リフォームとメンテ

【悲報】防音カーテンはほとんど効果なし。実際にピアノ室で使ってみた結果はマイナス2db!

2020年4月5日

https://realestate-mag.com

「防音カーテン」等で検索すると大半が防音カーテン・遮音カーテンを売るための記事です。そういったサイトで防音カーテンを注文し、実際使ってみたところ、体感できる効果は得らませんでした。そのため、辛口の評価となっています。

また、本記事の結論が間違っていたら困ると考えて、防音カーテンに関する論文を探してみました。すると、研究論文の結論でも防音カーテンによる効果はせいぜいマイナス1~5デシベルに過ぎないと確認できました。

フドマガ
私の実測で-2デシベルなので、論文の結論と一致しています。

結論は?

というわけで、結論を先に書いておきます。防音カーテンでピアノの防音はできません。

この記事では、

  1. 60万円で25デシベル落とした防音工事
  2. 防音カーテンは2デシベルしか落とせない!
  3. スーパーミラクルソフトGPでマイナス10デシベル

という、防音工事とピアノ防音に関する試行錯誤をレポートします。

60万円の防音工事で25デシベルほどダウンに成功

昭和54年築で非常に古いアルミサッシが付いている我が家で、ピアノが弾けるように防音工事を行いました。

いつもお世話になっている大工さん(TOMY建築工房さん)のアドバイスに基づき「断熱材二重張りと内窓(インプラス)で、格安に防音工事してしまう」というプランで施工。下の間取り図のように工事を行いました。

他の部分のリフォームと同時に施工しましたが、ピアノ室(音楽教室)の防音に関しては約60万円で工事が完了しています。

項目単価金額(税抜)
床材・断熱材・遮音シート ¥176,200
遮音ドア ¥40,720
インプラス腰窓 ¥25,440
インプラスはきだし窓 ¥59,724
インプラス間仕切り窓 ¥63,840
施工費 ¥160,000
合計¥525,924
税込¥578,516

この表には、壁紙(クロス)の施工費と床の補強代金は含まれていません。別途工事するとしたら20~30万円くらいではないかと思います。

床の補強が不要でクロスをDIYで施工してしまえば、本当に約60万円で防音工事ができてしまいます。クロスを職人さんに貼ってもらったとしても、70万円あればこれくらいの工事が可能です。

防音はどこまでできればOKなのか? 大阪府の条例では?

このピアノ室の防音工事の目的は、主に日中、ピアノを気兼ねなく弾ける環境に改装すること。しかし「音」に関する問題は、人それぞれの感覚が違います。とすると、その基準はどう決めるべきなのか?

感覚だけで決めるわけにいかないので、公的機関・行政の指針を探しました。すると、大阪府が条例に定めていることがわかりました。

府民は、日常生活に伴って発生する騒音により周辺の生活環境を損なうことのないよう配慮しなければならない。(大阪府生活環境の保全等に関する条例第102条)

このようにふんわりとした規定なので判断が難しいですが、大阪府のサイトで補足的に解説を加えていますので、それがひとつの目安になりそうです。

大阪府「生活騒音について」

上記の記事によると、昼間の戸建住宅地や図書館の騒音レベルは40dbくらい。昼間の高層住宅街で50dbくらい。夜間はそれより若干低めということになるようです。

そこで、およそ90dbくらいのピアノの音を建物の外で半減させることを目標としました。

目標値は敷地境界で45デシベル前後!

防音カーテンを設置する前の状況は?

上記は我が家の敷地と建物、ピアノ室などの位置関係。③の敷地境界で45デシベルが目標ですが、結果は以下のようになりました。

  1. ピアノ横 95db
  2. 窓の外 65db
  3. 敷地境界 47.5db

大阪府のサイトにある「騒音の目安」によれば、美術館の館内くらいの騒音レベルです。道路に出てしまうと40dbを少し下回るため、日中であれば合格レベルといえそうです。

ポイント

60万円の防音工事でも、日中気兼ねなくピアノを弾けるレベルは実現可能。

夜間練習が必要に!防音カーテンを購入するも大失敗

ところがうちの家内(ピアノ講師)が忙しくなってきたため、夜間も練習できる環境を整える必要が出てきました。

上記の大阪府による「騒音の目安」では、夜間の戸建て住宅地の騒音レベルは35~40デシベルの間くらい。あと10デシベル下げると理想的です。

10dbダウンに挑戦するため防音カーテンを購入!

ネットの記述を頼りにさまざまな商品を検討し「本格派の防音カーテン」というキャッチがつけられた、防音遮光オーダーカーテンを発注してみました。「防音カーテンには10dbほど効果がある」と説明するサイトもあったので、それが本当なら深夜のピアノ練習がしやすくなるはずです。

結論は?

しかし、効果はあまり感じられませんでした。防音カーテンをすすめているサイトは何か利害関係があってそうしているのだろうと考えています。少なくとも「ピアノの音を外に漏らさない」という効果はほとんどありませんでした。

注文したのは、はき出し窓用が13,500円、腰窓用が9,000円(いずれも税込)の製品です。合計投資額は22,500円。ウェブの記載を見ながらサイズをオーダーし、窓より少し大きめで、開口部をしっかり覆える製品が到着!

サンコーの騒音計で2dbの差…

とりあえず、ピアノ室でミシェル・カミロ風の激しいめの曲を弾いてもらい、室内と室外で聞き比べてみました。その結果、体感できる効果はなし! この時点でちょっと「買わなければよかったかな?」という感想がよぎりましたが、気を取り直してサンコーの安い簡易騒音計を取り出して、計測してみました。

ピアノの真横ではかると、96.8db。

カーテンをせずに窓の外ではかると67.3db

一方、カーテンを閉めた状態ではかると65.2dbでした。

防音カーテンなし67.3db
防音カーテンあり65.2db

その差約2db。体感できない……。

遮音カーテン、防音カーテンに効果あり! とうたっている記事は、だいたい広告リンクを貼っています。そこから、広告収入目当てに記事を制作している可能性が拭えず、あまり信用しない方がよさそうです。今回このカーテンをチョイスした際もそのような広告を貼っている記事を参考にしました。

実は当サイトで広告を貼る場合、実際使ってみてよかった物や、経験上勧めてもよい物だけにリンクしています。

なので、大丈夫だろう……と思って注文したのですが、残念な結果に終わりました。

というわけで、「防音カーテン、遮音カーテンはあまりおすすめできません」という結論をお伝えしておきます。下の騒音計は実際使ってみましたが、値段の割にちゃんとそれらしき数値が出ています。iPhoneアプリの騒音計よりかなりしっかりしていますので、買って「失敗した」と感じることはありません。

とはいえ、うちでは防音工事が一段落して以降使っていないので、あえて買う必要があるかは微妙ですが……。

高音域に効果ありという誤解

よく防音カーテンの販売サイトに書かれている「防音・遮音カーテンは高音域に効果が高いので、ピアノの防音に適している」という誤解(またはウソ)について指摘しておきます。

ピアノは7オクターブ以上という音域をもち、高音域だけ下げても意味はありません。また打弦楽器なので高音域にむしろ弱く、ピアノの歴史を通じて「どうやったら高音域を出せるのか」を試行錯誤してきた経緯があります。

高音域だけ防音しても意味がない=体感できない、ということだと判断しています。

論文に見る「防音カーテンの効果」は1~5デシベル

防音カーテンに関する研究論文を検索してみたところ、あまり新しい物はヒットしませんでした。1984年の『繊維機械学会誌』に発表された岡樹生氏の論文は、このテーマをズバリ研究したものだったので、かなり古いですが引用しておきます。

まず、カーテンの遮音性能について、岡氏はこのように記述しています。

遮音性能を、カーテン自体に要求するのは酷である。しかしこれも吸音と同様に、カーテンと窓ガラスを一体化することによって、ある程度の遮音効果が得られる……。

つまり、ある程度の遮音効果はあるものの、カーテンにそれほど大きな遮音性・防音性を要求することはできないということです。

では、どれくらいの遮音性があるのでしょうか? これも同じ1984年の論文ですが、米沢房雄氏は次のような結論を出しています。

その結果(中略)遮音性能は、サッシのみの性能と比較して、全周波数に渡って1dBから5dB程度の効果をもたらしていることがわかった。

古いとはいえ論文に書かれたことですから、それなりに信じられる内容だと思います。

ポイント

研究論文によると、カーテンに過度な防音性能を求めるのは無理があります。実際の性能はマイナス1~5デシベル程度。

ということで、アップライト合同会社のピアノ室における実測値と、論文の結論はおおむね一致しています。ここからも、防音カーテンにはそれほどの効果を期待できないと結論づけてよいでしょう。

結局、ピアノの音を10db下げてくれたのはこのアイテム!

遮音カーテンに懲りたため、その後の防音・遮音アイテム選びは慎重に行いました。いろいろな記事を検討した結果、グランドピアノ専用の防音装置「スーパーミラクルソフトGP」を購入してみたのですが、こちらは正解でした。

参考【ピアノ防音】遮音カーテンは効果薄、ピアノ用防音装置ミラクルソフトGPはおすすめ!

詳しくは上(↑)にリンクした記事でご確認いただけます。また、ミラクルソフトGPは以下のような商品です。公式アナウンスではピアノの音を15~18db軽減するとされており、ウチでは10db削減してくれました。装着方法を細かく見直したら、おそらくもう少し落とせると思います。

  1. ピアノ横 84db
  2. 窓の外(カーテンあり)57db
  3. 敷地境界 42db

今回の測定では、なぜか②窓の外と③敷地境界で15デシベルしか違っていませんでしたが(測定条件により20デシベル下がる場合がありました)、敷地の外に出ると40デシベルをわずかに下回っていたので、目標数値は達成されていると思います。

フドマガ
意外と敷地境界付近まで音が到達していたのは、弾いている曲による違いかもしれません。曲のジャンルはラテンジャズ系で統一していたのですが、思ったより曲によって違う印象でした。

いずれにしても、10db落とせるとかなり違うので、この結果は満足できました。

マンションなら電子ピアノを選ぶ方が確実

このサイトを作っているアップライト合同会社ではピアノ教室も運営しています。教室では、マンションの場合は電子ピアノをおすすめする場合が多いです。

生徒さんから「どの電子ピアノがよいでしょう」と尋ねられる事が多いので、昨年末、教室の講師が島村楽器イオンモール和歌山店さんに協力して頂き、店頭の電子ピアノをすべて試奏させてもらいました。

その結果、ローランドが優秀! と判定しています。詳しくは以下の記事でご確認ください。


ちなみに、ミッシェル・カミロはこんな方です。

参考文献

岡樹生(1984)『カーテン・カーペットの音響特性と熱特性』(繊維工学 Vol.37, No.7)
米沢房雄(1984)『カーテンの音響性能』(建材試験情報 Vol.20,3)

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