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【田舎暮らし】移住のための物件探しはこの手順で

2019年5月13日

私は十数年間沖縄に拠点を置き、不動産会社を経営してきました。その関連で、多くの方々の沖縄移住をお手伝いしました。

その経験から、地方移住・田舎暮らしの実現に必要なノウハウをまとめておきたいと思います。

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2020年、実は私自身が沖縄から、大阪の田舎といえる阪南市に移住することになったのです。そのときの具体的な手順もご紹介します。

この記事で解説しているのは、土地カンのないエリアへの移住準備。宅建業(不動産業)経営者が実際にトライしてみた移住計画の記録です。

最初にしたこと

2018年の夏。両親が高齢化したことを期に、実家の堺市に近く、関西空港にも近いエリアに移住することを決めました。

その時点で、まず行ったのは以下の3ステップです。

  1. 地図・資料上で土地カンを養う
  2. 資料を持って実際に歩く
  3. 候補地を絞る
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会社として行う「投資」とほとんど同じ手順を踏んでいます。具体的には、まずリサーチをして、現地を調査しました。

沖縄の不動産物件を案内している時は、リサーチをせずに、いきなり現地で物件を見学される方が多いと感じました。

リサーチをせずに物件を見学するのは、効率が悪いと思います。

行く前にしたこと(リサーチ方法)

リサーチは、普通にネットで公開されている情報を、丹念にチェックすれば十分だと思います。私はathomeやHome'sなどのポータルサイトで、候補になりそうな土地や一戸建て情報をリストアップしていきました。

実家のある大阪府堺市と、関西空港の両方にアプローチしやすいエリアを狙いました。

まずは「このエリアで自分に買えて、なおかつ条件に一致する物件はどのように分布しているか」を探りました。その結果、泉南郡岬町や阪南市に多く、泉南市以北に少ないことがわかりました。

予算は約1000万円と少額だったので、エリア選定から厳しくチェックしていきました。

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この段階では、不動産情報を広告している地元不動産会社には連絡を取りません。物件の立地や外観チェックで十分です。

この段階で不動産業者に連絡しない理由

私が経営していた沖縄かりゆし不動産でよく経験したのが「イマキジンにある物件を見たいのですが」というお電話を受けること。問い合わせ物件所在地は今帰仁村で、正しくは「イマキジン」ではなく「ナキジン」です(注1)。

そこで疑問がわくのですが、地名を読めないお客さんが今帰仁村の土地や戸建てを本当に購入してくれるでしょうか? ご購入いただける確率は極めて低いといえます。従って、一般的な宅建業者の対応は悪くなるでしょう。

つまり、予備知識を持たずに不動産屋を訪れても、手厚く対応してもらうことは期待できません。ですから、あまり効率がよいとはいえません。

参考までに、私は地名が読めないお客様には次のようにご説明していました。

縁のない土地での物件購入は時間がかかります。今回は下見と考えませんか? 恐縮ながらお客様の土地鑑では、今回物件購入は難しいと思いますので、あと1回か2回は来沖されるつもりで、1日かけてエリアの状況を見てみましょう。具体的な物件はその流れの中で、ご見学いただけるものを見ていただき、地域の価格相場などをご説明します。

つまり、この段階でひとつやふたつの物件を見ても意味がありません。外観だけでもよいから、たくさんの物件を見て、自分の中にデータを蓄積していく段階といえます。

具体的にかけた時間と労力

さて、私が初めて現地に足を運んだのは2018年7月のことです。宅建業者(不動産屋さん)に内覧をお願いしたのは、それから9か月後の2019年4月。つまり、9か月のリサーチ期間をかけてから地元業者に電話をしたので、その時には土地カンもある程度身につき、物件の相場も把握できていました。

購入申込みまでに、4度現地を訪れました。極力、公共交通機関を使い、徒歩で回るようにしました。秋に訪問したとき「これは!」と思う物件があったので、業者から資料だけとりよせて、その資料に間違いがないか役所調査を行ったりもしました。調査の結果、業者が把握していない問題(水道敷設が保証されない状況)などもわかり、その物件を対象から外したり、といったこともありました。

様々な状況から、泉南郡岬町を候補から外し、阪南市に絞ったのが2019年の3月でした。この時点で、問合せをする業者も2社にしぼっていました。1社は阪南市舞を中心としているはんきバイオさん。もう1社は阪南市全域で手広く営業している阪南住宅さん。いずれの業者さんにも、①すでに資料はインターネットからプリントした事を伝え、②具体的に見たい物件を伝え、③類似物件があれば推薦してほしい旨を伝えました。

譲れるところと譲れないところ

資料を検討していると、あれもこれもよく見えたり、逆に欠点が目についたりして決められなくなるので、行く前に前提条件を整理しておきました。

リフォーム前提なので、譲れるところはたくさんあります。基礎と構造がしっかりしていれば、あとは少々ボロボロでも直せばよい、と考えました。水回りなどは中途半端にリフォームされた物件よりも、ボロくて安い物件の方が好都合です。

譲れないのは、基礎や躯体の強度や傾き。現地でいくつか建物を見た感触では、阪南エリアで安い物件の場合、基礎に大きなクラックが入っていたり、基礎そのものが傾いているケースが多く見られました。こういった物件は、ほかの部分がよく見えてもパスすることを原則としました。また、古い擁壁に囲まれた土地が多く、地盤が沈んでいる物件もありました。魅力的な物件であっても、地盤に疑問がある時点でパスすることに決めておきました。

もうひとつ譲れないところは、敷地の広さでした。家内が「ハンモックをつりたい」と言っていたことと、自分でも窮屈なところがいやだったのと、子供が遊べるスペースがほしかったことが理由です。そこで、具体的には敷地は50坪を下回らない、と決めました。

この条件で、かなり物件を絞り込めました。

譲れないポイントは

  • 基礎や躯体のコンディション
  • 庭の広さ

そして決めたのは?

写真の物件です。価格は270万円(諸費用込みで300万円強)。建物価格ゼロ円。土地として売られていた、阪南市鳥取三井の物件です。しかし、この価格帯の建物の中で、基礎にクラックが入っていないものはこれだけでした。

10年以上空き家だったので、かなりボロボロでした。外壁のパネルは一部そりがあり、おそらく雨水が浸入していると思われます。屋根のカラーベストも替え時でしょう。そして約85㎡と、ちょっとしたマンション程度の狭さです。

しかし、敷地は64坪ありました。ハンモックもつるせますし、おばあちゃん家からもらってきた柿の木を植えることもできますし、大きなウッドデッキを作ることもできます。駐車場も最初から2台確保されていました。

実は4回の大阪行きで、阪南市がかなり好きになっていたことも決め手です。阪南市には海があり、沖縄での暮らしの延長として、自然に移住できそうな気がしたのです。また、岬町は少し不便だし、泉南市はゴミゴミしている(沖縄県民の個人的な意見ですが)と感じました。

ほどよい田舎で、街のあちこちから美しい海が見え、ほどよくお店があり、とても静かで緑が多い街。そんな印象の阪南市に移住を決めて、今のところ大満足しています。

購入した後のリフォームと合計金額

沖縄から阪南市に時々通い、リフォーム工事を行いました。沖縄に住みながら関西の物件のリフォーム工事を行ったので、完全分離発注ではなく、下の記事で解説している「ざっくり分離発注(外と中の2つに分離)」でリフォームをしています。

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外壁塗装は堺市西区のNトラストさん、内部はTOMY建築工房さんに依頼しました。TOMY建築工房さんから設備屋さん、サッシ屋さんなどを手配してもらう方法で業者さんをすべてまとめてもらいました。

古い建物ですがパナソニックの軽量鉄骨造なので、建築当時に構造計算されていることから耐震補強は行いませんでした。外装はフッ素系の塗料で全塗装、屋根はガルバニウム鋼板のカバー工法でやり直しています。屋根+外壁塗装一式で100万円台前半です。

内部工事はフルリフォームしています。水回り全交換、すべての床交換、ピアノ室の防音工事、一部間取り変更などなど。すべて込みで550万円くらいでした。


注1……沖縄で不動産会社を経営していたのは、この記事を書いた2019年のことです。その後会社は譲渡し、2020年3月末に退任しました。

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