不動産相続

不動産屋に相続の相談をしないほうがいい理由とは?

2019年11月3日

不動産屋が「相続の相談を受け付けます」「相続の窓口になります」などというチラシを配布している事があります。だいぶ以前から続けられているので、おそらく引っかかる人がいて、商売になっているのだろうと思います。

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私の意見としては、相続の相談を不動産屋にすべきではありません。法律の専門家に相談しないと相続をスムーズに進めることができません。

この問題について、

  1. なぜ不動産屋に相談すべきではないのか?
  2. では、誰に相談すべきか?

の2点に分けて考えてみましょう。

不動産屋に相談すべきでない理由

不動産屋が決して安くない費用をかけて「相続の相談受け付けます」というチラシを配布しているのは、儲かるからです。そのビジネス構造は単純明快です。

不動産屋(宅建業者)は仲介手数料でもうけています。すなわち、相続財産を売却させてもらうことで仲介料を獲得することがひとつ目の目的です。

ですから、不動産屋に相続の相談をすると、最終的に「相続した不動産を売却しましょう」という話になります。しかし相続財産については、不動産以外の物も含めて総合的に判断する必要があります。

この点、不動産屋は不動産以外の相続財産の扱いについては素人です。ですから、総合的に判断することはいずれにせよ不可能で、とにかく不動産部分を売却することが目的となるでしょう。

さらに、ふたつ目の目的は、あわよくば相続財産を安く買いたたいて買い取ること。良心的な不動産屋であればそこまでしませんが、中には同業者の目から見ても信じられない業者がいます。一般の人は専門家から「現在の相場はコレくらいです」といわれたら、それを検証する知識を持ち合わせていないので、ヘタをするとつけ込まれる恐れがあります。気をつけましょう。

というわけで、たとえ相続したら売却を予定している不動産があったとしても、最初に相談すべきは不動産屋ではありません。他の専門家に相談しましょう。

では誰に相談すべきか?

財産がそこそこあるけど右も左もわからない、という方は税理士に相談してください。税理士であれば相続に関する質問にはほぼ対応できますし、とりわけ相続税について意見を聞いておくことは大切です。

以下は私が信頼している「弁護士ドットコム」というサイトの兄弟サイトで、無料で税理士を探せる「税理士ドットコム」です。無料のオンライン相談などもあり、使いやすいと思います。「相続税の申告はいつまでにすればいいの?」など、いろいろな疑問が出てくると思うので、とりあえずブックマークしておいても損はないと思います(注1)。

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財産がそんなにないから相続税は心配ないけど、右も左もわからない、という方は、行政の無料相談などを利用して弁護士か司法書士の意見を聞いておくといいでしょう。そもそも相続とは何なのか、を理解していない方は非常にたくさんおられますから、そういった知識を整理しておくべきです。また、民法改正に伴って相続法もけっこう大幅に変わっていますから、そのあたりの知識もアップデートしておきたいところ。

たとえば「相続放棄と相続分の放棄、何が違うのか?」というような点は地味に重要です。法律相談はそんな知識を包括的にレクチャーしてくれる場ではありませんが、自分が理解していない点を知るいいチャンスです。それをきっかけに、書物などできちんとした知識を得ることをおすすめします。

ある程度総合的な知識を得るために、本を1冊読みたい、というケースもあるかと思います。1冊あげるのはなかなか難しいのですが、法令がよく変更されるジャンルなので最新本を選ぶのがよいと思います。以下の書籍は比較的新しく、また内容もかなり読みやすく工夫しています。被相続人(亡くなって相続される方)の立場、相続人(財産を相続される方)の立場、いずれからも書かれているので、買って失敗する可能性も少ないです(どちらかというと生前対策寄り)。


図解90分でわかる!はじめての相続 家族を幸せにする“不動産”“遺言書”の相続術 [ 曽根恵子 ]

近頃「相続の窓口です」という打ち出しをする不動産業者がいろいろと目についてしまい、そこまでして稼ぎたいのかな? とモヤモヤしていたため、本エントリーを投稿しました。不動産屋以外にも「人の相続はカネになる」と思っている人たちがいると思いますので、お気を付けください。


注1……相続税の申告は、相続があったことを知った日の翌日から10か月以内に行う必要があります。

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