不動産売却

自分でできる不動産査定。自宅や土地の大まかな値段を出す方法

2019年12月12日

2020年3月23日追記。下記エントリーでファイルメーカー(FileMaker Pro)を利用した査定方法を解説しました。ファイルメーカーをお持ちであれば、そちらを利用したほうが簡単に概算査定が出せるかもしれません。

日本中のあらゆる土地の価格を、ざっくり査定できるファイルを公開

本エントリーで配布しているファイルは暫定版で、今後改良したファイルまたはアプリケーション化したものを再配布予定です。 沖縄かりゆし不動産時代は商圏がかなり広く(沖縄本島全域)「このエリア初めて査定する ...

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不動産は業者とユーザーの情報非対称性が大きいジャンルといわれます。つまり情報を不動産業者が独占し、一般ユーザーはなかなか太刀打ちできない……。というわけでした。

「でした」と過去形にしているのには理由があります。堀江貴文さんも「情報が民主化された時代」とよく言っていますが、まさにその通りです。現代社会においてたいていの情報は手に入ります。ちょっとがんばれば、不動産屋に対抗できる情報を入手することもできます。コツさえつかめばスマホやパソコンで、ある程度正確な不動産の評価を行うことができるでしょう。

この記事で解説しているのは、不動産屋に依頼することなく自分でできる概算価格査定。多少の誤差があったとしても、自分で自分の不動産価格を把握しておくことは大切です。「どの不動産屋が正直に査定しているか?」がわかるからです。

とはいえ、プロでもひとつの指標に頼ることなく、いくつかの指標を参照しています。そこで、アマチュアであっても簡単に手に入る複数の情報を活用して、自己査定する方法をご紹介しましょう。不動産売却を考える場合、価格査定をゼロから不動産屋に任せるのではなく、まず自分でざっくりと下調べをしておき、その数字をベースとして話をしてみましょう。そうすることで、不動産屋のいうことを鵜呑みにするのではなく、主体的に資産活用を考えることができます。これはとっても大事なポイントです。

相続税路線価を活用する

昔は分厚い路線価図の本を開いて、探している土地の前面道路の路線価を探したものですが、現在はネットで見ることができます。

国税庁が公開するサイト「財産評価基準書 路線数・評価倍率表」は、けっこう使いやすいので利用してみてください。まずはこのサイトで、ご自分の不動産(土地)の価格をざっくり把握するとよいでしょう。誤差はありますが、目安としては簡単に調べられて役に立ちます。

路線価図・評価倍率表

では、僕の実家のある大阪府堺市某所の土地を評価してみましょう。

図の「73D」とか「76D」と書いてある数字をチェックします。自宅前(ご自分の土地の前)の道路の数字を読んでみてください。この数字は千円単位なので、たとえば「76D」であれば、平米単価76,000円ということになります。後ろに付いているDとかCとかのアルファベットは借地権割合を表すので、とりあえず気にしないでOKです。

一般に相続税路線価は実勢価格の8割くらいといわれていますので、76,000円を0.8で割り戻します。

76,000円 ÷ 0.8 = 95,000円

上記から、95,000円が実勢価格に近い数字と考えられます(エリアによって当たってたり、オオハズレだったりしますが)。さてこの平米単価95,000円を坪単価にするには、3.30578を掛ければOKです。

95,000円 × 3.30578 = 314,049.1円

というわけで、この図の中の「76D」と書いてある道路沿いの土地は、だいたい坪単価314,000円くらいということになります。

答え合わせをしてみましょう

今回の答え合わせには、不動産情報サイトのアットホーム(athome)を利用しました。大阪府堺市南区城山台の土地は5件売り出されています(2019年12月12日現在)。坪単価を見ていくと、約28万円から約39万円の間で並んでいます。

どうやらビンゴと考えてよさそうです。ここでは路線価図の評価を信じて、ウチの実家の土地は坪単価314,000円くらいと判断しておきます。面積はたしか70坪くらいだったので、評価額としては2,200万円くらいかなーということがわかります。

建物がある場合は、これに上物の評価を乗せればよいわけですね。この件については後述します。

土地総合情報システム

オフィシャルサイトの中に、もうひとつ使えるデータベースがあります。それは国土交通省の土地総合情報システム。このサイトはバラツキがあるので、これだけを参照するのではなく、路線価で確認したご自分の土地評価を補強する意味で使ってみてください。

土地総合情報システム

さっそくアクセスして、大阪府堺市南区のデータを一覧表示します。操作方法は簡単です。トップページから「不動産取引価格情報検索」をクリックし、出てきた画面の左サイドメニューを利用して、①の「時期を選ぶ」は最新の四半期から過去2年分を含むデータを選択、②の種類は必要に応じてでかまいませんが、とりあえず「土地」で。「宅地」をチェックすると「土地+建物」まで検索されてしまうので注意してください。③の地域を選ぶについて、ここでは「大阪府」の「堺市南区」を指定しました。

65件ヒットしましたが、駅名(ここでは「光明池」)をクリックすると、さらにその駅周辺に絞ることができます。ここまでで29件に絞り込めましたので、細かく見ていきましょう。

データを坪単価でソートし、「前面道路無」とか「市街化調整区域」などを除外して見ていくと、ちゃんとした宅地の坪単価は最低でも20万円~のようです。坪単価51万円という妙に高い物件もありますが、そこは除外してしまいましょう。ボリュームゾーンは坪単価30万円台です。「堺市南区赤坂台」に多く集中しています。これは実家のすぐ近くのエリアなので、実家のまわりもこれに準ずると考えてよさそうです。

さてこの国土交通省土地総合情報システムは、何を元にしたデータベースでしょうか? 実は土地建物を売買したら「いくらで取引しましたか?」的なアンケートが届きますが、あれを集計しているようです。なので、自己申告ではありますが、実勢価格を集積したデータベース。実勢価格だけに、特殊な取引があればそれに引っ張られた数字になるわけですが(たとえば裁判所の競売物件なども含まれています)、正常な取引だけをピックアップして見ていくようにすれば、十分に参考になるデータベースです。

建物も評価してみよう

さて、ここまでで土地価格が(ざっくりですが)計算できました。もし一戸建て住宅なら、あとはこの上に立っている建物の価格をプラスするだけです。ただし建物の査定はけっこう複雑なので、ここでは超簡単な方法を採用します。国税庁さんのいうとおりで、やってみましょう。

建物の標準的な建築価額表

まず最初に1㎡あたりの工事費を調べます。下の表(単位は1000円)でその建物が建築された年の単価を探します。

建築年木 造 RC鉄骨
昭和46年31.247.230.3
47年34.250.232.4
48年45.364.342.2
49年61.890.155.7
50年67.797.460.5
51年70.398.262.1
52年74.110265.3
53年77.9105.970.1
54年82.5114.375.4
55年92.5129.784.1
56年98.3138.791.7
57年101.314393.9
58年102.2143.894.3
59年102.8141.795.3
60年104.2144.596.9
61年106.2149.5102.6
62年110156.6108.4
63年116.5175117.3
平成元年123.1193.3128.4
2年131.7222.9147.4
3年137.6246.8158.7
4年143.5245.6162.4
5年150.9227.5159.2
 6年156.6212.8148.4
7年158.3199143.2
8年161198143.6
 9年160.5201141
10年158.6203.8138.7
11年159.3197.9139.4
12年159182.6132.3
13年157.2177.8136.4
14年153.6180.5135
15年152.7179.5131.4
16年152.1176.1130.6
17年151.9171.5132.8
18年152.9178.6133.7
19年153.6185.8135.6
20年156206.1158.3
21年156.6219169.5
22年156.5205.9163
23年156.8197158.9
24年157.6193.9155.6
25年159.9203.8164.3
26年163228176.4
27年165.4240.2197.3
上記は国交省の資料をもとに国税庁が発表している標準的な工事費です。

次に、下の表に当てはめて取得価額を算出します。

上の表で求めた㎡単価
その建物の床面積
その建物の取得価額(②×③)=

たとえば平成元年に建てられた、床面積90㎡の木造住宅であれば、次の式のようになります。

123100円 × 90㎡ = 11,079,000円

国税庁の「減価償却費の計算について」というページを参考にして、再調達価格から減価償却費を差し引くことで、今残っている価値=残価を推定します。

減価償却費 = 11,079,000(円) × 0.9 × 0.031 × 31(年)

というわけで、減価償却費は9,582,227円。残っている建物の価値は、1,107,900円から9,582,227円を差し引いた、1,496,773円です。

本来税金の計算のための建物価格の出し方なので、通常は相場の低めの価格(もしくは相場より若干低い価格)になります。人気のあるエリアでは、これより高い価格をつける例が多い点はご注意ください。

建物の構造耐用年数償却率
鉄骨鉄筋コンクリート造又は鉄筋コンクリート造70年0.015
軽量鉄骨造28年0.036
木造又は合成樹脂造33年0.031
建物の減価償却率

土地建物を合計すると?

ここまでで、土地が約2,200万円、建物が約150万円と推定できました。ということは、合計で2,350万円くらいかな? と考えておけばOKです。

ここまでの過程で注意したい点を挙げるとしたら、複数の情報源にあたること。路線価+不動産情報サイト(今回はathome)+土地総合データベースを参照し、どの情報源で見ても大幅には値段が違わないことがわかりましたので、今回はけっこう手堅い数字になっていると思います。

上記の各サイトで数字が一致しない場合は、自己判断が難しい可能性大。そんなときは信頼できる不動産屋に声をかけてみましょう。

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