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不動産を売る

マンション売却の手順と手続きはこれで完璧。必要書類のチェックリストもあります

マンション売却のすべての流れは、次の通りです。

  1. 情報収集と売却準備
  2. 一括査定サイトなどで価格査定を依頼
  3. 媒介契約を結び、売出し
  4. 買主と価格や条件の交渉
  5. 売買契約締結(手付金受取)
  6. 残代金決済と物件引き渡し
  7. 確定申告(翌年2~3月)

この記事では、とくに③の媒介契約締結以降を詳しく解説します。また、取引の流れを解説したPDFファイルをダウンロードできます。

情報収集から不動産会社選びまで

フドマガ
マンションに限らず、不動産売却成功のポイントは自分でしっかりプランを考えることです。

そこで、いきなり不動産仲介業者を探すのではなく、まず最初に「自分のマンションの価格相場は?」という事前調査をしておいてください。

なぜなら、不動産業者の価格査定も完璧ではなく、間違っているケースもよくあるからです。知識不足で価格を間違えるケースもありますし、わざと高めのウソ査定書を出すケースもあります。

以下のようなサイトで価格相場を確認しておくことをおすすめします。

参考マンションナビ……全国対応。マンション名を入れると相場がわかる

参考マンションライブラリ(東京カンテイ)……東京23区、横浜・川崎限定

ウソ査定書を出す理由は?

不動産業者間の競争が激化し、少しでも売主の目を引いて、仲介をとりたいためにウソ査定書を出すケースが増えています。詳しくは「不動産の査定方法。『もっと高い査定額が欲しい』人がハマるワナってなに?」という記事で解説しています。

参考本当に役立つマンション売却の「不動産一括査定サイト」を特定しました

複数の不動産会社から査定書・提案書を受け取り、信頼できる会社を見つけたら、物件を売り出します。

媒介契約を締結し売り出した後の手順

仲介契約のことを、法律の用語で媒介契約といいます。媒介契約には3つの類型がありますが、そのうちのひとつ「専属専任媒介」は通常選ぶべきではありません。消費者に何のメリットもないからです。

残る一般媒介契約と専任媒介契約は、次のポイントで選びます。

専任媒介物件に難があって売りにくい時は選任媒介にします
一般媒介通常は一般媒介にしておき、2社ないし3社に仲介をお願いします

専任媒介は1つの不動産会社としか契約できない形態です(だから「専任」といいます)。一方、一般媒介契約では、複数の不動産会社に仲介を依頼できます。

そこで、物件に問題がない、普通に売却できるというケースでは一般媒介にしておいてください

たいていの不動産業者は「専任媒介の方がいいですよ」と言ってきます。さまざまな理由をあげて、専任媒介を勧めてきますが、その理由はすべて下記の記事で論破してあります。念のため読んでみてください。

参考プロが自分の不動産を売るなら「一般媒介」を選ぶ。その理由は?

また、これ以降の取引の流れをPDFでダウンロードすることができます。パソコンで見ている人は、印刷して手元に置いていただけると取引の流れがよくわかります。

DOWNLOADマンション売却の流れ(PDF)

売出価格は査定額+1割以内に抑えておくのがおすすめ

媒介契約にあたって「売出し時の金額をいくらにするか?」という点を決めておく必要があります。

通常は不動産業者が相談に乗ってくれますが、経験のない営業マンの場合、価格決定の基準をもっていないかもしれません。

そこで、以下のデータを見ておいてください。

出典:東京カンテイ

これは不動産データサービス大手の東京カンテイによる資料で、首都圏のマンションの価格乖離率(かかくかいりりつ)を表しています。

ざっくりいうと「売出し価格からどれくらい値下げして成約したの?」というデータで、ここ数年は6~7%で推移しています。

ポイント

首都圏のマンションであれば値引きは7%程度と考えられます。そこで、査定額+7%で売り出せば、元々の査定額で成約する可能性が高いと考えられます。ざっくりと、1割乗せて売り出しならOK、それ以上高くしてしまうと「割高物件」になってしまいそう、と考えてみてください。

媒介契約締結時に用意しておきたい書類等

媒介契約を結ぶときには、仲介会社がこれから売却活動を行う上で必要となる書類を用意してあげてください。具体的には以下の表の通りです。

必要書類 備考
登記済権利証(登記識別情報) 提示
固定資産税等納税通知書 提示(コピー)
管理規約 提示(コピー)
管理組合総会議事録等 提示(コピー)
建築図面 提示(コピー)

登記済権利証(登記識別情報)は、本当の所有権者だということを確認できればよいので、この時点では見せてあげるだけでOKです。

その他の書類は、購入希望者が現れた時に物件の内容を説明するために必要となります。ほとんどの不動産業者は「コピーを取らせて欲しい」というはずなので、コピーさせてあげてください。

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こういった資料を見ておくと、仲介業者は自信を持って買主に物件を紹介できます。

買付証明書を受け取ったらどう対応するか?

不動産の取引は複雑です。「買います」と、いきなり契約をすることができないため、まず最初に買主が「買付証明書」と呼ばれる書類を提出します。買付証明書は別名購入申込書ともいわれます。

買付証明書は法的に強い拘束力をもつものではなく、これを機に売主・買主がお互いに契約に向けて交渉をスタートし、前向きに売買契約成立を目指します。そして、買付証明書には、買主の希望購入金額が書かれています。

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買付証明書の金額から価格交渉がスタートするのが一般的。その時、値引きにどう対応するかをあらかじめ考えておいた方が有利です。

具体的な数字を押さえておきましょう。先ほど述べたように首都圏のマンションの価格乖離率は7%弱でした。そこから、1割を超えるような大幅な価格交渉は、平均的な価格交渉よりもきつめの交渉をされている、と考えることができます。

たとえば「1割を超える交渉は見送る。ただし、3か月売れない場合は再度価格を見なおす」といった基準を決めておくと、交渉で迷わずにすみます。

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強気の交渉をしてくる買主に対してスパッと断りを入れると、値段を上げて再交渉してくることもよくあります。

また、価格交渉時には、買い手の「属性」にも注目してください。

  • 高収入で確実に融資が組めそう
  • キャッシュで購入するという確実な条件を出している
  • すでに銀行でローンの借り審査をすませている

といった場合、確実性を加味して、ある程度価格で妥協するというのもひとつの考え方です。

価格交渉スタート後の売主、買主、仲介業者の動き

交渉がまとまり、成約できそうな時点で、仲介業者は売買契約書と重要事項説明書の作成に取りかかります。

同時に、買主は銀行(金融機関)に融資の仮審査を申込み、契約を締結したらスムーズに住宅ローンの契約(金銭消費貸借契約)の手続きを進められるよう準備します。

売主は、売買契約時締結時に必要になる書類を集めておきます(次の章で一覧表を掲載します)。

重要事項説明書とは、宅地建物取引業法に定められた書面です。取引する物件について非常に重要な項目を記載するもので、法律では買主に対して交付するよう義務づけられています。ただし、実務では売主にも交付し、署名捺印をもらうことが基本となっています。

売買契約書と重要事項説明書は、契約を結ぶ前に交付、説明すると定められています。詳しくは、以下の各記事でご確認ください。

参考重要事項説明書の読み方<完全版>土地・一戸建て・マンション

参考重要事項説明書の読み方<一夜漬け編>

参考契約書の注意点は?不動産会社がしかけたワナを見破るコツと勉強法

売買契約と同時に手付金受け取り

売買契約の時、通常であれば売主、買主が仲介業者の事務所に集まります。そこで売買契約書の読み合わせを行い、契約書に記載された売買契約条件を確認します。

法律で、売買契約は、事務所等のきちんとした場所で行うように定められています。

改めて売買契約に合意すると確認できたら、売買契約書と重要事項説明書に署名・捺印のうえ、買主から売主に手付金を差し入れます。

不動産売買の手付金は解約手付けといわれ、一定のタイミングまでは、買主が手付けを放棄することで契約を解除できるという性格をもちます。売主も手付けを倍返しすれば、契約を解除できます。

そのため、少額の手付金だと契約を簡単に解除できてしまうため、通常は売買金額の1割前後を目安としています

また、売買契約締結時に売主が用意しておく書類は以下の通りです。

必要書類備考
登記済権利証(登記識別情報)念のため持参
実印共有の場合は各自用意
印鑑証明書発行後3か月以内
固定資産税等納税通知書
付帯設備表書式は仲介業者が用意
物件状況等報告書書式は仲介業者が用意

このほかに、仲介業者から「契約書に貼る収入印紙が必要です」といわれるケースもあります。

売買契約締結後の売主、買主、仲介業者の動き

ここから先は仲介業者が取引をリードしてくれるはずですが、念のためどういう流れになるか確認しておいてください。

買主は売買契約書を持参して、金融機関に住宅ローンの本申込みに行きます。

売主が住宅ローンを借りている場合、このタイミングで抵当権の抹消書類を手配します(早めに手配した方が確実です)。

抹消書類というのは、金融機関が「ローンを完済したので抵当権を抹消してもかまいません」と証明する書類です。抵当権の抹消登記に必要です。

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残代金決算の日に司法書士が買主の名義にするための所有権移転登記を申請しますが、その時同時に(正しくは連件で)売主が借りている住宅ローンについての抵当権を抹消しておきます。

この抵当権抹消書類を手配し忘れてしまうと、予定の期日に残金決済ができず、大きな問題になってしまいます。

つなぎ融資が必要になる事も

勤務先の融資を利用していたり、公的融資を利用している場合、ごくたまにですが「決済の当日に抵当権抹消書類を用意できない」といわれる場合があります。このような場合には、売主はまずつなぎ融資を利用して事前にローン全額を返済し、抵当権を抹消しておく必要があります。

残金決済までに必要な手続き・書類

残代金決済は、買主が手付金以外の残りのお金(残代金)を支払い、売主が物件を引き渡すことをいいます。物件引き渡しには、玄関の鍵を渡すことだけでなく、所有権登記名義を移転することも含まれます。

売主の立場では以下の書類が必要になりますので、残金決済の日にちまでに揃えておいてください。

必要書類備考
登記済権利証(登記識別情報)必ず持参してください
実印必ず持参してください
印鑑証明書必ず持参してください
抵当権抹消書類決済直後に司法書士と金融機関窓口に取りに行く事も
借入金融機関の通帳住宅ローンが残っている場合
上記通帳の通帳院住宅ローンが残っている場合
印鑑証明書事前に司法書士が預かる場合も
住民票・除票住所変更している場合
固定資産税公課証明書委任状を用意して仲介業者が取りに行ってくれる事も
管理規約・使用細則買主に渡す
管理組合総会議事録等買主に渡す
仲介手数料買主から受け取った代金から支払う事も

このチェックリストのうち、登記済権利証(登記識別情報)以外は、司法書士または仲介業者が事前に預かることがあります。とくに司法書士が登記申請書を作成するために必要な、固定資産税公課証明書や印鑑証明書は、司法書士に預かってもらうケースが多いと思います。

住宅ローンの借入をした時から引っ越しをしている場合、住所変更登記が必要になるので、住民票も必要になります。この点は司法書士から用意して欲しい書類について細かい指示があります。

残金決済当日の流れ(これで一応手続き完了)

残金決済は、一般的には買主が融資を受ける銀行の支店で打ち合わせブースを借りて、そこで実行します。

  1. 司法書士が登記に必要な書類が完備されたことを確認
  2. 融資実行と残代金の授受
  3. 公租公課の精算と管理費等の精算
  4. 鍵の授受
  5. 引渡し確認書等の作成
  6. 登記費用(司法書士報酬含む)、仲介手数料支払い

といった流れで手続きが進みます。

公租公課の精算と注意点

固定資産税と都市計画税(固都税)を、残金決済の前日までは売主負担、当日以降は買主負担として計算し、按分します。

固都税は、その年の1月1日現在に固定資産課税台帳に記載されている人に対して、市町村から課税されます。そのため、不動産を売却した年には、元の所有者である売主に対して納付書が送られてきます。

考え方としては、1月1日時点の所有者である売主が立て替え払いをしておき、買主は残金決済日以降の税額を、売主に返してあげるということになります。

起算日に注意!

固定資産税の精算をするときの起算日を、一般的には1月1日とします。つまり1月1日から決済日前日までを売主負担、その翌日以降を買主負担とします。ところが、関西など一部地域では4月1日を起算日とします。金額がかなり変わってきますので、注意してください。

マンション価格が上がっている現在、確定申告は要注意

グラフは東京カンテイが2021年1月に発表した、過去10年間の三大都市圏中古マンション70㎡換算価格の推移です。

過去3年に注目すると、首都圏では毎年1~2%、関西・中京圏では5%前後、中古マンションの価格が上昇していることがわかります。

そこで、マンションを買ったときより高く売却できたり、買ったときと同じ値段で売却できるケースは多いといえます。

いずれの場合も、譲渡所得税に注意が必要です。

不動産を売却して利益が出たら確定申告が必要

マンションを購入したときよりもかなり安く売却したというケースでは、確定申告は不要です。

しかし利益が出た場合は、翌年確定申告をして譲渡所得税を納める必要があります。買ったときと同じ金額で売れた場合も注意が必要です。

減価償却を考慮すると、譲渡所得が発生する可能性があるからです。念のため、早めに税務署で相談をしておくと親切に教えてくれます。

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確定申告のシーズンは税務署職員が忙しく、対応もよくありませんが、早い時期に予約してから質問に行くと、かなり親切に対応してくれます。

譲渡所得税の税額は売却益の2割ないし4割と高額

不動産を売って儲けが出たら、その儲けに対して以下の税率で譲渡所得税が課税されます。

区分所得税住民税
長期譲渡所得15%5%
短期譲渡所得30%9%

ただし、居住用財産の場合は特例があります。

自分で住んでいるマイホームを売却した場合は、譲渡所得のうち3000万円までが非課税です。また、10年超住んでいるマイホームであれば、以下の軽減税率が適用されます。

課税長期譲渡所得金額所得税住民税
6,000万円までの部分10%4%
6,000万円を超える部分15%5%

詳しい内容は以下の記事も参照してみてください。

家を売る時にかかる手数料・諸費用をすべて解説。高額になる危険があるのは譲渡所得税

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参考土地や建物を売ったとき(国税庁)……第一次情報なので見る価値ありです

なお、3000万円控除で非課税となる場合でも、確定申告は必要です。

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