不動産売却

【まとめ】一戸建て売却と仲介業者選びのポイント

2020年3月19日

この記事では主に売買の仲介を解説し、補足的に賃貸の仲介を解説します。

不動産仲介とは、買主と売主(または貸主と借主)の間に入り、売買契約や賃貸契約を成立させることをいいます。

共同仲介と単独仲介

日本では1社の仲介業者が売主と買主(貸主と借主)の双方の間に入ることも認められます。

1社のみで売主と買主双方の仲介を行うことを単独仲介といい、売主側の業者と買主側の業者(2社)が介入する形態を共同仲介といいます。

仲介(媒介)の種類

法律(宅地建物取引業法)の用語では、仲介のことを「媒介」といいます。媒介契約には3つの類型があります。

類型複数社との契約自分で買手を見つけることレインズ登録
専属専任媒介不可不可必須
専任媒介不可可能必須
一般媒介可能可能任意

このほかに「代理」という取引態様がありますが、一般的ではないので、ここでは割愛します。

上記のうち、専属専任媒介はエンドユーザーにメリットが少ないのでおすすめしません。選択すべきなのは専任媒介か、一般媒介ということのになりますが、原則として一般媒介を選ぶのがおすすめです。とくに、専任媒介を締結した場合の囲い込み行為には注意してください。

参考不動産の囲い込み行為と防止方法【対策できます】

ただし、問題のある不動産を売却する場合のみ、専任媒介にしておく方がよいでしょう。

専任媒介を選ぶのはどんなとき?

専任媒介を選ぶのはどんなとき?

ざっくりいうと、本腰を入れて解決しないと売れない(あるいは売れても価格が安くなってしまう)物件は専任媒介のほうが向いています。

たとえば登記名義人が亡くなってから長い年月が経過しており、その間に数次相続があったため、相続人の人数がよくわからないような場合。意外とよくあるのですが、こういうケースの場合は一般媒介で仲介を依頼しても物事が進みません。たとえばA社、B社、C社という3社の不動産会社が仲介に入るとして、それぞれの業者の立場で考えてみましょう。

不動産業者A
こんなめんどくさいことを解決しても、自社で成約できるか分からない。だったら、B社かC社が問題を解決するまでほっておこう

A社は上記のように考えるはずです。そしてB社、C社も同じです。

他にも「建物の一部が他人地に越境している(またはその逆に越境されている)」「お隣と境界の位置について争いがある」「建築基準法上の道路に接していない(接道がない)」などなど、様々な問題を抱えている物件をしばしば目にします。

こうったケースでは、専任媒介で1社に仲介依頼をして、その会社に「責任を持って問題を解決して売却してほしい」とお願いするのがよいでしょう。その際「どの会社に依頼するか」というのはかなり重大な問題になってきます。

「これが正解」という方法はありませんが、一括査定サイトを複数利用して、相当たくさんの不動産業者と話をしてみるくらいの気合いが必要になると思います。難物件の仲介業者選びは、慎重の上にも慎重に!

なお、不動産の一括査定については以下の記事で詳しく解説しています。

参考【不動産一括査定】デメリットと、それを回避する利用方法

片手仲介と両手仲介

不動産仲介にからんでささやかれる「片手」「両手」といった用語は何を意味するのでしょうか? 手数料を売主または買主の片方から受領する形態を「片手」または「片手仲介」といいます。

それに対して、売主と買主の両方から受領する形態を「両手」または「両手仲介」といいます。

冒頭に掲載した「単独仲介」と「共同仲介」の図に、手数料の額を書き加えてみましょう

たとえば3000万円の一戸建て住宅の売買が成立した場合、売主または買主のそれぞれから受領できる金額は96万円+税です(注1)。すると……

共同仲介では、仲介業者は売主または買主の、いずれかからしか仲介手数料をもらえません。その金額は96万円+税ということになります。「片方から仲介手数料をもらう」形態なので、「片手」と呼びます。

一方、単独仲介では売主・買主双方から仲介手数料をもらえるので、仲介手数料が192万円になります。売主買主の「両方から仲介手数料をもらう」形態なので、「両手」と呼びます。

両手仲介では片手仲介の2倍の仲介手数料をもらえることから、仲介会社としては、収益を最大化することができます。両手仲介の方が、仲介会社によって都合がよいことは間違いありません。

ここでよく誤解されるのは「両手仲介そのものが悪いことだ」という論点。実は両手仲介が悪いわけではありません。悪意のある両手仲介が悪い、ということです。この点については、下記のエントリーを参照してください。

参考「両手仲介は悪いこと?」ピント外れな議論に終止符を打つ

また、(専属)専任媒介契約を悪用して強引に両手仲介にもっていく囲い込み行為については、以下の記事で解説しています。

参考不動産の囲い込み行為と防止方法【対策できます】

仲介依頼の際に注意すること

売買の場合(特に不動産を売却する場合)は、媒介(仲介)契約の類型を理解し、一般媒介を念頭においておくこと。これだけで囲い込み行為にあう危険性は激減します。

また、仲介には両手仲介と片手仲介がある、ということを一応頭に入れておくとよいでしょう。ただし、両手仲介が必ず悪いということはなく、囲い込み行為をしない前提で「両手で決める」勢いでがんばってもらうのがよいと思います。

一般媒介で他社と切磋琢磨しながら「うちが両手で決める!」というつもりでがんばってもらえるなら、それが一番心強い状況といえるでしょう。

また広告の出し方としては、現在はほぼネット広告が中心になります。しかもモバイル(スマホ)で見ている人が大半です。高額取引となる売買物件の広告でも、60〜70%はモバイルで閲覧されていますし、賃貸であればその割合はさらに高いでしょう。そのあたりを理解して、しっかりエンドユーザーに訴求できている不動産屋を選ぶべきといえるでしょう。ネットに強いことは、もはや不動産屋として必須の要件です。

現地看板もそれなりに反響がありますが、もはやメインの広告方法ではあり得ません。また、雑誌や新聞広告は反響が薄く、とくにコストメリットがないので、あまり考えなくてもよいでしょう。

注1……法令で定められた仲介手数料の上限は以下の通りです。

取引額報酬額の上限(税別)
取引額200万円以下取引額の5%
取引額200万円を超え400万円以下取引額の4%
取引額400万円を超える金額取引額の3%
HIDE
ただし、現在では400万円以下の物件であっても、売主からは一律税抜き18万円の仲介手数料を受領することが可能です。一般的には売主からは18万円がデフォルトとなりつつあります。

賃貸にもある共同仲介と単独仲介

賃貸にもある共同仲介と単独仲介

賃貸物件の仲介業務は、売買の場合と様子が異なっています。賃貸物件の仲介において、キープレイヤーは賃貸管理業者です。賃貸管理業者は月々の家賃収納や物件管理を行い、空室ができたら入居者を募集します。

宅地建物取引業法および関係法令により、賃貸物件の仲介手数料は、上限を1か月と決められています。

ただし、この1か月の内訳は、入居者から0.5か月、大家から0.5か月が本則です。このあたりの事情については、以下のエントリーで解説しています。

【不都合な真実】不動産賃貸の手数料は本来家賃の0.5カ月分

本エントリーは音声でも聴取できます。 1月中旬、東急リバブルが上告を棄却されたと報じられました(東京高等裁判所)。これは、どういうことでしょうか? 不動産賃貸の仲介手数料は、本来賃料の1カ月分ではなく ...

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賃貸の場合も、共同仲介であれば賃貸管理会社の物件に他社(客付け業者とよばれます)が入居者をつけます。単独仲介の場合は、賃貸管理会社が入居者をつけます。いずれの場合も仲介手数料の上限は家賃の1か月分ですから、共同仲介となると、仲介会社の取り分はかなり少なくなる場合があります。


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