不動産トピック

「積水ハウス人事混迷」報道と地面師の話

2020年4月11日

4月11日の朝日新聞朝刊に「積水ハウス 人事混迷」という記事が掲載されていました。奇しくもうちは、自分と家内の実家がいずれも積水ハウス。お買い得感はないけれど品質は高く、築古であってもしっかりしている物件が多いといわれています。そんな積水ハウスで、どうして内紛が起きているのでしょうか?

積水ハウスの内紛は、55億円を詐欺グループにだまし取られた17年の「地面師事件」がきっかけ。社内調査報告書は、詐欺を警告する情報を無視したことなどについて、阿部氏(当時社長)を「重い責任がある」と批判したが、阿部氏の解任に失敗した和田氏(当時会長)が事実上の解任に追い込まれた。その和田氏が今年2月、現役の専務と組んで株主提案を出した。

2017年に積水ハウスが地面師の被害に遭ったときは、不動産業界に激震が走りました。それがいまだに尾を引いて、会社内に軋轢を生じさせているわけです。

地面師とは何か?

ざっくりいうと、他人の地面(土地)を売りつける詐欺師という意味。主に高額となる都心部の土地の所有者になりすまして、売買代金をだまし取る手口です。手法はさまざまですが、億単位(あるいは数十億単位)の詐欺ですから、大がかりな仕掛けや舞台を用意して、被害者に信用させることが多いようです。

積水ハウスがだまされた詐欺事件では、55億5000万円を詐取するために数億円の資金を用意して臨んだといわれています。主犯格の人物は「平和財団」などを名乗る事務所を用意し、何人もの人物を配置して不動産取引を演出したとされています。

積水ハウスの地面師事件の舞台となったのは東京都品川区西五反田2丁目の旅館「海喜館」跡地。所有者を名乗る男性は偽造パスポートや偽造印鑑証明書を用意し、積水ハウス側を欺罔していきました。

なぜ積水ハウス経営陣の責任が問われているの?

実は同じ詐欺グループに土地購入を持ちかけられた別の会社は、パスポートの写真を近所の住民に見せて「本人ではない」という確認を行っていたため、だまされずにすんだという報道があります。積水ハウス側はこういった確認を怠り、その結果地面師にだまされたようです。そういった脇の甘さが追求されているのではないかと思います。

我々が地面師にだまされる可能性は?

一般庶民が地面師にだまされるかというと、可能性は低そうです。ここまでみてきたように地面師の準備は大がかりになりますし、捕まったときのリスクも大きいので、低価格の取引では割が合わないためです。

しかし、地面師とは違う別の詐欺には用心したいところです。たとえば悪徳な不動産業者が住宅の欠陥を知りながら、それを隠して販売するようなケースは散見されます。法令上の制限で建て替えが困難なのに、それを黙って売るようなケースもあるでしょう。そういった詐欺(もしくは詐欺的な売り方)は、価格帯が低い物件に多いような気がします。安い物件には何か問題があるケースが多いからではないかと思います。

格安物件でも、詐欺には注意しましょう。

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