不動産活用

【非公開物件】ネットにない物件は本当に見つかるの?

2020年3月16日

ネットに載っていない情報が欲しいんですよ
お客さん

不動産屋をやっているとたまに言われます。しかし、ネットに載っていない情報とは何でしょうか? 答えは……

存在しないわけではありませんが、そのほとんどは微妙な物件……。

という感じです。

1.それ非公開物件じゃないでしょ

まずは、インチキ非公開物件について説明しておきましょう。

こんな感じの会員登録画面、見たことはありませんか? ありますよね。このような業者がいう非公開物件(サイトによっては未公開物件)は、実は非公開物件ではありません。その裏事情を説明するには、不動産仲介の仕組みから説明する必要がありそうです。

仲介物件が少なくて売る物件に困っている業者は、物件をたくさん持っている業者に「お宅の物件売らせてください(広告させてください)」とお願いすることがあります。この時に「広告掲載承諾書」などを送り、押印してから送り返してもらうのが一般的です。承諾をもらえれば広告できますね。

ところが物元業者から「ネットには載せないでください」といわれることがよくあります。こうなると困ってしまうのです。それを何とかするために編み出された手法が「会員登録」です。ネット広告不可物件は、会員しか見られないようにしておけばよいのです。そうすれば、ネット掲載の承諾が得られなくても「広告してません」なんていう顔をしていればわかりません。

会員登録して見られる非公開物件とは? それは非公開物件ではありません。単なる他社の物件です。

というわけで、「非公開物件142件!」みたいなあやしいヤツにはだまされないようにしましょう。それはインチキ非公開物件だからです。

2.レインズにしか載っていない物件

レインズとは、公益財団法人不動産流通推進センターによれば、

REAL ESTATE INFORMATION NETWORK SYSTEM(不動産流通標準情報システム)の略称で、建設省及び当センターが共同で開発し、建設大臣から指定を受けた全国4個所の不動産流通機構が運営している不動産情報交換のためのコンピュータ・ネットワーク・オンラインシステムです。

ということになります。ものすごく簡単にいうと、専任媒介・専属専任媒介契約をもらった物件は登録が義務付けられているデータベースで、不動産屋だけが見られる業界専用サイトです。一般媒介の物件はレインズへの登録義務がありませんが、そこそこ登録はされているようです。

このレインズを丹念に見ていると「あれ? この物件広告されてないじゃん」というのをちょくちょく目撃します。その中によさそうなのがあれば、当然突撃してみます。以下の物件はレインズを頼りに場所を特定し(特定しづらい書き方の物件も存在します)、現地を下見して、自ら物件調査を行ったうえで業者に電話して内覧させてもらいました。

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こういうタイプの物件であればご紹介することも可能です。ただ、レインズにしか載っていない良物件は、ライバルが一般人ではなく不動産屋ということになります。即座に決断しないと買えない場合も多いかと思います。そもそもこういう物件は、非公開物件というより、単に「積極的に広告されていない物件」というほうが正確ですが……。

3.売主がネットに載せるのを嫌がっている物件

近所の人に知られたくないから、ネットで広告するのはやめてくれるかなー?
お客さん

こう言われることは時々よくあります。統計を取ったことはないですが、数十件に1件くらいは「ネットに載せないで」と言われます。ただし、この手の非公開物件が良物件なのかというと、むしろ逆のような気がします。

「ネットに載せないで」という売主さんは、どちらかというと売却を急いでいません。なので、特にお買い得な価格をつけるケースは少ないです。

物件が安く売り出される理由はなんでしょうか?

HIDE
逆に、物件が安く売り出される理由を考えるとわかりやすいです。
  1. 売主が売り急いでいる
  2. 上記を通り越して差し押さえられている
  3. 細かいことを気にせず「安くていいよ」と考えている

物件が安く繰り出される理由は、一般に上記のような感じだと思うのです。上記の①から③のいずれのケースでも「ネットに載せないで」とは言いません。むしろネットに載せて早く売り切らないとまずい状況です。

ネットに載せないでという非合理的な売却方法を指定してくる売主は、値段も高く売れ、という傾向が強いといえます。なので、非公開物件=格安良物件というのは幻想に近いと思います。

HIDE
ただし、物件種別によってはお買い得かお買い得でないかに関わらず、非公開で売却する率が高いことがあります。たとえば稼働中のホテルなどは非公開指定がつくことが多いです。

売主が広告したがらない物件、というのも少しだけ存在します。でも、そういう物件はお買い度が低い傾向があります。

なので、こういう物件には期待できません。

4.物件調査が終わっていない

これもちょいちょいあります。たとえば私が経営していた沖縄かりゆし不動産はリゾート向けの大規模な土地などを多く扱っていたので、物件調査に時間がかかります。物調が終わっていない、けどお客さんがいたら案内したい……そんな時「未公開の物件があるんですが、見てみますか?」と振ってみたりします。

HIDE
たとえば上の写真は都市計画法上非線引き区域にあり、自然公園法第2種特別地域に該当し、接道は市道なのに一部幅員が4mを切っています。面積は7000坪ほど。これを調査するには相当な日数がかかります。

ただ、普通の街中の一戸建てであれば、物調はすぐ終わります。物調が終わっていない未公開状態なんて、たぶん1日か2日じゃないかなぁと思います。

あとは類似のケースとして、相続登記未了(相続人が一部見つかっていないとか)、境界に紛争があり調整中、ご主人と奥さんで価格についてもめている、遠方の売主で媒介契約書をなかなか送り返してこない……などがあります。でも、いずれもすぐに公開されるので、非公開物件というより、未公開物件ですね。

というわけで、非公開物件に過度な期待は禁物です。

たとえば、最近「あんたプロならこの物件買ってみるか!?」と紹介された非公開物件は、かなりの難物でした。登記名義人が亡くなっており、相続人は十数名いる状況で、そのうちのかなりの部分と連絡がついていません。その状態で、相続人の一人が「それでも売りたい」と持ち込んだ案件だそうです。

分厚い戸籍謄本の束を見せられましたが、危険なかおりがプンプンしたので購入は見送りました。こういうのが調査が終わっていない物件です。調査が終わり、相続人全員の売却意思が確認できたら、普通の物件として正常な流通に乗るだろうと思います。

5.レインズにしか載っていない物件(再考)

(2020年7月20日追記)

最近見かけた「レインズにしか載っていない物件」の一例。たとえば以下のページで物件調査例として紹介している、価格10万円の土地。その時点で大阪府下で最も安い宅地でしたが、これはレインズにしか載っていませんでした。

再建築可能にする道路調査!10万円の土地を題材に解説

最近よくfacebookなどで広告を見かける「再建築不可物件投資セミナー」。ちょっと気になるタイトルです。再建築不可物件を建築可能にする、法の抜け道はありませんが、法律の知識があればなんとかできる再建 ...

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この10万円の土地は、あっという間に売れてしまったようなので、買ったのはプロだと思います。

レインズを毎日眺めていると、ごくたまにこんな物件にお目にかかります。そういうのは不動産屋の楽しみでもあり、おそらくお客さんに紹介することは少ないと思います。私が紹介するとしたら、かなり仲のいいお客さん限定になってしまいます。

こういう物件を買うとしたら、まず不動産屋と友達になるところから始める必要がありそうです。

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