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賃貸住宅入居者はカモ? 都合よくお金を取る賃貸管理業者(不動産屋)の手法

2019年10月6日

たとえば「仲介手数料は家賃の1か月分だ」と思っている人が多いですが、法令の本則は「家賃の0.5か月分」です。それなのに、2倍にあたる「家賃の1か月分」を取られているのはなぜでしょうか?

この記事では、不動産賃貸業者の裏側を明らかにしていきます。

賃貸か持ち家か? どちらが有利かをトータルで解説した記事もおすすめです。賃貸では、とくに老後の暮らしが心配です。

まず、賃貸管理(賃貸部門の不動産屋)を始めるのに絶対に必要なのは「大家」です。大家がいて、賃貸アパートなどの管理を任されることが、仕事をする大前提。管理物件の個数でいえば、500戸くらい管理していれば「地場業者としては、そこそこ順調に回り始めている賃貸管理業者だ」といわれています。

そのアパートのうちの1棟、12戸の小さい物件があるとします。家賃はすべて1室40,000円だったとします(かなり簡略化しています)。

全12戸、すべて家賃40,000円というアパートを想定

月40,000円の家賃のうち、管理費としてもらうのは5〜10%です。ここでは5%としましょう。すると1戸あたり2,000円の売上げです。1棟12戸が満室だとして2,000×12=24,000円になりますね。

管理業者の取り分は、月額 2,000×12=24,000円

こんなアパートを5棟所有している大家さんがいるとします。順調に管理すれば、賃貸管理業者はAさんのおかげで月々120,000円くらい儲かることになります(満室の場合)。

こんなアパートを5棟持っている大家さんは、管理会社に月々12万円の利益をもたらしている

そしてこんな大家さんが10人いたら、管理戸数は600戸となり、月の売上げは120万円になります。これだけで会社を支えていくことは難しくても、事務員を雇って十二分におつりがきます。

このように賃貸管理業者の事業計画には当初「大家」しか登場せず、「入居者」は「まー後からついてくるかな」的な存在です。とにかく、大家ありきで始まる事業なのです。

当然ながら扱いも、大家>入居者、となります。

入居者は客ではない?

そうはいっても、入居者だってお金を払っているんだから客に違いないでしょ? と思うかも知れません。もちろんお客ではありますが、もたらしてくれる利益が、大家と入居者では段違いです。

大家月々120,000円
入居者月々2,000円

どうでしょう? 12万円の客に比べて、2,000円の客は扱いが悪そうですよね。そして、実際に扱いはよくありません

大家さんに支払う家賃4万円のなかから、大家さんが賃貸管理業者に2000円相当を支払っているという意味です。

仲介手数料が物語る差別的取扱い

もしあなたが賃貸住宅を借りたことがあるとしたら、仲介手数料はいくらだったでしょうか? 

「ふつう1カ月でしょ」という回答が多いはずです。

それが世の中の常識ですが、実は常識が間違っています

仲介手数料(媒介報酬)は、宅地建物取引業法の第46条で「国土交通大臣の定めるところによる。」と規定され、国土交通大臣の告示では次のように定められています。

宅地建物取引業者が宅地または建物の賃貸の媒介に関して依頼者の双方から受けることのできる報酬の額の合計額は、当該宅地または建物の借賃の一月分の1.1倍に相当する金額以内とする。

なんだ、やっぱり家賃の1カ月分じゃないか、と思った方は、もう一度注意深く読み返してみてください。家賃の1カ月分(税込み1.1カ月分)なのは、「依頼者の双方から受けることのできる報酬の額」です。一方からではありません。だから国土交通大臣告示には続きがあります。

この場合において(中略)依頼者の一方から受け取ることのできる報酬の額は、当該媒介の依頼を受けるに当たって当該依頼者の承諾を得ている場合を除き、借賃の一月分の0.55倍に相当する金額以内とする。

つまり、本則は、賃借人(入居者)から受け取れる金額を0.5月分(+税)と定めています。残りの0.5月分は大家に請求するのが筋でしょう。

ところが、実際にはほぼ必ず、入居者に「双方から受け取れる限度額」であるはずの1カ月分(+税)を支払わせているのです。大事なお客様である「大家」から仲介料を取れないので、入居者(賃借人)にその分を払わせているのです。

法律の建て付けとしては「当該依頼者の承諾を得ている場合」には、1カ月分(+税)を支払わせても構いません。ですが、「本来半月分しか取れませんが、承諾してくれたら仲介料を1月分取ることができます。承諾してくれますか?」なんて聞かれませんよね? 聞かれたら誰も承諾するはずがありません。だからしれっと1か月分を請求してくるのです。

この点で大家よりも入居者が軽んぜられていることが明らかですが、実はほかにも入居者がカモにされている例がたくさんあります。

明細を見てみよう

入居者がいかにカモられているかは、明細書をみるとわかります。たとえば必ずといっていいほど加入させられる火災保険(借家人保険)。これは賃貸管理会社が保険の取扱店となっており、大幅なキックバックを得ています。そのため、JAなどの借家人保険を利用するより、賃貸管理会社の借家人保険を利用する方が割高となります。

不動産屋の窓口で支払う火災保険。支払った掛け金の何割かは不動産屋の取り分です。

また、最近では家賃保証会社の保証をつけないと契約できないのが通常ですが、家賃保証会社からもキックバックがあります。家賃保証会社からは、保証料の2~3割くらいが賃貸管理会社に支払われています。

賃貸管理業はキックバック産業であり、そのお金は、賃借人(入居者)が支払ったお金から還流しているわけです

賃貸不動産に住むということの背景には、このような事情があります。特に仲介手数料の件はあまり知られていませんが、法律と国土交通大臣告示を厳密に解釈すると脱法的行為である可能性もあり、賃貸入居者(賃借人)が搾取されている状況が浮かび上がってきます。

賃貸住宅を契約するときは、こういった背景を知っておくことが必要だと思います。

追記:賃貸不動産契約における仲介手数料の件は下記の記事で捕捉しました。

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