不動産活用

不動産購入で「今決めないと他の人に買われてしまいますよ」は、たぶんウソ

2020年1月12日

不動産を購入しようと検討しており、いよいよ大詰めとなったとき、仲介業者の営業マンが「他にもこの物件を検討している方がいます。今決断しないと、別の方に買われてしまいますよ」と畳みかけるケースがあるそうです。

本当でしょうか?

さまざまな角度から、「今決めないと買えないのか」問題を検証します。

前提として私なら言わない

まず大前提として、僕が経営してきた沖縄かりゆし不動産では、自分自身を含め誰もそんな営業トークは口にしたことがありません。理由はふたつあります。

①うさんくさい
②仲介業者の利益的にどっちでもいい

そんなところです。まず①については、多くの人が感じると思います。「この不動産屋、決断を急かそうとしてるよね」と思えますから、あまり感じがよくありません。②については、不動産屋(仲介業者)のビジネスモデルを考えればわかりますよね。別に誰が買っても、仲介手数料は同じです。急かして決めさせる必要はなく、「他にもこの物件を検討している方がいる」なら、その人が買えばいいわけで、正直どっちでもいいわけです。不動産購入は縁ですから、「買おう」と決断したときが買い時なので、ウチでは急かすことはしていません。

というわけで、不動産屋の利益的にはどっちでもいいはずなのに、あえて「今決めないと他の人に買われてしまいますよ」と言っているなら、ウソじゃないかと思えてくるわけです。

しかし、他に検討している人はいるかも?

業界では有名な話ですが、物件に購入申込みが入る時は、えてして複数人の申込みが重なります。不思議なのですが、1年も2年も売れずに残っていた物件に「やっと申込みが入った!」という場合、立て続けに2件、3件と申込みが入る事があります。1年以上問い合わせさえなかった物件が、急に人気物件になるのはなぜでしょうか?

実は、その理由はよくわかっていません。

ただ、個人的に推測している理由はいくつかあります。たとえば、時代の潮目が変わったようなタイミング。那覇市西というエリアは交通の便がよいのですが、ハザードマップによると高潮や津波で水没しがちな土地柄です。東日本大震災直後にはその点が嫌われて、ずいぶん安くなったのですが、数年たって人々が津波の恐怖を忘れたころ、また値段があがっていきました。こういう潮目が変わるタイミングで、不人気物件が人気物件になってしまい、申込みが重なるという事があります。

あるいは、郊外の物件数が少ないエリアで、周辺の良物件が売れ尽くしたケース。これまで目立たなかった物件が、繰り上げ当選的に上位に浮上し、魅力的に見える……。そういうこともよくあります。そうすると「すわ、買わねば」という事になり、申込みが集中するわけです。

いずれにせよ、不人気物件であっても、売れるタイミングでは魅力を放っているものです。そう考えると、自分以外にも購入を考えるライバルの存在は想定すべきでしょう。

ではライバルと競争すべき?

不動産購入は自分との対話です。建物であれば、基礎はしっかりしているか? 床や壁に傾きはないか? 駅からの距離は許容範囲か? 周辺環境に納得できるか? ……などなど、自分の条件に適合しているかどうかを確認し、OKと思えた時に購入を決断すべきです。

ライバルがいたとしても、気にしないほうがよいでしょう。ライバルに先を越されたら、それは縁がなかったというだけです。気にせずその物件は流しましょう。日本には6000万戸以上の空き家があるのですから、次の物件はきっと見つかります。

たとえ不動産営業マンに「今決めないと他の人に買われてしまいますよ」と言われても、それを理由に購入を決断すべきではありません。そして、本当に「他の人」がいた場合でも、無理に決めるべきではないと思います。

-不動産活用
-,

© 2020 fudomaga | 不動産マガジン