不動産活用

「里道」とは何? 買い取れる? 里道に接している土地に建築できる?

2020年5月12日

この記事では里道について解説しています。里道以外の道路を含めて「建築可能かどうか」を知りたい場合は、以下の記事も参照してください。

参考【接道義務】土地がどんな道路に接していれば建築できるかまとめ

HIDE
里道は一般的に「りどう」と読まれている道路で、「さとみち」と読むこともあります。また、赤道(あかみち)と呼ぶ人もいます。これは公図上で赤色に着色されていたことがあるからです。現在でも市町村役場の図面などで着色される場合は、赤で塗られることが多いようです。

里道に接している土地であっても、その道が二項道路に指定されていれば建築確認がおります。この記事では「どうやったら建築可能かわかるの?」という点を解説しています。

赤く着色されているところが里道
市役所で閲覧できる図面の例。赤く着色されているところが里道

里道をざっくり解説すると、道路法で道路として指定されていないけれど道としての機能があるもの。また、過去に道としての機能があったものも含めて里道と呼んでいます。明治初期に道路を区分したときに、「国道」「県道」以外の道路を「里道」と定めたのがそのはじまり。その後大正年間に定められた旧道路法時代に道路法適用外の国有財産となり、現在では国有財産でありつつ市町村が管理するということになっています。

道路法適用外のため、里道は法定外公共物とされており、道としての機能を失った里道は旧法定外公共物とされます。里道は建築基準法上の「道路」ではない(場合が多い)ため、役所では「道」と呼ばれることが多いです。

里道の探し方

ある道が里道かどうかは、市町村役場の窓口で調べるのが一般的です。ただ、公図上でもおおまかに調べてみることができます。ここでは公図を見ながら、どこに里道があるか確認してみます。

上の図は法務局で取得した公図の一部です。道路に地番がなく「道」と書かれているところがありますが、こういう場合、里道であるケースが多いです。地番がないまま市町村道に指定されていることもよくありますが、この場所のGoogleマップと付き合わせてみると、これは里道ではないかと推測できます。

地図上、マンション北側の道路は存在しないように見えます。航空写真に切り替えても、やはり道路は見当たりません。このような場合、すでに道としての機能を失っている里道だと考えてよいでしょう(宅建業者などが重要事項説明をする場合は、そう推測できても必ず市町村役場で確認する必要があります)。

こんな感じで、公図とその他の資料を付き合わせていくと「どうやら里道らしいな」ということがわかってくると思います。参考までに、公図で「水」となっているのは水路です。以前、水路にしか接していない土地を取り扱ったケースで建築が認められたことがあります。水路も里道と扱いが似ています。

こういう調査で時々役に立つのが、国土地理院の「地図・空中写真閲覧サービス」です。昔の航空写真を見ることができるのですが、1970年代はこの公図にあるマンションの周りは畑(または水田)で、水路は存在していたことが確認できます。里道や水路は農業従事者が使っていたもので、都市計画の変遷の中で消えていったのではないかと推測できます。

国土地理院「地図・空中写真閲覧サービス」

そして、このように機能を失ってしまった里道や水路を買い取れるの? というのが次のテーマです。

里道は買えるの?

ケースバイケースですが、自宅敷地の一部が旧法定外公共物(昔の里道や水路)というケースなら購入可能な場合が多いようです。森友事件で有名になった近畿財務局のサイトでは、次のように解説しています。

 旧法定外公共物とは、かつて里道や水路等であったものが、機能を失い、公共的な用途に使われていないものをいい、国が管理することになっています。旧里道や旧水路が、現に住宅敷地等として使用されている場合には使用者に対して売却を行っています。 ※現在でも里道・水路としての機能を有しているもので、市区町村が必要なものについては、国から譲与のうえ市区町村が所有する土地となっています。

念のため、近畿財務局の当該ページへのリンクを以下に貼っておきます。※こういった省庁のサイトはすぐにリンクが変更になるため、もしリンク切れになっていたら「旧法定外公共物の境界確定・購入手続き」などで検索してみてください。

近畿財務局「旧法定外公共物(旧里道・旧水路等)の境界確定・購入手続き」

財務省の説明では、旧法定外公共物は国の所有で、国から買い取れるということになっています。ただ、これまで実務で取り扱っていた旧里道の買い取りはすべて市町村からの買い取りでした。そこから、里道の買取についてはまず市町村に相談してみるのがよいと思います。

道としての機能を失った旧法定外公共物は、国が所有しています。一方、道としての機能を失っていない里道は、法定外公共物として国から市町村に譲与され、市町村所有となっているはずです(正国有財産特別措置法)。旧法定外公共物か、法定外公共物かという判断基準の問題かもしれません。

一例として、沖縄県豊見城市で旧里道を買い取ったときの事例をご紹介します。

上記は豊見城市某所の公図の一部ですが、緑で囲んだ部分が一戸建て住宅の敷地になっていました。地番399-12となっている細長い土地にはもともと地番がなく、里道と確認されました。そこで、市役所と交渉をして買い取りを行いました。市町村との対応は時間がかかるのですが、価格については高くなく、むしろリーズナブルと思える場合がほとんどです。

このように、使われなくなっている里道であれば、買取りが可能な場合が多いようです。

里道に接する土地に建築できるか?

建築基準法は第43条で「建築物の敷地は、道路に二メートル以上接しなければならない。」と規定しています。では、その道路とは何か? それは第42条に規定されています。引用してみましょう(法律の条文を読み飛ばす場合はここをクリック)。

第四十二条 この章の規定において「道路」とは、次の各号のいずれかに該当する幅員四メートル(中略)以上のものをいう。 一 道路法(昭和二十七年法律第百八十号)による道路

(中略)

2 都市計画区域若しくは準都市計画区域の指定若しくは変更又は第六十八条の九第一項の規定に基づく条例の制定若しくは改正によりこの章の規定が適用されるに至つた際現に建築物が立ち並んでいる幅員四メートル未満の道で、特定行政庁の指定したものは、前項の規定にかかわらず、同項の道路とみなし、その中心線からの水平距離二メートル(同項の規定により指定された区域内においては、三メートル(特定行政庁が周囲の状況により避難及び通行の安全上支障がないと認める場合は、二メートル)。以下この項及び次項において同じ。)の線をその道路の境界線とみなす。ただし、当該道がその中心線からの水平距離二メートル未満で崖地、川、線路敷地その他これらに類するものに沿う場合においては、当該崖地等の道の側の境界線及びその境界線から道の側に水平距離四メートルの線をその道路の境界線とみなす。

(後略)

第1項で定めているのは道路法の道路、すなわち国道、県道、市町村道です。第二項に定めているのがいわゆる「二項道路」で、道路法の道路ではなくても、都市計画法がその場所で施行された時「現に建築物が立ち並んで」いた幅4m未満の道路で、特定行政庁が指定したものは「道路とみなし」て建築確認を下ろす、ということになります。

たとえば、上記の公図で地番259-1は2方向で道路に接していますが、いずれの道にも地番がなく、里道と考えられます。このような場合はまず市町村役場や都道府県の土木事務所で、当該の里道が二項道路に指定されているかどうかを確認する必要があります。二項道路であれば、道路の中心から2m後退(セットバック)することで、建築が可能となります(注1)。

ちなみに上図は沖縄県名護市某所の公図ですが、調査の結果西南側の里道が二項道路に指定さていることがわかり、建築可能と判断しました。

また、役所で調査を行う際、二項道路に指定されていなくても「他に建築を可能とする手段はないか」も確認しておくべきでしょう。たとえば建築基準法第43条ただし書きの許可(通称43許可)により建築できる可能性もあります。43許可の許可基準については都道府県により異なるようですので、ご自分の住む都道府県の許可基準を調べてみてください。参考までに大阪府下でわかりやすい解説をしている大阪狭山市にリンクを貼っておきます。

大阪狭山市「建築基準法第43条第1項ただし書の規定による許可申請について」

建築基準法の改正により、43許可は「法第43条第2項第1号第2号の認定・許可」になっています。許可の内容に大幅な変更はありませんが、別記事で詳しくフォローする予定です。


注1……敷地から道路を挟んで向かい側が川やがけ地の場合、川やがけ地はセットバックすることができません。そこで、そのような敷地が幅員4m未満の二項道路に接している場合には、向かい側の道路端から4mのラインまで一方的に後退する必要があります。これを一方後退といいます。

All About 住宅・不動産「法42条2項道路とセットバック」

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