不動産活用

コロナ後の不動産価格動向は?売却や購入のタイミングは?

2020年6月29日

新型コロナウィルスの日本経済への影響は、今のところ限定的。4月の経済活動は約1割減だったといわれています。同時期の完全失業率も約2.6%と、意外と多くはありません。ただ、その背後には600万人ともいわれる休業者が控えています。

資料出所 総務省統計局「労働力調査(基本調査)」

休業者が失業者に移行して失業率が大幅に増加した場合、格安不動産が市場にあふれるのではないか? そのように考えている人は多いと思いますが、実際のところはどうでしょうか?

不動産は景気の影響を遅れて受ける、というのはよくいわれることです。そして実際、新型コロナウィルスの影響も遅れて出ているように思えます。

不動産は意外と売れていた

4月7日に緊急事態宣言が発せられて以来(この時点では7都府県)、5月末に解除されるまでの2か月弱の間、不動産の売買はストップしていたのでしょうか? 知り合いの不動産業者に聞くと、異口同音に「それが、あまり影響がなかったんですよ」との返答が得られました。

Google Trendsの検索ボリュームから、この証言を検証してみましょう。図は2020年3月28日から6月28日までの3か月間に「不動産」をキーワードにした検索ボリュームの推移です。緊急事態宣言直後には明らかな落ち込みは見られず、一番数字が下がったのは5月3日です。ただし、激減というわけでなく、通常の増減の範囲に収まっていました。

検索ボリュームは5月7日にコロナ以前の状態に戻り、それ以降も目立った減少はみられません。そこから、不動産に関する世間の関心は、コロナウィルスによる自粛期間中も衰えていなかったことがわかります。

HIDE
コロナの緊急事態宣言下でも、不動産に対する興味や取引は意外と活発でした。本稿を書いている私自身、緊急事態宣言下で2件の不動産を購入しています。

マンション販売も堅調

では緊急事態宣言下のマンション販売はどうだったのでしょうか? 株式会社不動産経済研究所が出している2020年5月度のレポートによると、むしろ成約率は上昇を続けています。ここ半年ほどの間でいちばん落ち込んだのは、2019年の10~11月。その時点からコロナ禍の2020年4月をピークに、右肩上がりに上昇しました。

不動産経済研究所のデータに基づく

現在、新築マンションの成約率については新型コロナウィルスの影響はまだ出ていません。また、価格についても大幅な下落は見られません。ではいつ影響が出ると考えられるでしょうか?

リーマンショック時の価格下落のタイミングを参考にすると、新築マンションの価格が下がるのは、半年後くらいということになります。2008年9月に株価が暴落を始め、リーマンショックが起こりました。それに遅れて民間住宅投資が2割近い暴落を記録したのは、翌2009年の第一四半期です。この数字は新築マンションだけではなく、民間住宅全体を含むのですが、一定の参考にはなると思います。

コロナショックでも同じような推移をすると仮定すると、新築マンション価格(住宅価格)が落ち込むのは、2020年末か2021年前半になる可能性が高いと考えられます。ただし、新築マンションと価格メカニズムが異なる中古マンションや中古一戸建て住宅については今回、それより早く価格下落が生じる可能性があります。

2020年後半のシナリオ

実際にはすぐにでも、コロナ渦により破綻した不動産が格安で売り出されるとは思います。しかし、一般的に市場価格よりも明らかに安い物件が出た場合、最初にコンタクトした不動産屋が自ら購入し、リフォームや清掃をしたうえで、相場の価格にして市場に流通させます。つまり、まずは不動産屋が儲けるということになります。

不動産価格の下落が一定の勢いを越えた場合、格安で買い取って再販しても儲からない状況が生まれます。不動産屋の視点から見て、下落し続ける市場で買い取りを行っても、買った値段以上で売ることができないという状況です。これでは、買取・再販ビジネスは成り立たちません。不動産屋は買取をやめ、格安な価格のままの物件が市場に流通し始めます。

格安の不動産に投資をしたい、という場合は、その時点で投資の準備ができていることが理想的です。

ポストコロナにどう備えるか?

不動産投資や物件購入を考える人であれば、コロナ禍での投資に対して迷われていると思います。コロナ禍による不動産価格下落に期待するというのも不謹慎に思えますが、ライバルはすでに動き出しており、新型コロナウィルスの影響による競売物件の増加に備えるセミナーも開催されています。しかし、経済情勢が不透明な状況下での判断は大変難しいと思います。

逆に、不動産の売却を考えている人にも難しい局面です。ただし売却のタイミングはシンプルに「早ければ早いほうがよい」といえる局面です。

不動産投資を考えているが経験がない場合

不動産投資についてはホリエモンがよくいっているとおり、ほとんどの人が深く理解しないまま投資していると思います。しかし実際には、プロの視点なくして間違いのない物件を選択するのは難しく、ギャンブルになると思います。投資についてのセカンドオピニオンがもらえるサービスを利用するなど、慎重に対応した方がよいでしょう。

とくに医師、上場企業や外資系のエリート社員、弁護士など士業の方は注意してください。かぼちゃの馬車事件でもこういったエリート層がターゲットとなりました。コロナ不況という不透明な状況下で投資を始めるとしたら、できるだけ注意をしたほうがよいと思います。

以下にリンクしたサイトは、不動産投資のセカンドオピニオンサイトです。利用すべきかどうかはその人次第ですが、このページを読むだけでも参考になります。リンク先の記事の上の方は読み飛ばしてもOKです。下の方にあるQ&Aがおすすめです。

  1. 自分が住んでいる所から遠い、遠隔地の物件を買っても大丈夫ですか?
  2. 私は自営業なんですが、銀行からの融資は難しいですか?
  3. 新築と中古だと、どちらの物件が良いですか?
HIDE
これらの質問に対する答えは「ですよね。プロならそう答えますよね」という内容で、好感が持てました。

参考不動産投資のセカンドオピニオン【セカオピ】

ひとつ補足するとしたら、この時期に不動産を購入する人は、ある程度長期的に保有する計画を立ててください。物件を長期保有するにはそれなりの資金的体力が必要です。

この時期の不動産売却

HIDE
「売却しなければならない」前提で考えれば、売却タイミングは早ければ早いほうがいいです。

売却の必要がない不動産の売却時期については、各不動産の置かれた状況が千差万別なので、別記事で改めて検討します。ここでは、すでにローンの支払いが難しいなど、売却の必要性がある不動産について考えてみます。

私がこれまでみてきた任意売却や不動産競売の事例では、常に「判断の遅さ」が状況を悪化させていました。

某年12月に一戸建ての査定依頼が来た事例

ある年の12月にご主人が脳内出血で倒れてローンの支払いが難しくなり、奥様から査定依頼。しかし、売却相談が夏になった事例があります。半年の間に、すでに住宅ローンを数ヶ月分滞納していました。私たちはここから銀行との交渉をスタートしましたが、すでに債権は銀行でなく保障会社に移っており、厳しい交渉に。保障会社の担当者との打ち合わせをICレコーダーで録音するなど緊迫したやりとりの末、なんとか債権減額を勝ち取り、時間の余裕ももらいながら売却成功。売主さんの残債務を残さずにすみました。

上記の事例でも、滞納前の12月の時点で売却依頼をいただいていれば、もっとよい交渉ができていたはずです。コロナでローンの支払いが難しくなった、という方は、絶対に早めの対応を心がけてください。その方が有利です。

不動産(特に一戸建て)売却については以下の記事が参考になります。しかしローンの支払いが難しい場合は一般媒介ではなく、専任媒介を検討してください。その場合の仲介会社選びは慎重に行う必要があります。

一戸建て売却。物件の売出し方や手順を詳しく解説しています

この記事では「不動産売却が初めて」という人向けに、宅建士として、また不動産会社を経営した経験を踏まえて「基本はコレでOK」という必勝パターンを解説します。 HIDE私個人としてもこの5年間で2度自宅を ...

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