不動産トピック

フラット35を「悪用」する手口が話題に

2019年5月10日

朝日新聞に大きく報道されていましたが、本来居住用の住宅にしか使えないはずのフラット35を「悪用」して収益物件を購入する(あるいは購入させる)手口が問題化しているのだそうです。リード文から引用してみましょう。

1%程度の固定低金利で長年借りられる住宅ローン「フラット35」を、不動産投資に使う不正が起きていることがわかった。ローンを提供する住宅金融支援機構も「契約違反の可能性がある」とみて調査を始め、不正を確認すれば全額返済を求める方針だ。

ざっくりまとめると、以下のような仕組みです。

自己居住用の住宅専用だから「低金利」の住宅ローンを、不動産投資に流用

朝日新聞は「不正が起きていることがわかった」と、なんとなく最近判明したように記述していますが、実は昔からある手口です。

たとえば沖縄かりゆし不動産が商圏としている沖縄本島北部でも、そのような事例をいくつか見聞きしています。具体的に「この宿泊施設はおそらくフラット35を悪用している」と指摘することもできます。

住宅支援機構もこういった事例を「ごく一部のことならば…」と黙認してきた経緯があったのではないかと思います。推測に過ぎませんが、機構が把握できていないとは思えないからです。小規模な悪用事例であれば、見逃されてきたのではないでしょうか。

ところが、朝日新聞が今回取材したのは大規模な事例。東京都内の中古マンション販売業者の元社員が次のように証言しているそうです。

フラット35を投資目的で使ったのは、昨年6月までの約2年間に売った150戸前後。仲間の仲介業者らと一緒にやった。この仕組みでトップセールスマンになれた。

営業マンひとりの販売戸数が多く、さらに「仕組み」と言っているあたりに規模感がうかがえます。この「仕組み」にはブローカーも関わり、借金のある人にオーバーローンを組んで借金を返済させた上で、物件購入のためのローンも組ませるという手口を確立していたようです。場合によってはブローカーが借金を抱えている人を見つけて、そこから商談をスタートする事例もあったとか。いったい、どういうことでしょうか?

たとえば200万円の借金がある人に、1800万円のマンションを買わせたとします。契約書に細工をして、物件価格を2000万円に見せかけることで、2000万円のローンを組みます。フラット35であれば、返済額は月々56500円程度になります。

このマンションを10万円程度で賃貸できれば、200万円の借金を返済した上で、毎月3万円くらいの現金が手元に残るはずです(10万円からローン返済額とマンションの管理費や修繕積立金、不動産会社の手数料を向上した額です)。

上記の例は諸費用を考慮しない、ごくごく大雑把なシミュレーションですが、こういった方法で借金を清算しながら不動産も持てると言われたら? 誰しも心が動いたに違いありません。ただ、こういった手口がばれた場合、最悪のケースでは全額一括変換を求められることになります。自己破産の可能性さえある、危険な行為でもあるのです。

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