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ホリエモンの苦言は当然? 不動産わかったつもり現象

2020年1月5日

かぼちゃの馬車事件でも、騙された人には医師や有名企業に勤めるサラリーマンが多く含まれていたと報道されています。なぜ、一見しっかりした人が、不動産投資のうまい話に乗せられてしまうのか?

ホリエモンチャンネルのPR企画なのに広告主をぶった切っている以下の動画で、堀江貴文氏もこのように疑問を呈しています。

俺いちばん不思議なのは、要はこれ(『大阪ワンルームマンション投資術』というタイトルの本)買って投資する人って、投資の素人なわけじゃん。そんなやつらがプロでもわからない将来予測をできるわけなくない? (中略)普通の、投資の何の知識もないくせに、なんか俺は勝てると思ってる人が多いのが不思議なんすよ。何か自分が得意な分野で何かをやるっていうならわかるんですけど、得意でもない分野で、なんか「不動産だったら勝てる」と思ってるところがおもしろいなと。

不動産コンサルなんて必要ない?

先日知人と話をしていて、私が購入不動産を検討するときの手順を話したところ「それを教えるコンサルをやったら?」と言われました。いや、単にプロならみんなやってるようなことです。

まず、一戸建てであればすぐに建物内に入ることはなく、僕はまず外観をチェックします。「境界トラブルが心配だから……」と言いながら境界をやたら気にする業者もいますが、そこはこの時点ではあまり細かく見ません。どちらかというと擁壁や基礎を見て、上下水の配管経路を見て、接道部分もチェックします。このあたりは致命的な問題になり得るところだからです。境界は、確かに不動産で最もトラブルが多いポイントですが、実は解決できるケースも多いため、現地確認時の優先順位はやや低くなります。

仕事でいくつもの不動産を購入していると、このように致命的な部分を優先して見るようになります。

そんな話から「それを教えるコンサルをやったら?」という発言につながったのです。でも、僕は、そのコンサルはハヤらないだろうと思います。なぜなら堀江さんが言うように、不動産のことはわかった気になっている人がとても多いからです。

不動産屋に講釈を垂れる

私自身の自宅を購入したとき、内見したものの候補から外した中古住宅がありました。案内してくれた不動産屋さんと、建物について話をしながら2階にあがり窓と雨戸を開けていたときのこと。

「こないだ案内したお客さんに『こうやってスムーズに窓が開くかどうかを見ると、建物に傾きやひずみがないかわかるんだ』と言われましたよ(笑)」と、その業者さんが笑っていました。

特に確認したわけではありませんが、私にはその(笑)の意味はわかりました。建物の窓は全体的にスムーズに動きましたが、床がほんの少し北側に傾いていたのです。一度内見しただけなので確かなことはいえませんが、建物全体ではなく玄関とその隣の部屋あたりの地盤が少し沈下しており、そのせいで建物の北側半分くらいが傾いているように見えました。いわゆる不同沈下です。

(写真はイメージです)

私は建物に入る前に、基礎を見ながらぐるりと周囲を一周していたので、北側の基礎にクラックが多いことを確認してから室内に入りました。ですから玄関をくぐってすぐ隣の部屋に入り(8畳くらいの洋間でした)、床の傾きを確認したのです。

不動産屋さんに講釈を垂れたという、くだんのお客さんは、この傾きについて気づかなかったようです。いろんな建物をリフォームしていると、窓がスムーズに開くかどうかは、建物の傾きに関係ないことも多く、サッシがひずんだり動きにくくなる原因はいろいろだとわかります。ですが、そういった点を知らずに、ただ窓の動きがスムーズかどうかで建物のコンディションを判断するのは、けっこう危険ではないかと思います。

このように、不動産についてわかった気になっている人が多いため、私は不動産の購入アドバイスをするコンサルというのは、ハヤらないんじゃないかと思っているのです。だって、不動産屋に講釈をたれるくらいですから、私たちの話を聞いてくれないと思うのです。

そういえば聞かれたことがない

私に限らず、多くの不動産屋は聞かれれば本当のことを答えます(重いノルマに追われているバリバリの不動産営業マンとかはわかりません)。とくに、売主から直接仲介依頼を受けている物件がたくさんある不動産屋は(以前経営していた沖縄かりゆし不動産はそうでした)、お客さんに対して正直に情報を開示することができます。

しかし、数え切れないくらいたくさんの人を案内して「不動産を選ぶときにはどういう風にしたらいいのですか?」というストレートな質問はほとんど受けたことがありません。

細かいことをあれこれ聞いてくる人はたくさんいます。案外多いのは「固定資産税は?」という質問。そんなの最後でいいのですが、なぜか最初から聞いてきます。また、多くの不動産解説サイトで「建物内部の壁の浮きやクロスのはがれをチェックしよう」と書いてあるので、そういう点をこまごま見る人もいました(あまり意味ないです)。

他にも、たくさんの枝葉末節に類することを聞かれましたが、なぜか「不動産選びのポイントを教えてください」というような質問はありませんでした。もし聞かれたら、上述したようなことを説明しただろうと思います。

理論武装で不動産屋に勝てるか?

不動産屋にだまされないように理論武装をしてから、物件内覧に臨もう、という人も多いようです。しかし、何年も不動産屋をやっている人に対抗できる理論武装には、たぶん何年かかかるはずです。

堀江さんと同じく、私も「不動産はわかっている」と思う人が多いことに、かなり疑問を感じています。必要であればコンサルくらいぜんぜんつとめる気はあるのですが……。

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