がある

加えて、売却チャンスが少ない物件を売るためには、可能な限り売却期間を長く設定して「数少ないハマる買い手を探す」という事も必要になります。

フドマガ
本音をいえば、こういった提案も不動産業者がやってくれるべきです。

駅から遠くて立地は不利だったとしても、「何かストロングポイントはないか?」「周辺に需要はないか?」を絞り込み、きちんと広告をした上で時間をかけてじっくり取り組む意味は十分あります。

いたずらに長引かせるのではなく、仕事ができる不動産業者と協力して、長期間粘って売り切るという姿勢が必要になります。

「3か月何も音沙汰がないと不安だ」という気持ちはわかりますが、立地が不利な物件であればそれくらいは普通です。動きがなくても気持ちが折れないように、長いスパンの戦略を立てておきましょう。

特に、駅からバス圏の場合は持久戦覚悟で売却活動を行う必要があります。

何か特別な需要があったり、一部の人に人気のエリアだったりする場合は別ですが、バス圏の需要はかなり弱いと思います。

急ぐなら投げ売りになりますが、できればそうではなく、時間をかけて取り組んでみてください。営業期間が長くても、不動産屋に支払う仲介手数料はいっしょです。

【おさらい】駅遠物件・地方圏に強い不動産会社の探し方

まず、この記事では「駅から遠い物件とは、駅からおおよそ2km以上離れた物件を指す」という点を確認しました。

さらに、「一戸建て住宅の売却は平均でも11か月かかっている」ということも、データから指摘しました。

フドマガ
一戸建て住宅を売るには、思っているより時間がかかるのです。まずは焦らず対応しましょう。

その上で、「一般媒介で2~3社の不動産会社に仲介を依頼する」という方法をおすすめしました。大手仲介業者と、駅前の小さな業者の得意分野を掛け合わせることが目的でした。

参考までに、仲介契約に関する重大なルール違反「囲い込み行為」について、以下の記事で詳しく解説しています。仲介を依頼する前に頭に入れておくと役に立ちます。

不動産の囲い込み行為とは? 対策方法を含めて徹底解説しています……関連記事

それを前提に、仲介不動産業者を選ぶなら、地方圏にも強く複数の業者から査定をもらえるサービスを利用することをおすすめしています。

これらは「不動産一括査定」と呼ばれるサービスです。注意点もありますが、現在の不動産売却では、不可欠なサービスだといえます。

不動産一括査定サイトについては、以下の記事を始めいくつかの記事で触れています。

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