不動産相続

不動産を相続したらすべきことまとめ【手続き全般】

2020年10月2日

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この記事でわかること

  • 誰が相続人になるのか!? 遺産分割協議と遺言
  • 不動産の相続登記のしかた
  • 相続税の申告方法
  • 相続した不動産が負担になる場合の対処方法

身近な人が亡くなったとき、悲しみの中ですべきことがたくさんあります。この記事ではとくに不動産と相続に焦点をあてて、何をすべきかをまとめました。相続が開始したとき本記事をブックマークしておいていただくと、おおむね不動産に関わる項目を網羅できるよう、役に立つ記事を目指して執筆しています。

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この記事では「不動産と相続」をテーマに、関連情報にも触れながらまとめています。

まず、相続が開始して以降、特に不動産に関連してすべきことを下の表にまとめました。こういった内容を書き留めておくと、チェックリストとして役立ちます。

早めに□遺言書を探す(→検認)
□相続財産を把握する
3か月以内□相続放棄・限定承認
10か月以内□相続税の申告・納付
1年以内□遺留分減殺請求

不動産と関連しないけれど対応が必要な項目は、以下の表にまとめました。

早めに(7~14日)□死亡診断書をもらう→死亡届
□火葬許可申請
□健康保険・介護保険の資格喪失届
□世帯主の変更
□年金受給停止手続き
4か月以内□個人の所得税の準確定申告

準確定申告とは、確定申告が必要な人が亡くなった場合、故人の所得の申請と納税を相続人が行う手続きのことをさします。故人がアパートの大家さんなどの場合は該当する可能性がありますので、注意してください。相続開始から4か月以内と期間が短い点も要注意です。

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相続税の申告と納税についても、相続開始後10か月以内という制限があります。期限が過ぎてしまうと、本来受けられる税金の優遇措置が受けられないなどの不利益が生じることもありますので、早めの対応が望ましいといえます。

今回は法律上の聞き慣れない用語も登場するので、記事の最後に用語解説をまとめました。

遺言と遺産分割協議

遺言書がない場合は一般的に、次のように協議や手続きを進めます。

  1. 遺産分割協議(相続人全員)
  2. 協議がまとまらない場合は法定相続分で分配
  3. それもだめなら家庭裁判所で調停手続き

遺言書があれば、遺言書の通りに遺産分割できるので、だいぶ手順が簡略化できます。万が一遺産分割協議後に遺言書が出てきた場合、遺言書の通りに遺産分割をしなおす必要があります。

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遺言書は相続に当たって大きな影響力を持つ、非常に重要なものです。

遺言書を探す

遺言書には公正証書遺言と自筆証書遺言のふたつがあります。民法上はほかのタイプも規定されていますが、普通に存在するのは実質このふたつと考えてよいと思います。公正証書遺言と自筆証書遺言で効力に違いはありません。また複数の遺言書がある場合は日付の新しいほうが有効です。もし日付の古い公正証書遺言と、新しい自筆証書遺言があれば、自筆証書遺言の方が有効ということになります。

公正証書遺言は公証人や証人が関わるため、信頼性が高いという特徴があります。また専門家が関与するため、遺言が無効になる可能性が低いというのもメリットです。家庭裁判所での検認という手続きも不要です。

自筆証書遺言の場合は、家庭裁判所で検認という手続きをしないと有効になりません。要件を満たしていないと遺言書が無効という可能性もあります。検認がすむと、遺言書に「検認済み」というハンコを押してもらい、その後の手続きに進めます。一連の手続きにはかなり時間がかかりますので、遺言書は早めに探しておいたほうがよいでしょう。

ポイント

後々の手順を考えると「まずは遺言書を探す」ということをおすすめします。

法定相続分とは?

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相続とは何か? というと、被相続人の死亡によって開始し、その人が持っていた一切の財産が相続人に引き継がれるというライフイベントです。では「誰が相続人なのか?」という点が気になりますね。

民法は誰が、どんな順位で相続人となるかを規定しています。順位は第1順位から第3順位までで、先順位の相続人がいる場合、後順位の相続人には相続分がありません。ただし、配偶者は民法第890条で「常に相続人となる」と定められているため、順位はありません。

第1順位の相続人

第1順位の相続人は直系卑属です。つまり被相続人の子ども(子どもが亡くなっていた場合は孫)です。第1順位の相続人の場合、相続人が亡くなっていればその子、その子もなくなっていれば孫……と、相続権が引き継がれていきます。これを「代襲」といいます。

被相続人の子どもが亡くなっていて、孫が相続した場合は、孫が「代襲相続した」ということになります。ひ孫であれば「再代襲」したことになります。

注意点は、被相続人の子には、養子も含まれるという点です。養子と実子で権利に違いはありません。また、特別養子を除く養子は、実家の方の相続権もあります。

第2順位の相続人

第1順位である直系卑属(子や孫)が存在しない場合は、第2順位である直系尊属(親)が相続人となります。事例としては多くありませんが、子どもが早く亡くなった場合は第2順位の相続人への相続となるケースも見かけます。

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うちの父の姉は、実業家だった一人息子が早くに亡くなったため、かなりの財産を相続しました。金銭的には裕福な老後を送っていますが、やはり寂しいようです。

第3順位の相続人

直系卑属も直系尊属もいない、亡くなっている、という場合は第3順位の相続人が相続分を有することになります。これは兄弟姉妹(と書いて「けいていしまい」と読みます)で、兄弟姉妹が亡くなっている場合には、その子が代襲します。しかし、この場合孫に再代襲はされません。

兄弟姉妹の子といえば甥か姪ですが、ここまでがギリギリ相続人となる範囲です。

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もしご自分が相続人となる場合、夫婦だけで両親も亡くなっているケースでは「兄弟姉妹に相続権がある」という点に注意してください。なんとなく「うちは夫婦ふたりだから、俺が死んだら財産は全部妻にいくな……」と思っていたら、それは違います。遺言書を書いておかないと、兄弟姉妹の誰かが相続分を主張する可能性もあります。

各相続人の法定相続分は?

各相続人がどれくらいの割合で遺産を相続するのか、つまりその相続分の取り分は何割か? という点も民法に定めがあります。ざっくりいうと、下の図のようになります。

配偶者がいない場合は、子、親、兄弟姉妹が全部を相続します。同じ順位の相続人が複数いる場合は、原則として均等に分けることになります。

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以上見てきたように、誰が相続人となり、その相続分はいくらか? という点は民法に定めがあります。この定めは、遺言や遺産分割協議で変更することができます。

遺産分割協議とは?

遺言書が残されていない場合、遺産分割協議によって相続財産の分け方を決めることになります。遺産分割協議は、相続人全員が参加して行います。包括受遺者がいる場合も、遺産分割協議に参加する必要があります。

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遺言によって財産を贈与することを「遺贈」といいますが、遺贈を受けた人の中で、特定物を遺贈されたのではなく財産を割合的に遺贈された人を指します。たとえば被相続人が「財産の1割を遺贈する」等と遺言した人です。

相続人の中に未成年者や制限行為能力者(認知症の方など)がいる場合は、後見人や特別代理人が遺産分割協議に参加します。

ポイント

遺産分割協議には相続人全員が参加する必要があります。関与しない相続人がいた場合、遺産分割協議が無効となる可能性があります。

遺産分割協議が整うと、「遺産分割協議書」を作成します。この遺産分割協議書がないと、不動産の相続登記や銀行預金の払い戻しなどができません(遺言書がある場合を除く)。

誰に相談すべきか?

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遺産分割協議書を作れといわれても、普通は難しいと思います。では誰に相談・依頼すべきでしょうか?

相続が発生した場合に手続きを依頼したり、相談をする専門家は、主に弁護士、司法書士、税理士です。何らかの争いがある場合は弁護士に相談するとよさそうですが、通常は司法書士+税理士だけで対応できるケースが多いと思います。

司法書士さんであれば戸籍の収集から所有権の移転登記といった手続きをほぼ一手に引き受けてもらえますし、費用的にも弁護士より安いケースが多いと思います。ただし、税務に精通しているわけではありませんので、相続税関係については税理士さんにお願いするとよいと思います。

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まずは電話予約をした上で、税務相談という形で相談に乗ってもらい、そこで「申告などを自分で手続きできるか、税理士さんにお任せした方がよいか」を切り分けするとよいと思います。

遺留分とは?

相続では被相続人(故人)の最後の意思を尊重するため、遺言書の内容が尊重されます。とはいえ「全財産を愛人に遺贈する」といった極端な遺言書に従うと、残された家族の生活が成り立たなくなる可能性もあります。そこで、民法は「遺留分」という形で、相続人が最低限相続できる財産の定めをしています。

また遺留分の割合は以下の表のように定められています。

配偶者の遺留分その他相続人の遺留分
配偶者のみ2分の1 
配偶者と子4分の14分の1を人数で均等割
配偶者と親3分の16分の1を人数で均等割
配偶者と兄弟姉妹2分の1なし
子のみ 2分の1を人数で均等割
直系尊属のみ 3分の1を人数で均等割
兄弟姉妹のみ なし

実は遺留分の制度については、平成30年の民法改正で大幅に変更されました。以前は遺留分の請求権は物権ととらえられていたため、手続きが面倒で、遺産分割協議を遅らせる原因ともなっていました。そこで、改正民法では金銭請求権ととらえ直し、「遺留分侵害額請求権」を行使することで権利を主張できるようになりました。

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遺留分の減殺請求権は、相続が開始したことを「知った」ときから1年以内に行使しないと、時効によって消滅します。また、相続の時から10年を経過したときも、時効により消滅します。この制限に注意してください。

遺留分侵害額請求権を行使するには、内容証明郵便等で相手方に意思表示をすることになります。その後、具体的な遺留分の額を双方で話し合い、まとまれば合意書を作成して、遺留分を金銭で受け取ります。話し合いがまとまらない場合は弁護士等に相談することになります。

相続放棄と限定承認

相続財産はプラスの財産だけではなく、マイナスの財産の場合もあります。相続財産に借金や多額の税金滞納といった負の財産が含まれている場合、相続人は相続放棄または限定承認という方法をとることができます。

単純承認プラス・マイナスすべての財産を相続
限定承認プラスの財産の範囲内で相続
相続放棄プラス・マイナス一切の財産を相続しない

3か月経過すると自動的に単純承認となるため、通常の相続人は特に手続きをせず、結果的に単純承認している……ということになります。

相続放棄

相続放棄をすると、その人は最初から相続人でなかったという扱いになり、プラス・マイナスいずれの相続財産も相続しません。手続きは家庭裁判所への申述によって行い、期限は自分のために相続があったことを知ったときから3か月です。

相続放棄をしても、死亡保険金や死亡退職金、遺族年金などは受け取ることができます

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誰かが相続放棄をすると、相続権は次順位の相続人に移ることになります。「借金まみれの親戚のおじさんがなくなったなー」という場合、念のため自分に回ってこないかは注意しておきたいところです。

限定承認

プラスの財産とマイナスの財産、どちらが多いかわからない場合は限定承認という方法がとれます。これは「相続したプラスの財産の範囲内でのみマイナスの財産の責任を負います」という留保付きの承認です。ただし、相続人が複数いる場合は、共同相続人の全員が共同して申述する必要があります。

限定承認の場合も相続財産目録を作成して、家庭裁判所に申述します。

不動産の相続手続き

亡くなった人が土地や建物などの不動産を所有していた場合、相続発生後に、相続人に名義を変更する必要があります。不動産を売却してお金で分割することを換価分割といいますが、この場合もいったん相続人名義に変更する必要があります。

不動産の相続登記は自分でできる?

法務局で登記申請書のひな型(様式)と書き方のファイルを公開しているので、自分で所有権移転登記申請を行うことも不可能というわけではありません。登記申請の様式等は、下のリンク先でダウンロードできます。

法務局のサイトでダウンロードできる記載例

サイトを見て「自分でできそう」と思ったら、チャレンジしてみる価値があるかもしれません。ただし、けっこう大変ですし、自己責任になってしまいますから積極的にはおすすめしません。

参考不動産登記の申請書様式について(法務局)

特に多少なりとも複雑な不動産の相続登記であれば、司法書士に任せたほうがよいと思います。

不動産の相続登記に必要な書類

法令上不動産の相続登記に必要な書類は「登記原因証明情報」と「住所証明情報」とシンプルですが、実際にこれを揃えるのが大変なケースはよくあります。被相続人の出生の時まで遡って戸籍を収集したり、家系図を作ったりという煩雑な作業が必要になるので、専門家に依頼するのがよいと思います。

相続登記をしなかったら?

不動産の名義変更登記は義務ではないので、売買や相続で所有権が移転した後に登記をしなくても、特に罰則などはありません

売買で名義が変わったのに登記しない、というケースは少ないですが、相続の場合はいつまでも亡くなった被相続人の名義のままになっていることがしばしばあります。実務でも時々見かけるこういった物件、実は様々な問題が起きてしまうので、本当は早めに所有権移転登記申請をしておいたほうがよいといえます。

売却や処分ができない

故人の名義のままでは売却できませんし、不動産を担保に融資を受けることもできません。抵当権設定登記ができないからです。売却等に際しては、まず相続を原因とする所有権移転登記を申請して、名義を相続人に変えておく必要があります。

また、故人が住宅ローンを借りていた場合、完済しても融資元の銀行の抵当権を抹消することができません。

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ちなみに、故人名義の権利証にはすでに効力はなく、持っていても使い道がありません。逆に言うと、相続を原因とする所有権移転登記に際しては、故人の権利証(登記識別情報)は必要ありません。「不動産の権利証がない」と一生懸命探す方もいますが、なくてOKです。

場合によっては借地権を主張できない

相続した不動産が借地権付きの建物の場合は注意が必要です。建物の借地権の対抗要件(他人に対して自分のものだといえる条件)は、借地上の建物の登記とされています。弁護士法人みずほ中央法律事務所のサイトでは、相続が発生した後長期間所有権移転登記をしなかった場合について、次のように解説しています。

対抗要件の原則論としては『登記名義と権利者が一致している』ことが前提です。 上記のような事情があると『実質的な借地人』と『建物登記名義人』が異なります。 『対抗要件』としては認められない,という扱いとなる可能性が高いです。 一方,一定の範囲で『登記の流用』が認められることもあります。

相続後、あまりに長期間登記を行わないでいると、場合によっては借地権を主張できない可能性が出てきます。

時間がたつと権利関係が複雑化して登記できなくなる

最初の被相続人が亡くなった時は兄弟数名の共有状態だった不動産の権利関係が、時の経過とともに複雑化していくことはよくあります。兄弟のうちひとり、ふたりと亡くなっていき、その子どもたちに権利が承継されていき、ついには親子3代、4代にわたる数十人規模の所有者がいる……という物件は実際に存在します。

それほどではなくても、被相続人の孫の代あたりですでに音信不通の人が出てくることもあります。そうなると、相続登記はできません。相続登記ができないと、上述したように売却もその他の処分もできなくなってしまいます。

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こうなってしまった不動産は、私の自宅から歩いて5分の場所にも存在しています。持ち主は売却を希望していますが、いまさら遺産分割協議がまとまって名義を一本化することは無理そうなので、そのまま誰も住まない一戸建て住宅として放置されています。

他の相続人の同意がないとできないことがある

故人名義のままの不動産を賃貸したいと思っても、他の相続人の同意がないとできません。また、生前から賃貸していた不動産の解約なども、他の相続人の同意が必要です。

また、老朽化した建物を取り壊したいと思っても、他の相続人の同意がないとできません。変更登記が必要な大幅リフォームもできません。

かなり制約が多く、登記名義を放置しておくデメリットは大きいといえます。

一部が差し押さえられる危険性も

実は法定相続分による登記は、相続人の一人が行うことができます。その場合、登記を申請する相続人一人ぶんではなく、相続人全員の名義で登記されることになります。

実務でたまに見るのは、相続人の一人税金を長期間滞納したために、行政がその人に代位して所有権移転登記申請をした上で、その持ち分に差押の登記をしている例。結局、別の相続人が税金を肩代わりして、差押え登記を抹消する事例もよく見かけます。

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もし遺言等で不動産を相続することになっていた場合、相続登記を先送りしているといつの間にか相続人全員の名義で登記された上で一部に差押え登記が入っている……という可能性も。ぜひ早めに登記してください。

また、相続人の一部が資金難等の理由で、その人の持ち分だけ売却してしまうことも可能です。こうなると、面識のない第三者が所有権の一部を取得してしまったことになりますから、処分が困難になってしまいます。

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登記は義務ではありませんが、「第三者対抗要件」とされています。つまり、誰に対しても「これは私のものです」と主張するためには登記が必要です。面倒でも早めに登記をしておくことをおすすめします。

相続税の申告手続き

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相続税については、それだけでも10記事以上のボリュームになってしまうため、ここでは概要のみ解説していきます。

相続税の申告・納税が必要かどうかを調べるためには、まず相続財産を評価する必要があります。被相続人から受け継いだ、金銭に換算できるものはすべて、相続税の対象となります。

現金預貯金を含めた現金
土地居住用宅地の他農地、原野なども含む
家屋自己用住宅、貸家などの建物、その他構築物
有価証券上場・非上場の株式、公債、社債
家庭用財産書画、貴金属、家具など
その他ゴルフ会員権、特許権、著作権、立木や果樹など

相続税の計算方法

まず「いくらまでなら相続税がかからないのか?」を計算します。この税金がかからない一定額を基礎控除額といいます。

基礎控除額 = 3000万円 + ( 600万円×法定相続人の数 )

たとえば夫が亡くなって、相続人が妻と子どもふたり(合計3名)の場合、基礎控除額は4800万円となり、相続財産が4800万円より多い場合に相続税が課税されます。

なお、亡くなった方の生命保険金や死亡退職金にも、別途、相続人ひとりあたり500万円の控除があります。そのほかにも特例措置などがあり、複雑な計算が必要なので、実際に相続が発生した場合は税務署窓口や、税理士の税務相談などを利用して、専門家に確認すべきだといえます。

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不動産に関する特例としては、「小規模宅地等の特例」や、相続の前に関係する「贈与税の配偶者控除」など重要なものがいくつもあります。

相続税の申告が難しいと感じたら?

相続税の申告は意外と難しいため「自分で申告しようと着手したけれど、どうしようもなくなって税理士に投げてしまった」という話はよく聞きます。実は税理士さんに頼むとけっこう高いので、下のようなサービスを使ってみるとよいかもしれません。オンラインでサクサク申告書が作れるサービスで、わからなくなったら税理士さんがサポートしてくれます。

参考better相続税申告……自分で簡単に相続税申告書を作成。税理士サポート付きで69,000円。

空き家にかかる譲渡所得の特別控除の特例(空き家特別控除)

これは相続税とは別個の問題ですが、節税効果が大きいため補足的に解説しておきます。ざっくりいうと、相続した不動産(一戸建て住宅)を売却して利益(譲渡所得)が出たとき、3000万円まで控除されるという特例です。

相続財産を売却して、相続人で分ける(換価分割)という場合、念のため確認しておいた方がよいと思います。

ざっくりいうと、次の要件を満たせば適用される可能性があります。

  1. 相続の時から約3年以内に
  2. 被相続人が亡くなるときひとりで居住していた住宅で
  3. 1981年5月31年以前に建築された住宅で
  4. かつマンション(区分所有建物)でなくて
  5. 譲渡対価1億円以下で
  6. 譲渡時において耐震基準に適合し
  7. 相続開始以降使われていなかった不動産を
  8. 相続により取得(土地建物)した人が売却した場合

かなり難しいと思いますが「もしかして?」と思った方は、念のため以下の記事でチェックしてみてください。

参考相続した家(土地)を売却する時の税金を大幅に節約できる特例をわかりやすく紹介

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税理士さんに相談するときは、こういった点も含めて考えてもらうとよいと思います。

相続した不動産が負担になる場合

平成30年の住宅・土地統計調査住宅数概数集計(総務省)によれば、空き家率は13.6%と過去最高を記録しているそうです。戸数でいえば846万戸にのぼります。しかも新築される戸数は多く、空き家が増え続ける要因になっています。

特に空き家率の高い都道府県は次の通りです(別荘など二次的住居を含めた数字)。

順位都道府県平成30年平成25年
1山梨県21.30%22.00%
2和歌山県20.30%18.10%
3長野県19.50%19.80%
4徳島県19.40%17.50%
5高知県18.90%17.80%
5鹿児島県18.90%17.00%
7愛媛県18.10%17.50%
8香川県18.00%17.20%
9山口県17.60%16.20%
10栃木県17.40%16.30%

こういったエリアでは、相続した不動産が負の財産となっているケースもあると思います。別荘地やリゾートマンションで管理費や温泉利用権などがが高額となる場合は、マイナスの価格で手放すという例も出てきています。

こうなったとき、いらない不動産の所有権を放棄できるのか? という点については下記の記事で検討しています。結論としてはほぼ不可能といえるのですが、なんとか手放すためのヒントも掲載していますので、気になる場合はぜひご覧ください。

参考「相続したがいらない土地」を捨てられるのか? 『負動産時代』

参考「相続した土地がいらない」場合は? ケースごとに解説

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最後に補足です。不動産以外については、税理士事務所さんのサイトなどで解説を併読することをおすすめします。また株式やゴルフ会員権など、不動産以外の財産の相続についても、税理士さんならしっかり相談に乗ってもらえると思います。

用語解説

被相続人……亡くなった方
相続人……亡くなった方の財産を相続する人
制限行為能力者……未成年者、成年被後見人、被保佐人および被補助人。法律上行為能力を制限され、逆に保護もされる

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