不動産を売る

マンションが買った値段で売れる条件は? データから判定し、より高く売るコツも紹介

2021年6月11日

https://realestate-mag.com

買った値段より高く売れるマンションをデータから考えていくと、次のようになります。

チェック
築10年以内
エリアは首都圏、関西圏、九州圏
駅から徒歩10分以内

上記のチェック欄に印を付けてみて、多ければ多いほど、買った値段もしくは買った値段以上で売れる可能性が高いといえます。

逆に高く売れず、安くなりがちな条件は、次のようなものでした。

チェック
築古(20~30年)
エリアは東北、中部、中国・四国地方
駅から徒歩21分以上・バス圏

2019年以降、マンション価格が下落しているのは東北地方と中国・四国地方です。中部地方は横ばいまたはやや下落という状況ですが、3大都市圏で名古屋圏の価格が落ち込み気味なのは気になります。

この記事では「マンションが買ったときより高く売れる条件」を、国土交通省、公益社団法人全国宅地建物取引業協会、レインズなどのデータを元に詳しく解説していきます。

「駅近マンションの価格下落が始まった」「2025年にマンション価格は全体的に下落する」という説もありますが、データからはそれを裏付けることはできませんでした。

マンションを売却する時に利用する一括査定サイトについては、実在する5つのマンションを各サイトで実際に査定依頼するという方法でテストしてみました。これについては、以下の記事で具体的に解説しています。

参考証拠あり!本当に役立つマンション売却の「不動産一括査定サイト」を特定しました

過去10年以内に買ったマンションは買った値段より高く売れやすい

データ出典:株式会社不動産経済研究所

不動産経済研究所のデータを元にグラフ化すると、上のように1986年末から始まる平成バブル景気の時期にマンション価格が急騰したことがわかります。ざっくりいうと、バブル期のマンション価格は高かったが、いったんガクンと下がり、2019年頃それに匹敵する価格になる、という流れです。

2010年代後半は「不動産バブル」と呼ばれた時期でした。新築マンションの分譲価格は右肩上がりに上昇を続け、2019年に「バブルに次ぐ」という高値を記録したのです。

2010年以降に絞ったレインズのデータを見ると、2020年の前半に一度、指数が大きく下がっています。この時に価格が下がったのは、コロナウィルス流行による「自粛」が原因でした。売る方もモデルルーム開催を自粛し、買う方もモデルルーム訪問を自粛してしまったことで、価格が落ち込んだといわれています。

それを過ぎると価格はまた上昇したため、結局、新型コロナウィルス流行下でもマンション価格が下落したとはいえません。また今後再上昇を続ける可能性は十分あります。

2021年に入って首都圏の中古マンション価格が若干値下がりした、と話題になりましたが、大幅なものではありませんでした。

ここ10年ほどはマンションの価格が値上がりを続けているため、その時期に買ったマンションであれば、買ったときより値上がりしている可能性が高いといえます。

築浅マンションなら有望

過去10年以内に購入したマンションであれば、買ったときと同じ水準で売却できる可能性が高いです。立地や物件の内容によっては、買ったときより高く売れるかもしれません。

もちろん不動産は個別の物件をみて判断する必要があるので、上記はひとつの目安ということになります。

正確には、マンション売却に特化した価格査定サイトなどを利用して、具体的な価格を出してもらうことをおすすめします。以下の記事では実際にマンションの査定情報を入力する方法で、価格査定サイトをテスト&レビューしています。

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では、築10年より古い物件は買った時の価格で売れるでしょうか? それとも買った値段よりもかなり安くなるのでしょうか?

リーマンショック前の状況とバブル時代の物件

前章に掲載したグラフを見ると、1990年頃のバブルの時代に日本のマンション価格が異常に上昇したことがわかります。

そこから、築30年を越える物件は、購入時の価格で売却するのが難しいといえます。

  • そもそもの価格が高かった
  • 価格が下がった時期の物件でも、築年数が経過して建物の価値が下がった

そういった理由から、リーマンショック以前の物件を新築で購入していた場合、買った時と同じ水準で売却するのは難しい可能性が高いです。

正確な値段は査定が必要

築10年~20年以内の物件については個々の不動産のコンディションによるといえますが、買った値段以上で売却するのはやはり難しいでしょう。この頃のマンションは水回りなど設備の交換時期にさしかかっており、リフォーム価格も高くなるので、個別の検討が必要です。

築古物件の価格は、正確な価格査定を依頼しないとわかりません。もし不動産一括査定サイトを利用するのであれば、マンション専門のサービスを利用するのが有利でしょう。

  • 専門サイトに登録しているのはマンションが得意な業者
  • マンション特化型なので入力がスムーズ(マンション名を入れると自動入力)
  • マンションごとの価格相場を具体的に掲載しているページも用意されていて参考になる

以上の理由から、やはり専門サイトが安心です。

参考マンションナビ……マンションに特化した査定サイト

参考情報:今後マンション価格は下落する? しない?

週刊現代は2019年6月に、次のような記事を掲載しました。

実は、今の値段があまりにも高すぎるのかもしれない。五輪を前に、供給がピークに達し、マンション価格は下落を始める。その「底」が、2025年だ。

参考2025年、マンションの9割近くが値下がりする…AIが衝撃予測(週刊現代)

たしかに、レインズマーケットウオッチのデータでも、2020年後半から2021年にかけて、若干価格は下がりぎみです。

しかし、東京カンテイが5月に出したリリースでは次のように分析されています。

2021年4月の首都圏中古マンション価格は、前月から概ね横ばいの4,019万円で連続上昇は7カ月間でストップしたが、4,000万円台は堅持している。(中略) 近畿圏平均は主要エリアが揃って上昇したために、前月比+0.7%の2,556万円と6カ月連続で上昇した。
マンションの単価は2021年に入っても微増

2021年2月~4月にかけてのマンション70㎡換算価格は、東京23区、大阪市内、名古屋市内いずれも微増しており、下落に転じたというわけではなさそうです。

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結局、マンション価格が下落するのか? 下落するとしたらいつなのかは、専門家の予測もバラバラで、結論は出ていません。

今後マンション価格がどう推移するのかは、専門家にもわかりません。

そこで、マンション価格が上がっても下がっても、どちらに転んでも大きく損をしない戦略をとるべきだといえます。

  1. いつか売却するマンションなら早めに売る
  2. 住み続けるつもりなら、当面売らずに様子を見るのもあり

という、ごく当たり前の結論になるでしょう。

高く売れるか売れないかは、エリアごとに違っていた!

大阪市の市街地

実は、新型コロナウィルス流行以前から、一部地域でマンション価格が下がりはじめていました。一方、首都圏をはじめとした人口集中エリアでは、マンション価格は上がっていました。

ポイント

コロナ以前から、マンション価格は下落と上昇に二極化していた。

マンションが高く売れるエリアは首都圏、関西圏、九州圏

アイランドシティー(福岡県)

上のグラフは、公益社団法人宅地建物取引業協会の不動産総合研究所が2021年1月に作成した、不動産市場動向データ集から引用しています。

全国的に、2019年頃からマンション価格(平均㎡単価)が2極化したなかで、首都圏、関西圏、九州圏の価格が上昇しました。

マンションの平均㎡単価を全国で見ると、2020年前半にコロナウィルス流行の影響でいったん下落したもののすぐ持ち直し、横ばいの状況です。

この傾向はまだ続きそうなので、首都圏を中心とした関東圏、関西圏、九州圏のマンションであれば、じっくりとタイミングをみながら売却を計画するとよいでしょう。

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九州圏の中でも沖縄県は別格で、コロナ不況にあってなぜか価格が上昇傾向にあります。

マンションを高く売りにくいエリアは東北、中部、中国・四国地方

五能線の列車(秋田県)

不動産総合研究所のデータで、2019年ないし2020年頃から価格が下落しているのは、東北、四国地方、中国地方の3つ。

上の図は総務省のデータを富士通総研が加工して作成したもので、赤く着色されているところが都市部、青く塗られているところが過疎地域を示しています。

不動産総合研究所のデータで価格が下落している東北、四国、中国地方は、いずれも青い部分が大きく、過疎化が進んでいることがわかります。

またこの図から、マンション価格が下がっていない九州圏は意外と青色の過疎地域が少ないこともわかります。

ただ、この図で説明しづらいのが中部地方。名古屋市を中心とした中京圏でも不動産価格は下げ気味なので、全体的に経済が停滞し、そのためマンション価格も横ばいか下降に転じているという可能性があります。

ポイント

東北、中部、中国・四国地方のマンションは早めに売却した方が有利。

立地条件や物件の個性による違い

物件の個性による違いも大きい

ここまでは築年数や大きなエリアという、一般的な切り口でデータを見てきました。

ここからは、個別のマンションの立地条件や、物件の個性を切り口に、どんなマンションが高く売れるのか、どんなマンションが高く売れにくいのかを考えていきます。

駅から徒歩10分以内なら高値で売却しやすい

そもそも不動産の価格査定ソフトにデータを入力する時、かならず駅からの距離を入れます。駅からの距離によって価格が変動するからです。

しかも、首都圏や大阪市では、駅から近い場所に土地を探すことが困難になってきています。新築物件と比較されることもなく、ライバルが少ないため、都市部の駅近物件は価格が高止まりしています。

駅から近い物件が有利ということは、今後とも変わらないでしょう。

駅徒歩成約㎡単価駅1分からの下落率
徒歩1分920%
徒歩2分83-10%
徒歩3分86-7%
徒歩4分84-9%
徒歩5分82-11%
徒歩6分83-11%
徒歩7分75-19%
徒歩8分73-21%
徒歩9分73-21%
徒歩10分70-24%
徒歩11分67-28%
徒歩12分63-32%
徒歩13分64-31%
徒歩14分59-37%
徒歩15-19分52-43%
徒歩20分以上平均45-51%
バス便 平均39-58%
㎡単価の単位は万円

データ出典:オークラヤ住宅

この表は、オークラヤ住宅が東日本不動産流通機構(東日本レインズ)のデータを元に集計した数値から作成しました。

駅から遠ざかれば遠ざかるほど価格が下がっていることがわかります。

駅近マンションも価格が下落しはじめた、という記事(下記参照)もありますが、データを見る限り駅近物件はやはり強いです。

参考《都心5区『駅近マンション』価格下落 前年比最大マイナス14.8%》『駅近マンション神話』ついに崩壊か?

大規模マンションの方が資産性も高く売却時に利益が出やすい

小規模マンションに比べて、大規模マンションは2つの点でメリットがあります。

  1. 売却時に1戸あたりに乗せられた経費が少なめ
  2. 規模が大きい分修繕積立金が安め

①は元々の価格が若干安めに設定されている(場合が多い)ということです。たとえばマンションの新築分譲時にはモデルルーム(最近はマンションギャラリーと呼んだりしていますが)を仮設してお客さんを案内したり、そのために人員を配置したり、広告宣伝を行ったりします。

その経費を10戸で負担するのか300戸で負担するのかの問題です。300戸で負担した方が有利なので、販売価格も安くなり、その分売却時に利益が出やすいといわれています。

②は管理費も含めて安めに設定されている場合もあり、買主としては魅力的なので、売りやすいという効果が期待できます。

また一般的に大規模マンションの方が管理組合がきちんと機能しており、管理がしっかりしているというメリットもあります。これはマンションの資産性を落とさないと期待できるので、その点でも大規模マンションが有利です。

ただ、比較的最近の大規模マンションは都心部でなく郊外に建てられるケースが多く、土地が不足してきたために駅から遠いケースも多くなっています。他の条件との兼ね合いで判断する必要がでてきます。

近隣に良物件がないマンションは高く売りやすい

これは「不動産売却あるある」なのですが、物件売出しはライバルがいないタイミングを見計らうのが鉄則です。

フドマガ
これ、不動産屋は教えてくれません。なぜなら、不動産屋は「いつでもいいから物件を売り出したい」と思っているからです。

そこで、売却タイミングは自分で判断する必要があります。

注意したいのは、以下のようなポイントです。

  • 近くで新築マンションが分譲されていないか?
  • 近くで優良な中古マンションが売り出されていないか?
  • 同じマンション内で売り物件が出ていないか?

とくに同じマンション内で売り物件がある場合は、その物件が売れるまで待った方が有利です。

買い手にとっては同じ建物内で物件が選べる=条件交渉ができる、ということです。売主にとっては値下げを含めた条件交渉は極力避けたいので、この点は意識してみてください。

個性的すぎる物件より普通のマンションの方が売却しやすい

仲介業務をしていて苦労するのは、以下のような物件です。

  • 3LDKを1LDKに改装したオシャレ物件
  • 専有面積がやたら広い
  • 高級すぎて価格が妙に高い

こういう場合は買い手を選びますし、元々お金がかかっているので値下げが難しいケースもよくあります。

その結果として、売却が長期化し、結局売り希望価格よりも値下げして成約することも多々あります。

その逆のパターンも苦労する事が多いです。

  • 間取りが使いにくかったり収納がない
  • 専有面積がやたら狭い
  • 室内がボロい(自分でDIYリフォームをしている)
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他には「日当たりが悪い」なども売却を難しくする要件になります。

結局、ごく一般的な振り分けタイプの間取りを採用した3LDKで70~80㎡くらいという、ごく普通のマンションが一番売りやすく、見込み通りの価格で売却できるといえます。

面積が50㎡を切ると住宅ローン控除が受けられないので、その点でも不利になります。

マンションの価格査定ならおすすめはマンションナビ

当サイトで、北海道から沖縄まで、実在する5つのマンションの査定依頼情報を入力して、不動産査定サイトの実力をテストしました。

結論として、一番おすすめしたいのは、マンション専業サイトのマンションナビでした。地方圏でも安定して査定対応できるほか、入力が非常にスムーズで、なおかつ「査定したいマンションの価格相場を見ることができる」という機能が高く評価できるからです。

参考マンションナビ……マンションに特化した査定サイト

その他のサイトでは、リガイドとリビンマッチが優秀でした。詳しくは以下の記事で解説しています。

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hide(立石秀彦):実業之日本社で雑誌・書籍編集に携わり、その後沖縄に移住。合同会社沖縄かりゆし不動産を創業し、リゾート系物件の仲介業務を中心に扱う不動産会社を経営してきました。宅地建物取引士。

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