不動産トピック

不動産に新たなリスク。NYで支払い拒む「家賃スト」

2020年5月12日

5月12日付の朝日新聞朝刊で「NY 家賃拒む『家賃スト』」という記事が掲載されました。記事はリードでは次のように述べています。

新型コロナウイルスの感染拡大で仕事を失い、収入の途絶えた人たちが家賃の支払いを拒む「家賃スト」の動きが、米ニューヨークなどで起きている。行政には支払い免除措置などを求めるが、ハードルは高い。家賃収入が頼りの大家も共倒れの懸念を抱えている。

背景には日本に比べて家賃が高額という、米国の賃貸住宅事情もあるようです。

ハーバード大住宅研究共同センターによると、米国では約4400万人が家を借りており、うち4分の1が収入の半分以上を家賃に充てている。コロナ禍による失業手当の申請者は約3千万人に上っており、今後、家賃の支払いが難しくなる人が増えそうだ。

そういった事情から、家賃の支払いを拒否する「家賃スト」の動きが広がっているようです。ニューヨーク州も強制退去の執行禁止を8月20日まで延長したり、家賃の滞納料徴収も禁じるなど、入居者に寄せた対応をしているようです。

日本にとっても対岸の火事ではない

日本の家賃はアメリカに比べて比較的安く、支出に占める住居費の割合も低いといえそうです。たとえば、消費者価格や知覚犯罪率などをクラウドソースでデータベース化しているサイト「Numbeo」によると、東京都心部の3ベッドルームアパートの1カ月あたり家賃は約32万円。それに対してニューヨークは約71万円。ただし、これは賃貸住宅の価格で、事業用賃貸は日本でも高価になる傾向があります。

すでに休業している中小企業や飲食店などで、家賃の支払いが困難もしくは不可能になる事例もあるといわれています。一部には、それに対する肯定的な意見も見られます。

logmi「DMM亀山会長『借金は返すな、家賃は払うな』  コロナ下の経営者に贈る100年に一度の禁じ手」

上記記事中で、亀山会長は「自粛を求められている中でも、とくに飲食とか観光業とかは辛いよね。緊急融資や給付金の難しい申請手続きをしながら、ジッと耐えるしかないんだけど、このまま収束が長引けばハンパない倒産件数が出る。本当にヤバそうな企業は「禁じ手」を使うのも有りかもしれないね」としたうえで、「批判を恐れずに言えば『借金は返すな、家賃は払うな』ってこと」と、自説を主張します。

会社やお店を存続させようとしたら、そのような判断になる可能性はあります。自社が倒れるか大家が倒れるかを取れ、というトロッコ問題なら、「大家が倒れる」ほうを取りたくなるのは人情。逆に大家としては、一定程度その点に留意する必要がありそうです。

これまで不動産(とくに収益不動産)については、空室リスク、金利上昇リスク、家賃下落リスク、滞納リスクなどのさまざまなリスクがあるといわれてきました。今回のコロナ禍によって、家賃滞納リスクが大幅に高まっているといえます。家賃滞納というより、家賃不払いという動きが日本でも広まったら、中小零細大家さんの立場はかなり厳しくなりそうです。

最後に、大家サイドから家賃減免を批判する記事を書いてちょっと炎上した、やまもといちろうさんのnoteにリンクを貼っておきます。「ポジショントークだ」とも批判された記事ですが、大家さんのポジションからの記事ですから、大家さんにとってはヒントになるかもしれません。

note「こういう難局のために、現預金はある」

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