不動産相続

【完全版】相続した土地の場所がわからない。そんな時の調べ方

2020年4月19日

前回のエントリーでは、おうちのパソコンで所在のわからない土地をサクッと調べる方法を解説しました。

【簡易版】相続した土地の場所がわからない。そんな時の調べ方

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ただし上記の方法は万能というわけではなく、周辺に(少なくとも公図で確認できる範囲に)住宅などが存在することが条件でした。

周辺に何もたっていない土地を探す場合は、市町村役場で航空写真(航空写真付き地積併合図とか重ね合わせ図面など名称はさまざまです)を取得するのが確実です。多くの場合郵送等での取得はできず、窓口での販売のみになります。

実家に帰省するついでにおじいちゃんの土地を確認する、といったノリで、役場で調べ物をしてみるとよいと思います。本エントリーではプロが使う物件調査シートを簡略化した「自分で調べる物件調査」をPDFでダウンロードできますので、それを持って役所に行き、物件調査も済ませてしまうとベターです。

この方法であれば登記簿上の地番さえわかれば所在地を確定できるのですが、逆にいうと正確な地番は必須です。登記簿謄本など、確実な資料を持参してください。

練習問題「名護市運天原839番」

さて、今回は練習問題として「名護市運天原839番」という土地の場所を探してみます。Googleマップにこの地番を入力してみると、例によって下図のようになります。そこで、名護市役所に出向き、航空写真を請求します。

航空写真等は都市計画を担当している部署や、税務を担当している部署が発行してくれることが多いようです。担当部署がわからない場合は受付で尋ねると教えてくれますが、ごくまれに「航空写真って、何ですか?」と言われることがあります。そのような場合は税務課の場所を教えてもらい、その窓口で質問してください。また、発行手数料は市町村によってバラバラで、高くて600円くらい、安くて200円くらいです。

さて、航空写真(航空写真付き地積併合図)は以下のようなものです。

探している「名護市運天原839番」に赤丸を打っていますが、この通り一発で場所が確定できます。ほとんどの市町村で窓口の担当者がパソコンの画面を見せながら「この範囲でいいですか?」などと尋ねてくれるので、縮尺や図取り(地面の位置取り)を相談しながら決めることができます。

地型を見るためにも500分の1くらいの縮尺で図面を出してもらいたいところですが、それだとアプローチ道路が入らないケースも多々あります。できれば500分の1と1500分の1など、複数枚取得できればベストです。

上記図面の縮尺は1500分の1ですが、これは画面右下に県道を入れたかったから。県道が入っていることで、目的土地にどのようにアプローチすればよいのかわかります。これで、物件の所在を特定できました。

ついでに調査する事項

ここから先はちょっと専門的な話になりますので「とりあえず場所がわかればOK! という場合は読み飛ばしてもかまいません。

航空写真を撮らないと場所がわからないくらい人里から離れている土地の場合、住宅を建築できないケースが多いため、役所に行ったついでに最低限の調査をしておくとよいと思います。その土地に建築できるかどうかを左右する最も重要な法律は、都市計画法と建築基準法のふたつです。ここではその他の法律には踏み込まず、都市計画法と建築基準法の観点から「建築可能か?」を調べる手順を紹介します。

まず都市計画について調べる

都市計画によって建築基準法上の接道義務が変わってくる関係から、まずは都市計画区域内か外かを調べに行きます。担当部署には「都市計画課」「土木建築課」などの名称がついていることが多く、その市町村の都市計画を担当しているところです。案内窓口で尋ねるときは「用途地域を確認したい」「都市計画について調べたい」と言ってください。

都市計画区域外の場合、四号建築物については建築確認申請が不要であるため(建築届で建築可能)、建築基準法の接道要件がかなりゆるやかです。都市部であれば市町村道などの道路に間口2m以上接している土地にしか建築できませんが(例外あり)、都市計画区域外の場合はとりあえず道に接していれば建築できます。

都市計画区域内で、市街化調整区域の場合は要注意です。市街化調整区域は市街化を抑制する区域であるため、原則として建築できません。都道府県(または市町村)によって大規模既存集落について緩和する措置をとっている場合がありますので、そういった制度に該当するかどうかを調べてください。

また、平成13年に廃止された既存宅地制度を都道府県(または市町村)レベルで条例によって同様の制度を設けているケースが多く、それに該当しないかも調べます。

建築基準法の接道義務は?

上記を調べたら、次は建築基準法の接道義務について調べます。接道義務とは「幅員4m以上の道路に2m以上接道していないと家を建てられない」というもの。そこで、市町村役場で土地の目の前の道路の種類を確認します。幅員4m以上の都道府県道や市町村道であれば、建築できる可能性が高いと考えられます。

問題は里道(注1)の場合。その市町村に建築主事が設置されていれば同じ庁舎内でその里道が二項道路等に指定されているか調べることができますが、そうでない場合は都道府県庁(土木事務所)に問い合わせる必要があります。この問題については複雑になりますので、別のエントリーで改めて解説します。

注1…里道とは、ざっくりいうと昔の細い道。明治初期に国が道路を国道、県道、里道の3種類に分類した名残です。大正8年に旧道路法が施行されたときに重要な市町村道のみが里道に指定され、市町村の道路台帳に登載されて管理されるようになりました。それ以外のあまり重要でない里道については国有のままとされ、管理も周辺住民等に任され(というか放置され)るようになりました。未登録の里道は多くの市町村で地籍図に赤色で記載されたことから「赤道」と呼ばれることもあります。

以下の記事でも里道について解説しています。参考までに!

「里道」とは何? 買い取れる? 里道に接している土地に建築できる?

この記事では里道について解説しています。里道以外の道路を含めて「建築可能かどうか」を知りたい場合は、以下の記事も参照してください。 参考【接道義務】土地がどんな道路に接していれば建築できるかまとめ H ...

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下記から「自分で調べる物件調査」をダウンロードできます。

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