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不動産を売る

【不動産売却】家を売るための基礎知識や流れ、諸費用、使うべきサイトを紹介します

2020年7月27日

不動産業者はボランティアではありません。「商売」ですから、自社が儲けるために都合のいい提案をしてきます。

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そうでなければ会社がつぶれてしまいますから、そこは理解してあげつつ、うまく利用してください。

とはいえ……

うちだけに専任で売らせてください!

と強引に迫る業者は利用しないこと。不動産売却はほとんどの人が初めての経験。そんななかで1社だけに仲介を任せるのはギャンブルです。

結論としては、たくさんの不動産業者を比較した上で2~3社に売出しをお願いするのが効率的です。

この記事では、そのための基礎知識や絶対押さえておきたい取引の流れ、あとから「しまった!」とならないための必要経費(諸費用)を解説します。

必ず押さえたいポイント

この記事の結論は、一括査定サイトを利用して多数の査定を出してもらい、信用できる不動産業者2~3社に一般媒介で仲介を任せるのがベスト! という事です。そのためにリビンマッチなどの価格査定サイトをうまく活用してください。

もくじ

不動産売却の流れと利用するサービス

複数の査定書を比較するのは初歩の初歩

不動産売却の流れをざっくり2つに分けると……

  1. 仲介依頼をする不動産業者を選ぶ(上の図)
  2. 売出し~成約まで

に、分けられます。

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重要なのは①の「仲介業者選び」です。仲介業者選びに失敗すると、その後の流れがすべてうまくいきません。

悪徳不動産業者の特徴や、ダメな業者を避ける方法は、以下のリンクを参照してみてください。

悪徳不動産業者を避けるとしたら、複数見積りを取り、複数業者と一般媒介契約を結ぶのがベストです。

鉄則!一括査定サイトを利用して一般媒介契約を結ぶ

不動産の一括査定サイトが登場したのは、2010年代前半。意外と最近のことでした。

それまでは不動産会社をコツコツと回らない限り、複数の価格査定を手に入れることができなかったため、不動産売却の効率は悪く、不本意な売却結果に泣いた人も多かったはずです。

それを考えると、便利な時代になりました。

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実は、一括査定サイトにも色々と問題はあります。しかし、問題はあっても使った方が効率がいいのは確かです。

ネットの一括査定は、ポイントを押さえて上手に活用してください。

一括査定サイトは有名なところを利用する

一括査定の仕組みはどこもいっしょです

不動産の一括査定サイトは、どこも同じ仕組みで運営されています。ユーザーが入力した情報を、登録している不動産会社に送信するのが仕事で、実際の査定業務は一切しません。つまり、情報を受けた不動産会社が査定書を作ります。

超重要ポイント!

リビンマッチやイエイ、イエウールなど有名どころの一括査定サイトは1000~1600社くらいの不動産業社が登録していますが、どのサイトも同じような業者が登録しているのです。

超!重要なポイントです。

つまり、どこのサイトを利用しても「だいたい同じような不動産会社が査定している!」と考えればOK。ほとんどすべての査定サイトに登録している業者もあります(ハウスドゥなど)。

厳選された業者だけを登録……みたいなのをマジメにやっているサイトは見たことがありません。

と、いうことは……!?

査定サイトを利用する上で、差がつくのは以下の2点です。

  1. せっかくなら登録社数が多い方が有利
  2. 農地や再建築不可などに対応しているサイトを選ぶ

できるだけたくさんの不動産業者にコンタクトできて、なおかつどんな物件も査定依頼できるサイトが、もっともツブシのきく査定サイトだからです。

私の知る限り、リビンマッチやイエイはその条件に当てはまります。

最近、イエイを利用して自社保有マンションを売却してみたので、その体験レポートも参考になると思います。やはり、一括査定を利用すると「机上査定」を選んでいるにもかかわらず、75%の不動産屋がアポ取りの電話をしてきました。その撃退方法も紹介しています。

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仲介業者2~3社と一般媒介契約を結ぶ

ネットの査定サイト(正直どこも変わりません)を利用して複数社に査定依頼をすると、バラバラと査定書が届きます。

ほとんどの場合、不動産業者は「専任媒介がおすすめです」と言ってくるはずです。しかし、それは気にせず「一般媒介」にしておいてください。

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査定書も送らずに電話だけしてくる業者はパスしてOKです。その程度の能力と、見切ってしまいましょう。

そうやって届いた査定書や、担当者の人柄を見て、仲介依頼をする不動産屋を決めていきます。仲介契約を、専門用語で媒介契約(ばいかいけいやく)といいます。

媒介契約の類型 内容
専属専任媒介 ・1社のみと契約
・売主が自分で買主を見つけても仲介料をとられる
・業者から売主へのマメな報告義務あり
・レインズ登録義務あり
専任媒介 ・1社のみと契約
・売主が自分で買主を見つけるのは自由
・業者から売主へのそこそこマメな報告義務あり
・レインズ登録義務あり
一般媒介 ・複数の会社と契約できる
・もちろん自分で買主を見つけてもOK
・業者から売主への報告義務なし
・レインズ登録義務なし

消費者の立場で選ぶべきは「一般媒介」です。

逆に、不動産屋が有利なのは専任媒介・専属専任媒介です。

専任媒介・専属専任媒介は業者がラクをするために存在する

専任媒介・専属専任媒介の場合は、不動産屋がその物件を独占できます。必ず仲介手数料をもらえるというオイシイ契約形態なのです。また、情報を囲い込むのも自由自在です。

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業者はいろんな事をいいますが、要するに自分たちが有利な専任・専属専任媒介契約を結びたいのが本音です。

以下の記事では、専任媒介を取りたい業者のトークによくある「専任媒介がいいという意見」をすべて論破してあります。時間があれば目を通してみてください。

特に「専任媒介だと業者のやる気がアップして売れやすい」というのはダメでしょう。一般媒介でもちゃんと売るのがプロです。

プロ意識のある業者を選びましょう

大手と中小業者を掛け合わせたラインナップにする

大手仲介業者と中小業者では、得意とする営業スタイルや客層が異なります。なので、一般媒介で2社以上に仲介を依頼しつつ、大手と中小をバランスよく配置してください。

大手仲介業者とその特徴

大手仲介業者は広告宣伝力があり、瞬発力に長けています。「ガツッと客付けしてくれる」傾向はありますが、長期戦が得意とは限りません。

大手仲介業者の営業マンは数字に追われているのです。

なので、物件にじっくりと向き合って、コツコツ営業するようなスタイルには向いていません。

また、大手仲介業者ほど、悪名高い「物件の囲い込み行為」をしやすいという報道もあります。この点については以下の記事で詳しく説明しています。

零細仲介業者のメリットとデメリット
不動産屋の8割以上が従業員4人以下!

不動産業者の8割以上が従業員5名未満の零細企業なので、駅前の不動産会社などに相談すると、大半が零細企業です。

広告宣伝力は大手仲介会社に劣りますが、地元で昔から営業しているため、それなりの人脈があったりします。

ただし、零細業者は「当たればラッキー、外した時はものすごくダメ」という傾向があります。この外した時のためにも、絶対に一般媒介にしておいてください。

いい社長が経営している会社にあった場合は、売主の希望をよく聞いて、粘り強い営業をしてくれることもあります。

タイプの違う業者を掛け合わせることで最強の布陣に

ここまで見てきたように、大手仲介会社と中小零細企業では、得意ジャンルと営業スタイルが異なります。

大手仲介会社の営業力に期待しつつ、囲い込み行為を避けるために中小業者をかましておきましょう。

そうしておけば初動で物件に反響が出なかったら、大手があきらめた後もコツコツ売ってくれる中小業者に期待することもできます。

一般媒介を嫌がる業者はお断りする

ただし、世の中には時々「うちは専任以外やらない」「一般媒介では受けない」という、ちょっと自分勝手な業者が存在します。

そういうのは「一般媒介では、他社に競り勝って売り切る実力がありません」と言っているのと同じなので、迷わずパスしてください。

「専任以外受けない」という業者に、どれほど専任媒介のメリットを主張されても、ぜんぜん信じる必要はありません。

自信を持ってお断りしてください。

大前提!「高く売る」と「はやく売る」は両立しない!

たとえ同じ業者が仲介を受けた場合でも、高く売ってほしいと言われた時と、はやく売ってほしいと言われた時では戦略が違ってきます。

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時々、はやく、しかも高く売れることもあります。しかし、それは偶然です。

なので、気持ちはわかりますが、どちらかを重視しどちらかをあきらめる必要があります。

自分は物件をはやく売りたいのか? 高く売りたいのか? その答えを出しておかないと、物件売却を成功させることが難しくなります。

はやく売りたい時大手が有利な理由

大手業者がはやく売れるのは、はやく売りたいという気持ちが強いからです。それはなぜでしょうか?

  1. 豪華なオフィスの経費や人件費がたくさんかかるので、ガンガン稼ぐ必要がある
  2. 収益性を上げるため効率を重視している
  3. 営業マンは重い数字(ノルマ)を背負っているのですぐ売れる物件が好き

効率重視で広告宣伝にかける予算もあるため、瞬発力で売り切ってくれる可能性が高いです。

急ぐ時は大手仲介業者中心の布陣にしてしまい、中小零細業者はパスしておくのもアリです。

難物件に付き合ってくれる業者とは?

大手仲介業者がじっくりと難物件を売ってくれた……という話はあまり聞きません。中小零細業者の中に、時々仕事ができる会社があり、なおかつ良心的な社長が経営していたりすると、難物件を上手に売ってくれます。

ただし、かなり少数派なので、複数業者とコンタクトしないと見つけることができません。

ダマされないために価格相場を知る必要性

昔は「安く買いたたかれたら……」というのが心配でしたが、今は「バカ高いウソ査定書」をつかまされる方が心配です。

不動産一括査定サイトの登場により、不動産業者間の競争が激しくなっているという背景があり、消費者はたくさんの不動産業者を比較して「選べる」ようになりました。

そこで、手っ取り早く選んでもらうために、バカ高いウソの査定書で喜ばせるという手法がはびこっています。

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高すぎる査定書で仲介をとっても、不動産屋はそんな高値で売れないから困るじゃないか……と思っていませんか? そんなことはありません。全然困らないのです。

不動産屋にとって物件がしばらく売れないことなど問題になりません。自分のハラは痛まないからです。

そこで、長期間放置して、売主が困りはじめたところで「時期がよくなかった」「ライバルとなる類似物件が多すぎた」などと理屈を付けて、売主に値下げを迫ります。

値段を下げれば売れるので、全然問題ありません。

ただし、売主はウソ査定書にダマされたばかりに、たくさんの売却チャンスを逃がしていることになります。

そこで、ウソ査定書を見破るためにも、自分の物件のおおまかな価格を把握しておくようにしましょう。

ビギナーは相続税路線価で土地価格を推定する

世の中にはさまざまなデータがありますが、ビギナーにとって一番わかりやすいのは、相続税路線価。

地図上で見たい場所を選び、土地の前の道路に書かれた数字を読んでみてください。

たとえば上の図は横浜市緑区の住宅街の路線価図です。赤丸で囲った部分には「240D」と書かれており、それがこの道路に面した土地の路線価を表しています。見ておきたいのは数字の方です。

この数字は、平米単価を1000円単位で表しています。そこで、「240D」と書かれた道路に面した土地の路線価は、1平米あたり24万円とわかります。

ただし、路線価は市価の8掛け程度とされていますので、0.8で割り戻す必要があります。

240,000円 ÷ 0.8 = 300,000円

上の式から、相場としてはおよそ平米単価が30万円程度、坪単価になおすと99万円強と考えられます。

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これだけでも知っておくと、不動産屋のウソを見抜くのに役立つはずです。

さらに詳しく価格の出し方を知りたい場合は、以下の記事も参考になります。

おすすめの書籍『その「家」の本当の値段』(ただし絶版)

もし「不動産価格について、もう少し詳しく知りたい」ということであれば、釜口浩一氏が書いた『その「家」の本当の値段』という本をおすすめします。

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この本は私が不動産屋を始めた頃に出会い、今でも手元に置いている必携書です。

すでに絶版ですが、Amazonで1円(送料別)から買えます(2021年4月現在)。気になる方はぜひ今のうちに入手しておいてください。不動産の価格がどのように決まるのか、非常にわかりやすく解説されています。

マンションの場合は近隣の取引事例を探す

マンションの売却時には、近隣の取引事例を探し、そこと比較して価格を割り出していきます(取引事例比較法)。

プロはレインズを利用して取引事例を集めており、個人でそれに対抗するのはたいへんです。ただし、マンションレビューというサイトを利用すると、かなり幅広い情報を集めることができます。

会員登録をすると、推定相場価格(下の図)、将来価格予想、価格推移グラフ、中古販売履歴、クチコミ、賃貸した場合の相場など、様々なデータを閲覧できます。

無料で利用できますので、ぜひ会員登録して、売却マンションの価格をチェックしておいてください。

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マンションの場合こういったサイトが使えるので、一戸建てより価格相場がつかみやすいと思います。

ケース別・おすすめ不動産売却方法

ここまでは、都市部の通常物件を念頭において解説してきました。そういった「売れ筋」の物件であれば、ここまでの手順で問題なく売り切ることができます。

しかし、何か変わったポイントがある物件の場合、さらに戦略を考えておく必要が出てきます。

実家など遠方の物件を売る時

遠方であり、なおかつ需要がないエリアの物件の場合、長期戦になることがよくあります。相場で売り出しても、なかなか買い手がつかないからです。

需要がないエリアの物件は相場で売り出しても長期化する。

このような場合は、例外的に一般媒介を避けて専任媒介にした方がよいと思います。ただし、1社のみに仲介を依頼する以上、不動産業者選びはより慎重に行う必要があります。

仲介業者探しには、比較的地方に強く、なおかつ登録社数も多いリビンマッチ、イエウール、イエイといった一括査定サイトを利用しておけば、まず問題ないでしょう。

ポイントは、各査定サイトにとりあえず入力してみて、最後の画面(まだ依頼する前です!)で、不動産業者をちゃんと選ぶこと。

どの一括査定サイトでも、入力の最後に上のような画面が出て、査定依頼をする不動産業者を選べるようになっています(上の図はリビンマッチの画面)。

ここでは最大6社の仲介業者が選べます。基本はすべての業者に依頼すべきですが、最低限「なんという業者に査定依頼をしたか」はメモしておいてください。

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どんなに登録社数の多い査定サイトでも、エリアによっては対応業者がほとんどいない場合があります。そういう時は、別のサイトを利用し、少しでも多くの業者とコンタクトをとってください。

不動産業者はできるだけたくさんの候補から選びたいからです。

住宅ローンが残っている物件

売却代金で住宅ローンの残債務を払えるなら問題ありません。通常の売却と同じスケジュールで考えてOKです。

物件を売却しても、ローンの残額を返済できない場合は注意が必要です。銀行の抵当権を抹消することができないからです。

抵当権を抹消できない物件を購入する人はいません。

ですから、いったん全額を工面して銀行に返済する必要があります。貯金を切り崩すなど、何らかの方法で「足りないお金」を工面して、銀行に全額返済して抵当権を抹消することになります。

詳しくは以下の記事で解説しています。「もくじ」から「単純売却の場合」という章を読んでみてください。

住み替えの場合は売り先行がおすすめ

住み替えの場合、売り先行か買い先行か、最初に作戦を立てる必要があります。

売り先行 住んでいる住宅を売却してから新居を購入
買い先行 転居先を見つけてから自宅を売却

中には、

どちらでも大丈夫ですよ~。

という業者がいますが、それは業者の都合で言っているだけです。不動産屋としては「どっちでもいいから売却して仲介手数料くれればいい」と考えています。

でも「買い先行」の場合、致命的な問題があります。

「買う物件が決まったのに、自宅がいくらで売れるかわからない」という大問題。不動産価格が右肩上がりで上昇している時代ならまだしも、現在は何が起きるかわかりません。十分注意してください。

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私は自宅を売却する時、1年ちょっと賃貸に住み、まずは空室にした家を売り切りました。時間をかけて売却できるため、比較的有利な条件で売れました。

住み替えなら売り先行が確実です。

どうしても急ぐ時「買取り」という方法もあるが……

急いで資金がなどの理由で、不動産売却を急ぐこともあります。その場合「不動産買取りを検討しましょう」という記事をよく見かけますが、本当でしょうか?

しかし、不動産買取りでは、仲介で売却した場合の5割~7割という低価格でしか買ってもらえません。

買取りの場合、相場の5割~7割程度でしか売れない。

理屈を考えれば当然です。不動産買取りの場合、業者がいったん買い取って、商品化して売り出します。

仕入れ価格は売却価格よりずっと低くなければ、商売として成り立ちません。

それでもいいから早く売却したい! という場合は、一括査定サイトのリビンマッチが「買取り」にも対応しています。

もうひとつ、急ぎで資金を手に入れて、なおかつ相場で売却する方法があります。もし確実に売れるとわかっているなら、不動産担保融資を利用して資金と時間の余裕を作り、その上でじっくり売却するという方法です。

ただし、不動産を担保にして融資を受けたのに、うまく売却できない場合は、非常に厳しい状況もあり得ます。

確実に、そこそこの値段で売れる! と確信できるなら、不動産担保融資を利用してみるのも手です(必ずしもおすすめするわけではなく、奥の手として考えてください)。

不動産売却にかかる諸費用は?

諸費用についてはおおまかに「物件価格の1割程度はみておこう」といわれます。ただしそれは購入時。売却の時はもう少し少ないので、細かく計算しておいた方が確実です。

仲介手数料

仲介手数料は、法令によってその「上限」が定められているだけで、仲介業者ごとにいくらと決めて構いません。

とはいえ、ほとんどの会社では法令の上限を仲介手数料と定めています。

売買代金が200万円以下の金額売買代金の5%+消費税
売買代金が200万円を超え400万円以下の金額売買代金の4%+消費税
売買代金が400万円を超える金額売買代金の3%+消費税

また、低廉な価格の空き家等の売却時には、400万円以下の物件であっても、一律18万円+消費税を請求することができます。

登記関連(抵当権抹消費用など)

一般的に、所有権移転登記費用は買主負担なので、売主は登記費用を負担しません。ただし、抵当権がついている物件の場合、抹消登記が必要になります。

すでにローンを完済している物件の場合、あらかじめ自分で抹消登記をしておけば、かなり安く登記が完了します。

しかし、住宅ローン返済中の自宅を売る場合などは、必ず司法書士に任せる必要があります。

不動産取引には、司法書士という専門家が介入し、取引(お金と物件のやりとり)がちゃんと行われて、しかも売主・買主の揃えた書類に間違いがない、ということを確認します。そのうえで、司法書士は間違いのない登記申請を行います。

このように、専門家が介在せず、どこかで間違いが起きたら取引が危険な状態になってしまいます。そこで、一般的な売買では、登記申請は司法書士に一任します。

収入印紙(印紙税)

不動産取引で必要な収入印紙(印紙税)は、売主・買主がそれぞれの売買契約書に貼るものがメインです。

契約金額本則税率軽減税率
10万円を超え 50万円以下のもの400円200円
50万円を超え 100万円以下のもの1千円500円
100万円を超え 500万円以下のもの2千円1千円
500万円を超え1千万円以下のもの1万円5千円
1千万円を超え5千万円以下のもの2万円1万円
5千万円を超え 1億円以下のもの6万円3万円
1億円を超え 5億円以下のもの10万円6万円
5億円を超え 10億円以下のもの20万円16万円
10億円を超え 50億円以下のもの40万円32万円
50億円を超えるもの60万円48万円
(平成26年4月1日から令和4年3月31日まで適用される軽減措置による額)

上の表のように、取引額によって貼付する収入印紙の額が違ってきますので、調べておきます。

一般的には、収入印紙を貼るのは決済時です。契約時に貼ってしまうと、何かの原因で取引が解除となった場合にもったいないからです。

売却益が出たら譲渡所得税などに注意

不動産を売る時の諸費用は確かに小さい金額になりがちです。ただし、取引の翌年、確定申告時に計算する「譲渡所得税」だけは別です。

これは不動産を売った「儲け」に対してかけられる税金です。もし1000万円儲かったら、おおざっぱにいうと約200万円か約400万円の税金を支払う必要があります。

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儲からなかったり、損をした時は払う必要がありません。

譲渡所得税については以下の記事で詳しく解説していますので、ぜひチェックしてみてください。

不動産の売出しから成約までの流れと注意点

契約にあたっての知識と注意点

step
1
買付証明書を受け取る

契約の前段階で、買主から買付証明書(または購入申込書)が差し入れられます。これは買主が身分を明かし、「この価格でこの不動産を購入したい」という申込書です。法的拘束力はありませんが、まずはこの書面をもって交渉をスタートします。

step
2
契約締結と手付金受取

買付証明書の価格に納得がいったら契約を結びます。納得がいかなくても交渉をして、結果として納得いく価格になったら、やはり契約します。この時点で初めて手付金を受け取ります。買付証明書の時点で手付金を受け取ると思っている人も多いようですが、その時点では契約がまとまっていないので、お金を受け取ることはありません。また、契約に当たっては仲介業者から契約書の内容説明等があり、重要事項説明書についても読み合わせを行います。

step
3
準備期間

契約締結後、残金決済までは通常2週間から1か月ほどの時間がかかります。この間買主は銀行融資の申し込みをして、審査を受けます。売主も必要書類等を準備しておきます。

step
4
残金決済

準備が整ったら、残金決済と所有権移転登記申請を同日に行います。司法書士さんがこの日に所有権移転登記を申請し、1週間後くらいに登記が入るとすべて完了です。

もっと深く知りたい人のために

ここまでの記事を補足するために、もう少し突っ込んだ情報を書いておきたいポイントがあります。

興味がある人だけでも、ぜひ読んでおいてください。不動産屋と対抗する時、不動産屋をうまく使う時に役立つはずです。

一般媒介のメリットを生かす最強の法則

ここまでで「仲介は一般媒介契約で2~3社に依頼」という鉄則について述べました。ここではもう少し突っ込んで、その業者の選び方を解説します。

私なら1社目にはそのエリアをカバーする大手仲介業者を選びます。戦略としてはここが突っ走って、短期でまとめてくれたら最高です。

2社目には地元でコツコツ営業している中小業者を選びます。大手が取りこぼした場合に、息の長い売却活動をしてもらうことと、人脈でつないでいる地元客に(少しだけですが)期待するためです。

もうひとつ、地場業者は立てを立てたり、近隣にチラシを配ったりしてくれます。こういうアナログ業者のパワーも、可能ならいかした方が有利です。今でも現地看板で反響が来ることは、けっこうあります。

また、小さい業者であれば、責任者と色々話ができます。

「一般媒介ですが、レインズに載せてもらえますか?」とお願いして、ぜひ載せてもらってください。

レインズとは?

レインズ(REINS)というのは、不動産業者の大半が会員となっている大規模なデータベースシステムです。専任媒介や専属専任媒介契約をした不動産業者は、レインズに物件を登録する必要があります。これにより全国の業者が「この物件が売り出されたな」と把握できます。一般の消費者は利用できず、業者だけが情報にアクセスすることができます。

まとめ:「家を売る」の向こう側には「人間」がいる

ここまで解説してきたのは、主に不動産業者とのかけひきの手法です。

しかし、不動産売却の向こう側には、一般消費者である「買主」がいます。買主も自分と同じ人間であり、いろんなことを調べながら「できれば安く買いたい」と考えているはずです。

売主の立場で買主の存在を考えてみたら、不動産屋のウソも見抜きやすくなります。

「うちなら高く売れます!」

「専任媒介にしてくれたら高く売れます!」

それらは本当でしょうか? 買主もあなたと同じく、相場を研究しています。そして理想のマイホームを一生懸命探しています。

売主としては相場以下で売却することは絶対避けたいですが、相場より大幅に高く売ることを目指すのは非効率的だとわかります。

不動産業者の高すぎるウソ査定や、専任を取りたいだけの営業トークにダマされることなく、本当の相場価格をみつけて、納得のいく売却を目指してください。

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